人事職の志望動機で他の応募者と差をつけるには、企業に響くポイントを押さえることが重要です。本記事では、効果的な書き方のコツや採用担当者に好印象を与える構成を解説。さらに、NG例も紹介します。未経験者・経験者それぞれの具体的な例文付きで、人事職への転職・就職を成功させるためのポイントを詳しく解説!
志望動機の例をご紹介する前に、前提として人事について解説します。
企業における「人事」は、社員の採用・教育・評価・労務管理を担う重要な部門です。
人材の獲得・育成・定着を通じて、企業の成長を支える役割を果たします。
人事への転職における志望動機を考える前に、まず一番大切なこととして、人事の仕事内容をしっかりと理解しておきましょう。人事の仕事は以下の5つに分類されます。
人事の業務内容について、詳細な解説は下記の記事からご覧ください。
人事というのは、新卒よりも圧倒的に中途採用が多いです。新卒採用の仕事であれば、歳が近いということで新卒にも任されることがありますが、通常、人事の仕事というのは採用業務中心に会社の業績に直結するとても重要な仕事ですので、ある程度の経験者を中途として採用する傾向にあります。
人事の仕事には多くのやりがいがあります。代表的なものをご紹介します。
採用業務のやりがいの一つは、自分が採用した人材が会社で成長し、活躍する姿を見ることができる点です。
苦労して採用した人材が成果を出し、組織の中心になったときの達成感は大きいです。
人事の仕事は、単に「会社のため」だけでなく、「社員の人生」にも深く関わる仕事 です。
社員のキャリア形成やライフプランを支援することで、会社だけでなく個人の成長にも貢献できます。 「社員の人生にポジティブな影響を与えられる」のが最大のやりがいです。
人事で必要なスキルの一つとしてコミュニケーション能力が、真っ先に浮かぶと思います。
コミュニケーション能力以外にも必要なスキルがありますので、そちらをご紹介します。
上記以外にも複数のスキルはありますが、こちらを押さえて、自己PRすると良いでしょう。
人事の必要スキルについて、詳細な解説は下記の記事からご覧ください。
人事のキャリアパスは大きく分けて四つ方向性があります。自分の強みや志向に合わせてどの道を進むのか考えておくことが大切です。
人事のキャリアパスについて、詳細な解説は下記の記事からご覧ください。
ここでは、人事を目指す際の志望動機について、そのポイントを紹介していきます。基本的には、“なぜ” を深掘りしていく形になりますが、それと同時に自分が人事として働くことで、その企業に対してどのように貢献できるのかを伝えることが求められます。それぞれ見ていきましょう。
まず、先述からもありますが、人事の主な役割と求められるスキルを整理しておきましょう。
企業によって求人票や募集要項に「求める人物像」として記載されている場合もありますが、求める人物像とかけ離れているにも関わらず選考を受けたとしてもカルチャーマッチしないことがあります。
ミスマッチを防ぐためにも企業が求めている人物像や能力・条件に自分が当てはまっているのか、また当てはまっている根拠は何なのかを明確化させましょう。
【人事の主な業務】
【主に求められるスキル】
自分が人事の仕事にどのような魅力を感じているのかという点を具体的に書いていきます。過去の職務経験なども交えながら、人事という仕事を正しく理解し、自分には人事としての適性があることを伝えていきましょう。
「人事の志望動機作成におけるNGポイント」に後述しますが、現状の志望動機をそのまま記載してしまうと企業側にマイナスイメージを与えてしまうこともあるので、注意が必要です。
人事未経験であっても、例えば、会社の組織全体を見る中で人事の重要性を感じたなど、実体験に基づき人事を志したきっかけを述べるようにしてください。また人事経験者の場合は、なぜ人事の仕事を続けたいのか、さらに最初に人事の仕事についたときの話などを伝えると良いでしょう。
人事の仕事はどの会社でも行うことができます。数ある会社の中で、なぜこの会社で人事として働きたいのかという点は、採用担当者も気にする点です。
例えば、他の会社には無い独自の制度を取り入れている場合には、その点に魅力を感じているなどとアピールしてみても良いでしょう。差別化することはなかなか難しいですが、それだけ情報収集力が重要になってくると言えるでしょう。
人事部は非生産職(営業のように直接的に売上を追わない)ですので、売上等の金額面で貢献することはなかなか難しいですが、人材育成や組織開発などを通じて業績や経営に貢献できる旨を盛り込んでいくと良いでしょう。
人事経験者の場合は、前職などで今までどのようにして会社に貢献してきたのか、具体的に年間の採用人数までしっかりと伝えられると高評価を得やすいです。採用人数以外には、実際に新しい人事システムを導入して、社員の働き具合がどう変わったかの説明も説得力があって良いです。
採用面接では、目の前の仕事だけでなく、将来的なキャリアステップを意識することが重要です。企業は「この人が長期的に成長し、貢献してくれるか」を見極めています。そのため、3年後・5年後・10年後にどのようなキャリアを築きたいかを具体的に考え、自分の成長ビジョンを伝えられるようにしましょう。
例えば、「3年後には採用業務を一通り経験し、5年後にはチームをまとめる立場に。10年後には人事戦略を担う存在になりたい」といった目標を持つことで、面接官にも前向きな姿勢が伝わります。
また、キャリアプランを考えることで、企業との相性を確認しやすくなります。自分の成長が実現できる環境かどうかを見極めるためにも、採用面接の前にキャリアステップを整理しておくことが大切です。
ここからは逆に、どのような志望動機だと印象が悪く映ってしまうのかについて、解説していきます。
人事職は、単に人と関わる仕事ではなく、企業の戦略や目標に沿った人材を見極め、採用したり育成したりする非常に専門的な職種です。面接で「人と関わるのが好きだから」とだけ伝えてしまうと、「ただのコミュニケーション好き」という印象を与えてしまいます。人事職では、採用計画の立案や労務管理、社員の育成といった高度なスキルが求められるため、単に人と接することが好きだからという理由だけでは説得力が欠けます。
そのため、志望動機としては、人と関わることを活かしてどのように企業の成長をサポートできるかを具体的に伝えることが重要です。例えば、「企業の採用戦略に携わり、適切な人材を採用することで、会社の成長に貢献したい」といった具体的なビジョンを持っていることが大切です。
面接では、「なぜこの企業で人事として働きたいのか?」という質問がよくあります。この時に、「御社の人事部門だから」「安定しているから」といった抽象的な回答では、企業に対する理解の浅さを感じさせてしまいます。企業は自社の理念や文化、戦略に共感し、理解している人材を求めています。応募する企業の事業内容や最近の取り組み、成長戦略について調べ、なぜ自分がその企業の人事職に応募したいのかをしっかりと伝えることが大切です。例えば、「御社が展開するグローバル人材戦略に深く共感し、自分の経験を活かして、より良い組織作りに貢献したい」というように、企業の特性に対する理解を示し、志望動機を具体的に述べることが重要です。
「安定しているから」「労働環境が良さそうだから」といった理由だけで人事職を志望することは避けるべきです。人事は会社の成長を支える重要な役割を担っており、単なる「安定職」や「楽な仕事」とは異なります。採用活動や社員の労務管理、評価制度の運用、さらには組織改善など、非常に多岐にわたる業務を担い、その成果は会社の発展に直結します。もし、「安定を求めて人事職を選びました」という理由だけで志望動機を伝えると、「この仕事に対して真剣さや意欲が欠けている」と捉えられてしまいます。
そのため、志望動機には前向きで具体的な理由を述べることが重要です。たとえば、「社員が最大限に力を発揮できる環境を整え、組織のパフォーマンスを向上させる仕事に魅力を感じている」「採用や人材育成を通じて、企業の成長に貢献したい」といったポジティブな理由を伝えることが求められます。
過去の経験ベースのアピールを効果的に行うためには、ネガティブな表現や単なる成功体験の列挙を避け、具体的な学びや成長、どのように転職先で活かせるかを意識することが大切です。また、異業種や異職種に転職する場合でも、自分が得たスキルや経験がどのように応用できるかを明確に伝えることで、面接官に自信を持ってアピールできるようになります。
例えば、「人事は採用の仕事が中心だと思い、面接をするのが楽しそうなので志望しました。」などと志望動機を話してしまうと、そもそも人事の仕事を理解しているのだろうかと採用面接官から思われてしまいます。
人事の仕事は採用だけではなく、労務管理や研修、人事評価の設計など多岐に渡ります。仕事内容を理解できていないと「志望度が低い」と判断されてしまいます。
その場合は、下記のように「特におもしろそうだと思う点+その他の業務」と人事業務全般をしっかりと理解しているような志望動機にすると良いでしょう。
どの職種にも共通ですが、将来のビジョンがない志望動機だと、採用面接官から長期就業の観点やミスマッチを懸念に思われてしまいます。
採用面接官や企業側は、「この人を採用してどのようなメリットがあるのか?」を知りたいと感じているため、「まずは経験を積みたいです」というような志望動機の場合、成長意欲やキャリアプランが見えないと思われてしまいます。
求人票や募集要項に記載の業務を見ながら、自身の将来像までしっかりと落とし込んだ志望動機を用意すると良いでしょう。
では、実際に人事の転職における志望動機の例文を以下にご紹介します。人事未経験者と人事経験者それぞれでご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
志望動機にも自己PRが一部含まれていますが、面接時には必ずアピールポイントが聞かれます。
志望動機と似ている点もありますが、面接時にどのような自己PRをするべきなのか、一例をご紹介します。
では、実際の人事の自己PR例文を人事未経験者と人事経験者それぞれでご紹介します。
今回は、人事の転職における志望動機について、自己PRのポイントや例文なども交えて紹介してきました。是非、ご自身の履歴書作成や面接選考の際に、役立てて頂ければと思います。
人事の志望動機作成におけるポイントでお伝えした通り、「この会社でなければいけない理由」などは一人で作ることが苦手という方もいらっしゃると思います。その場合は転職エージェントに相談し、その会社でしか経験できないことなどを聞き出して、自身の志望動機や自己PRに反映させていただきたいです。
特に、ヒュープロでは、履歴書・職務経歴書の添削はもちろん、面接対策なども丁寧に行っていますので、「この会社でなければいけない理由」や、そもそもの「人事という職種でなければならない理由」など、悩まれた際は是非お気軽にご相談いただけましたら幸いです。
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