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意外に知られていない法人税法能力検定を徹底解説!

HUPRO 編集部
以外に知られていない法人税法能力検定を徹底解説!

経理の仕事に携わる人でも法人税法能力検定についてはあまり良く知られていないように思います。筆者も、税理士試験の受験経験はありますが、法人税法能力検定について知ったのはかなり後でした・
この記事では、法人税法能力検定について解説しています。

法人税法能力検定試験とは?

法人税法能力検定試験とは、企業内の税務処理をきちんと行うために、法人税の基本的な理解を問う検定試験です。

税理士試験を目指す人や企業内の経理担当者が受験することが多く、専門的なスキルが必要となる税法分野の力試しに最適な検定試験となっています。

試験の概要

法人税法能力検定試験は、公益社団法人 全国経理教育協会が昭和43年から実施している試験です。現在は、「法人税法能力検定試験」、「所得税法能力検定試験」、「消費税法検定試験」の三つが実施されています。

令和2年度からは、継承・事業承継が課題となっていることを背景として、相続税法能力検定」が実施されることになっています。

【試験の概要】

受験資格 誰でも受験できる
試験内容 筆記試験(文章問題・仕訳問題・計算問題)
試験日程 年2回(2月上旬・10月下旬)
受験料 1級 3,500円、2級 2,700円、3級 2,300円 *税込み
申込方法 協会ホームページの申込サイト
試験時間 一時間(2,3級)、90分(1級)
試験会場 協会加盟校
合格発表 協会ホームページ上のマイページ
合格条件 1科目100点満点とし、全科目得点70点以上を合格
受験要領 http://www.zenkei.or.jp/wp-content/uploads/3104youkou.pdf

出典:受験要領

勉強方法

受験対策としての勉強方法は、他の会計系資格の勉強方法と同じです。
 

勉強方法 内容
市販テキスト 実務的な処理はできるが、体系的に理解していない人にお勧めです。論点ごとに基本的な考え方や演習問題が開設されていますので、独学での勉強が可能です。
過去問題集 過去問は問題のレベル感を知るうえでとても重要です。書籍での過去問題集(解説付き)や直近分の過去問題(解説無し)を購入してマイペースで勉強することができます。
資格スクール 自分で学習計画をこなすことが苦手な人にお勧めです。料金はかかりますが、その分モチベーションを維持することができます。また、講師陣に色々質問・相談できることも魅力です。

資格取得の3つのメリット

法人税法能力検定試験は、次の3つのメリットがあります。

メリット① 就職・転職時に有利になる

企業内の経理財務部門は、他の部門からはよくわかりませんが、実は3つの専門性が必要となる部門です。

財務(資金調達や運用など)
経理(会計基準対応や連結決算など)
税務(各税法の申告、節税対策など)
となります。

比較的規模の大きな企業は、この3つの機能が独立しており、それぞれに専門的な人材を求めています。

特に、税務の分野は、法人税、消費税、固定資産税、地方税など専門的な能力が求められており、しかも、税務に精通した人材はあまり多くありません

そのため、法人税法能力検定に合格しているということは、税務の知識を一定程度持っていることの証明になり、就職や転職の際に有利に働きます。
ただし、3級は、少し勉強すれば誰でも合格するレベルの試験です。そのため、転職などで履歴書に書く場合には、1級に合格していることが望ましいです。

メリット② 自分のスキルを把握することができる

会計系資格は、公認会計士をトップとして、日商簿記試験、全商簿記検定、全経簿記など色々な検定試験があり、会計分野の自分のスキルレベルを把握することができます。

税務については、超難関な税理士試験がありますが、法人税法能力検定試験以外には適当な検定試験は見当たりません。

3級から受験合格し、2級・1級と順次合格することにより。自分のスキルレベルを把握することができます。1級合格後は、税理士試験合格を目標として、自己研鑽に取り組みこともできるようになります

資格取得の3つのメリット

メリット③なんといっても実務に役立つ

小さな企業であれば、会計処理は自社内で行っても、税務分野は税理士にお願いしている事業者も多いかと思います。実は、会計処理は、法人税法など税法と密接な関係があります。

売上と益金の関係、費用の計上時期、固定資産の計上や償却費計算など税法の知識が無いと正しい会計処理が行えません。
法人税の計算や益金と損金の計算など、法人税法能力検定で出題される知識を習得することで、会計処理を正しく行うための理解や知識が身につくことになります。

まとめ

法人税法能力検定とは、法人税法の基礎知識や計算方法などを問う検定試験です。経理パーソンとして専門性を必要とする税務分野の専門家を目指す人にとって最適な検定試験です。合格すると、就職や転職時に有利に働く場合もあります。
3級はハードルの高い試験ではありません。どの級からでも受験できますので、自分のレベルを確認する意味でも一度受験してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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