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会計士転職の志望動機はこれ!

公認会計士 大国光大
会計士転職の志望動機はこれ!

転職する際に採用担当者がまず聞くことは、志望動機です。この志望動機によって採用の可否が大きく変わるにも関わらず、意外としっかりと考えていない人を見かけます。今回は、会計士が転職する際の志望動機について業種別に現役公認会計士が解説します。

会計士の志望動機はポジティブに

会計士というのは会計系では最も難しい資格の一つで、これを持っているだけで転職市場では有利と言えます。
一方で、「会計士持っていてうちにずっといてくれるのかな?」と思われるのも事実です。よって、会計士の志望動機は必ずポジティブなものである必要があります。
例えば、「前の会社はやりたいことがなかったから辞めた」とか「上司の態度が気に入らなかったから辞めた」というのは本当にそんな理由だったとしても言わない方が良いです。
そうであれば、「貴社では自分のやりたいことができると思って応募した」とか「今までの経験を貴社で発揮できると思い応募した」等、前向きな志望動機のほうが印象が良いでしょう。

会計事務所での志望動機

会計士が会計事務所に転職する際によく聞かれる質問が「独立志望ですか?」というものです。実は、この質問の答えに対する反応は、会計事務所によってかなり異なります。
「将来は独立志望です」というと、「この人は長くいないつもりだから採用を見送ろう」と思う会計事務所と「独立志望というくらい志が高いのであればお客さんを任せられる」という評価に分かれます。

実際、私が会計士を面接する際は能力が同じ場合は独立志望のほうを採用します。もっと言うと、本当に独立の時期が来れば一つの支店を任せて報酬もある程度自由にとってもらおうとも考えるでしょう。
大きな会計事務所になればなるほどそのように多様性を重んじる傾向にありますが、個人事務所であればあまり前面に出さない方が無難ではあります。

関連記事:会計事務所の志望動機ってどう書くの?ポイントと事例を紹介

事業会社での志望動機

事業会社で、経理要員として会計士が転職する際の志望動機では、即戦力となることをアピールしましょう。
監査法人に勤めている会計士は実務をやっていないため、一般事業会社での経理には最初は戸惑いがちです。しかし、数か月もすれば要領もわかってくるため、持っている知識やスキルを活かすことができるでしょう。
会社によっては「会計士なのだから最初から全てできて当然だろう」と思う人もいますので、できることを全面的に出して、不安なことはこちらから特に伝える必要はないでしょう。もちろん、入ってから落胆されるくらいであれば先に伝えることもありますが、あまりネガティブな要素ばかり並べないようにしましょう。

コンサルへの転職の志望動機

コンサルとなると、どのような内容のコンサルかによって志望動機は異なってきます。特に戦略系コンサルタントとなると、会計士のスキルだけでは仕事にならず、プレゼン能力や問題解決能力が求められます。
よって、志望動機よりも能力やコミュニケーション能力が重視されますが、なんでも吸収できる柔軟性をもって面接に臨むことが重要です。また、前職でクライアントに喜ばれたエピソード等を交えると、この人はクライアントに向き合った仕事ができるという評価となるでしょう。

関連記事:差がつくコンサルの志望動機の書き方を知ろう!

株式公開準備会社への転職の志望動機

最近株式公開準備の会社が増えてきていることもあり、CFOのような経理を統括する人材の募集が増えてきています。このようなポジションに公認会計士はうってつけであり、業界でもよく募集を見かけます。

株式公開準備ではいくらCFOであってもかなり実務をすることが求められます。よって、あまり管理を重視した志望動機ではなく、人が育つまでは自身がしっかりと手を動かすことをアピールしましょう。また、株式公開準備企業ではそれほど報酬を払えない会社も多いです。その点も、良い経験になる、社長の夢を一緒にかなえる等のポジティブな要因で志望したことをしっかりとアピールしましょう。

NGな志望動機

では、会計士が転職する際のNGな志望動機はどのようなものでしょう。
冒頭にあげたとおり、前職をあまり批判するのはNGです。もちろん、前職がひどすぎて2,3日で辞めてしまったような場合は話す必要がありますが、そうでない場合は基本的に自信のスキルアップにつながった経験談をするくらいでしょう。

また、転職先で募集していない職種を前面に出すのもあまり印象のよいものではありません。現在募集している職種が連結決算要員であるのに、得意な国際会計基準の話や税務の話をしていても採用担当者はピンときません。仮に、自分が苦手であったり経験したことの無かったりする職種に応募する場合も必ず前向きに勉強することをアピールしましょう。
正直、会計士の資格があれば一通りの会計知識はあるはずで、例えば原価計算に詳しくなくとも1冊しっかりと本を読めば戦力となることは間違いありません。

まとめ

会計士は転職市場では優遇されやすいと言えます。しかし、志望動機があいまいであったりネガティブなものであったりすると採用はされにくくなります。最も大事なことは、「なぜ当社を希望したのか」というところですので、会社のことは十分に調べたり、エージェントにわからないことはしっかり聞いたりすることが重要です。

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この記事を書いたライター

公認会計士、税理士。監査法人東海会計社代表社員、税理士法人クレサス代表社員。大学時代に公認会計士旧二次試験に合格後大手監査法人に就職し、27歳で独立開業。国際会計と株式公開支援が専門。セミナーや大学で講師を務めたり書籍の出版も行っている。
カテゴリ:転職・業界動向

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