士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

人事は年収が高いのか?転職で年収アップする方法!

社会保険労務士 西岡秀泰
人事は年収が高いのか?転職で年収アップする方法!

人事の仕事は、企業活動を担う人材の有効活用であり、人を取り扱うことから苦労も多いかわりに、やりがいのある魅力的な仕事です。では、収入面ではどうでしょう。一般の事務より年収は高いといわれますが、本当にそうでしょうか?今回は人事の年収と、転職で収入アップする方法について解説していきます。

人事の仕事内容とその魅力とは?

人事の仕事の特徴は専門性と多様性

人事の仕事は、経験とスキルが求められる専門的な仕事です。仕事は主に次の5つ分類され、内容は多岐にわたります。

1.人事企画 …採用計画、部門構成の計画、人材配置の計画の立案・実行
2.採用業務 …人員の募集・面接・採用・雇用の一連の業務
3.教育・研修…従業員の教育と研修(新人研修、管理職研修、スキルアップ研修)
4.人事評価 …評価制度、報酬制度の策定と、人事評価の実施
5.給与・労務…給与支給・社会保険・労務関係などの事務全般

人事の魅力とは?

企業の業務運営に幅広く関わる仕事

人事の魅力の一つは、企業の業務運営に幅広く関わる仕事であることです。プロジェクト立上げ時の要員確保や従業員教育、重要ポストへの人材の配属など、企業の経営戦略に関わることもあります。

また人事評価や異動を通じて社内各部署と連携して業務を行い、採用や労務関係手続き、研修を通じて従業員すべてと関わる機会を持つことができます。社内全体を広い視野で見ることができ、人脈を広げることもできます。

スキルアップの機会が多い仕事

もう一つの魅力は、スキルアップの機会が多いことです。担当業務にもよりますが、人と関わる仕事ですからコミュニケーション力、情報収集力、折衝力など、幅広い対人スキルを身につけることができます。

また、評価制度づくりや社会保険業務、各種研修を通じて専門知識を得ることが可能です。業務に関連する資格を取得する人も多いでしょう。

人事の年収は?

他部署と比較した場合の人事の年収

一般的に、人事の年収は、他の職種より高めであると言われていますが、正確とは言えない面もあります。営業職や技術職では職務給(業務内容に対する評価給)などが高いケースがありますが、人事部の職務給が他部門と比較して高いケースは稀です。

人事の年収が高めだといわれる主な要因は、同年代と比較して昇進が早いことや、職能給(業務遂行能力に対する評価給)が高いことにあります。「人事は出世コース」という言葉があるように、企業の業務運営上、重要な役割を持つ人事部に配属されるのは、一定の評価をうけた人材である場合が多いからです。

また長年、人事を経験することでスキルアップして評価が高まるケースや、企業の経営戦略に関わることや人脈が広がることで社内評価が高まるケースもあるでしょう。

転職した場合の人事の年収

転職した場合の人事の年収は様々です。事務的な給与計算、社会保険手続きの業務だけなら、一般的な事務職と変わらない可能性があります。また大企業から中小へ転職する場合は、年収ダウンするケースも多いでしょう。

一方、人事制度の構築ができる、採用のノウハウを持っている、マネジメント力がある、など、高いスキルと経験を持つ人材ならば、年収アップの可能性が高まります。急成長した中小企業やIT業界などでは、人事に精通した人材は不足しているため、即戦力になる有能な人材は、高く評価されるでしょう。

人事の転職は?

人事の求人は増加傾向

人事の求人は増加傾向にあります。人材の流動化や人手不足により、採用の重要性が高まり
あわせて人材の定着も課題となりました。また働き方改革に対応するため、就業規則の見直しや、業務改善のための人員配置などの対応も必要となります。今後も人事の求人は増加していくでしょう。

ただし、大企業では社内人材を活用することが多いため、求人の中心は中小企業やベンチャー企業であることは注意が必要です。企業により待遇は大きく異なります。

転職で年収をアップさせる方法(転職では経験と資格がものをいう)

人事の転職では、経験と専門的なスキルが重要視されます。経験は、経験年数や実績で判断されますので、人事経験が浅く転職を考えている人は、一定年数は現職でいろいろな業務を経験し、機会を待つことをおすすめします。

専門的なスキルは、資格を取得することで効果的にアピールすることができます。人事の仕事の役に立ち、かつ転職にも有利な資格としては、社会保険労務士、衛生管理者、キャリア・コンサルティング技能士、産業カウンセラー、などが挙げられます。

また一般的に、人事は本社勤務で、社外のセミナーや研修会に参加する機会も多いでしょうから、資格取得以外でも積極的に情報の収集やノウハウの収集を図っていきましょう。

まとめ

人事の年収は、専門性が求められることから社内の他部門より高めであるといえます。また転職においても有利になる場合があります。

ただし、同じ会社で勤務する場合も転職する場合も、経験と実績を積んで高い評価を受けること、専門的なスキルを身につけていることが前提となります。スキルアップまたはスキルの証明として、人事関連の資格取得をすることも有効です。

人事の転職情報はこちら人事職の転職・求人情報を探す

▶︎ 士業・管理部門でスピード内定|最速転職HUPRO はこちら

この記事を書いたライター

生命保険会社に25年勤務の後、西岡社会保険労務士事務所を開設。保有資格は社会保険労務士資格、ファイナンシャルプランナー2級、生損保各種販売資格。得意分野は人事・労務、金融全般、生命保険、公的年金。
カテゴリ:転職・業界動向

おすすめの記事