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未経験でも人事に転職できる具体的な方法

HUPRO 編集部
未経験でも人事に転職できる具体的な方法

誰もが職業人生の中でキャリアアップやキャリアチェンジを考えます。
あなたもひょっとすると今、これからの職業人生について悩んでいるかもしれませんね。
未経験でも人事になれるのか、未経験は転職に不利にならないのか気になっていることでしょう。この記事を読めば、未経験でも人事に転職できる具体的な方法を知ることができます。
そして、あなたには実際に人事を目指すための行動をしていただきたいと考えています。
今回は実際に未経験から人事になった人事のプロの目線から、どのサイトよりも現実的で詳細な「人事になれる方法」を解説していきます。

そもそも未経験でも人事に転職できる?

まず結論からお伝えしましょう。未経験でも人事に転職することは可能です。ただし一定の条件が必要です。
まず前提として、中途採用では企業は即戦力人材を求めていることを理解しましょう。
企業は欠員補充や業績拡大など、何らかの理由によりすぐに働ける人を中途採用で求めています。つまり、中途採用は新卒採用と異なり、人材を育ててから活躍してもらうという発想がありません。しかし、特別な理由で未経験者を募集する場合があります。

未経験者を募集する特別な理由

企業が未経験者を募集する主な理由は3つです。

あえて未経験者が欲しいとき

企業が未経験者を求めるのは、基本的に何らかの理由で未経験者が欲しい時です。 
一番多いのがあえて未経験者を求める場合です。
経験者は知識や経験が豊富である一方で、新たな視点を持てないというデメリットもあります。
だからこそ、あえて未経験者を採用することで新たな視点を取り込む狙いがあります。
例えば、人事の場合は採用担当者として人事未経験者を採用することがあります。
人事としては未経験でも、マーケティング知識や営業経験がある方を採用することで人材採用力を高めることが狙いです。

経験よりも企業文化を大切にしたい時

主にベンチャー企業で多いのが、経験よりもカルチャーフィットを大切にする採用です。
カルチャーフィットとは、企業風土と採用する人材の価値観が合致するか、という視点です。
どんなに経験が豊富でも企業風土や文化と合わなければ一緒に働くことはできない。
そんな発想が強い企業が少なからずあります。逆に言えばあなたの価値観と転職先の企業文化が合致すれば、非常に楽しく働けるはずです。企業文化を知るには、面接でこの質問をしてみましょう。

「御社の『できる人』はどんな人ですか?」
実は、企業によって「できる人」の定義はかなり異なります。
この「できる人」のイメージがあなたの価値観と合致していれば、あなたは転職先の企業で活躍できるでしょう。

とにかく人手がほしいとき

人手が足りず、誰でもいいから来てほしいという採用もたまにあり得ます。
主に会社が急成長しているか、離職が大量に発生している影響で、仕事に支障が出ている場合です。かつ採用する企業の知名度が低い場合は、未経験で誰でもいい、という求人を出す場合があります。ただしこの求人方法は非常にまれです。
また「誰でもいい」というのは、あなたでなくてもよい、という意味でもあります。
とにかく雑用ばかりを任せられて、望んだようなキャリアを描けない可能性もあるので注意しましょう。

この3つのパターンのいずれかを狙う未経験で人事へ転職することが可能です。

しかしたとえ未経験で入社したとしても、ゼロから仕事を教わるつもりではいけません。
未経験者を採用することは、あくまでも例外であるということを忘れないようにしましょう。

人事はどんな仕事?

ところで、あなたは人事をどんな仕事としてとらえていますか?
人事は非常にやりがいのある仕事である一方、他の仕事と比べ地味な仕事でもあります。
一般的に人事とは一体、どんな仕事なのでしょうか?

人事の仕事の目的

人事は、ヒト・モノ・カネの3つの経営資源のうちヒトを扱う重要な仕事です。
単にヒトを管理するのではなく、経営資源であるヒトを通じて会社の目標を達成する責任を負う仕事です。

人事の仕事の目的は大きく3つあります。

人材の供給

人事にとって最も重要な仕事が、必要な時に必要なタイミングで必要な人材を事業に供給することです。事業で必要な人材を用意できなければ、会社の成長が止まってしまいます。反対にパフォーマンスの高い人材を用意できれば、会社の成長を後押しできます。人事の仕事の中では、採用や人材育成が人材の供給機能を担います。人事担当者は常に、会社の経営の方向性や事業戦略を考えながら、人材を供給することが求められます。

生産性の管理

社内にいる人材が常に生産性高く働けるようにすることも人事の重要な目的です。生産性管理を実現するには、モチベーションに関する理論や知識を深く知っている必要があります。単にモチベーションを上げれば生産性が上がるわけではありません。生産性には職場の環境要因や、組織形態、本人の意思など複雑な変数が絡み合っています。生産性を因数分解して問題を特定し、報酬設計や評価制度などの人事制度へ反映させていくのも人事の仕事です。

人件費の管理

最後に、人事の仕事として忘れられがちなのが人件費の管理です。経営の視点から考えると、人を雇うことは投資の一環です。人事は経営資源であるヒトを管理する部署として、人件費の費用対効果を常に分析しなければなりません。賃金水準が低いとモチベーション低下による生産性低下や離職につながるリスクが高まります。反対に賃金が高すぎると、事業成長を圧迫することになります。世間水準や経営状況も考慮しながら、限られた人件費の財源を最大限に活用することが人事に求められます。

人事の仕事の難しさ

人事は経営に貢献する、とてもやりがいのある仕事です。
一方で、どんなところに難しさを感じるのでしょうか。
人事の仕事の難しさをまとめてみました。

最も求められるのは調整力

人事はとにかく、調整力が求められます。経営陣の意見を受け入れつつも、社員の意見や考え方を考慮し、さらに人事の視点から最適解を探す必要があります。例えば、採用の仕事では経営陣から「ハイスペックな人材が欲しい」と言われる場合があります。しかし現実には人件費や採用予算に限りがあります。限られた予算の中でなるべくハイスペックな人材を採用するのは非常に難しいことです。時には「この予算では求める人材は採用できない」ということを経営陣に伝える必要もあるのです。人事の仕事は、関係者の意見を調整する仕事といっても過言ではありません。

人事は本音と建前の仕事

人事は多くの個人情報を扱っているため、誰に対しても本音では話せないシーンが非常に多くあります。人事異動の情報や社員の健康情報、社長の報酬額など誰にも話せないことばかりです。人事担当者同士でも互いの機密情報は話さないことがルールであり、本音と建前があることは人事担当者であれば理解している暗黙のルールです。秘密を隠せない人や建前が苦手な方には難しい仕事だといえるでしょう。

人事は人と向き合う仕事

当たり前かもしれませんが、人事は人と向き合う仕事です。だからこそ時には生々しさや大変さも伴います。
例えば、ある生産性の低い社員をリストラする場合、まずは人事がその社員を説得する必要があります。たとえ会社の決定だとしても、人事がリストラを伝えなければなりません。また、リストラ以外にも社員の健康相談や会社に対するクレームなど、様々な相談ごとを受けるシーンがあります。人と向き合う仕事だからこその大変さがあります。

このように人事は会社にとって重要な仕事である一方で、大変な仕事でもあります。
向き不向きが分かれる仕事でもあるので、あなた自身が本当に向いているかよく考えてみましょう。

未経験から人事になれる具体的な方法

未経験から人事になりたいなら、まずは今の会社で人事になることが近道です。社内公募制度や役員へのアピールなどを通じて社内で人事へ異動できるように、まずは努力してみましょう。なぜなら未経験から人事に転職することは、社内で人事になることよりも難易度が高いからです。
先ほどもお伝えしたように、企業は基本的に中途採用で経験者を採用したいと考えています。
また、あなたにとってもいきなり新しい環境で新しい仕事にチャレンジするよりも、慣れている環境で新しい仕事に挑戦するほうがずっと楽でしょう。
一度、人事を経験してしまえばあなたは「人事経験者」になれます。
いつ、どの会社で人事になるか、がとても重要です。

あなたがもし、今後も人事の仕事を続けるつもりで、人事のプロになりたいのであれば、なるべくネームバリューのある大手企業や外資系企業の人事を経験することを検討しましょう。
ネームバリューのある企業で人事を経験すれば、その後の転職でも非常に有利です。
採用では、ネームバリューのある企業で働いた人材を選びがちです。
ネームバリューのある企業で一度働くことができれば、転職の面接で「あの企業の人事をやっていたんだ」と評価していただけることもあります。
ある程度、先々のキャリアプランを見据えたうえで、どうやって人事になるかを考えましょう。

まずは、もし可能であれば現在の勤め先で人事になりましょう。そして1年以上人事を経験したら、次はネームバリューのある企業で人事を経験しましょう。同時に人事に関する資格や学位を取得して自分の市場価値を高めることも重要です。4~5年かけてここまで取り組むことができれば、あなたはもう人事のプロです。

どうしても今の勤め先で人事になれそうにないなら、未経験者を募集する理由をもう一度読んで、未経験から人事になれる会社へ転職を検討しましょう。

人事に転職してあなたは何を実現したいのか?

最後に、人事の仕事を通じてあなたが実現したいことをもう一度よく考えてみましょう。あなたはなぜ、なんのために人事に転職したいのでしょうか。未経験から人事に転職するには、強い目的意識が必要です。
人事は、例えばマーケティングや商品企画の仕事と比べると非常に地味です。すぐに目に見える成果も少なく、ひたすら調整や人と向き合うことが求められる仕事です。だからこそ目的意識が重要です。

人を通じて経営に携わってみたい、働く人の助けになりたい、会社をもっと面白いものにしたい。例えば、こうした目的を持っているなら、あなたは人事に向いているでしょう。
一方で人事の仕事は、あなたのキャリアを実現する手段でしかありません。
あなたが本当に転職で実現したいことをよく考えてみて、それでも人事の仕事をやってみたいなら人事の仕事に挑戦してみるべきです。
5年後、10年後のキャリアイメージを描いてみて、あなたが人事として活躍している姿が想像できるなら、あなたは間違いなく人事のプロになれるはずです。
あなたの成功を応援しています。

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この記事を書いたライター

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