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労災の8号様式の提出先は?手続きの流れは?

HUPRO 編集部
労災の8号様式の提出先は?手続きの流れは?

業務中の従業員にケガや疾病が起きた場合、労災保険(正式には労働者災害補償保険)の対象となります。その際の従業員の治療費については、休業補償給付支給請求書(8号様式)を提出することによって労災保険より給付金を請求できます。今回は、この休業補償給付支給請求書(8号様式)について解説していきます。

労災の休業補償給付支給請求書(8号様式)が必要となる場合とは?

労災保険の休業補償給付支給請求書(8号様式)を作成するためには、3つの要件を満たしていなければいけません。その3つの要件とは、以下の通りです。

①従業員が業務の事由によって負傷または疾病になり、療養中であること

②その療養中であるがゆえに労働することができない状況であること

③労働ができない状況であるために、賃金を4日以上受けることができていないこと

この休業補償請求書(8号様式)によって給付を受けることができる対象者は、正社員のみならず、パートやアルバイト従業員も含まれます。ただし、派遣社員または請負契約によって従事している直接契約のない従業員は、対象外となるので注意してください。

ちなみに休業補償請求書(8号様式)を提出するためには、医師による証明書が必要とされます。この際に必要となる医師証明書料の2,000円も、労災保険の適用となりますので、併せて請求をしましょう。しかし、労災指定病院ではない医療機関を受診した場合には、一旦この医師証明書料の立て替えを求められる場合もあります。もちろん、この費用も後日請求をすることができます。

労災の休業補償請求書(8号様式)を提出する前の注意点とは

労災保険に認定できる状況だと判断できた場合は、まずは療養補償給付たる療養の請求書(5号様式)を作成します。これは、医療機関を受診した際に医療費を支払わなくても良いということを証明するための書類です。もしそれでも健康保険を使って3割負担で受診してしまった従業員がいた場合は、健康保険協会へ連絡をして7割を返金し、改めて労災より医療費を請求することになります。

従業員に労災と認定される状況が起きた場合の手続きの流れとは?

従業員に労災と認定される状況が起きた場合の手続きの流れとは?

業務中に従業員がケガをしたとします。すると、すぐに用意しなければならないのが、療養補償給付たる療養の請求書(5号様式)です。すでにお話した通り、この書類がなければ、全額もしくは健康保険の提示により3割の医療費を負担しなければならなくなってしまいます。

病院で診断を受けた結果、しばらく仕事ができずに休業を余儀なくされるケースもあります。このような場合には、冒頭より解説している労災保険より休業補償給付支給請求書(8号)が作成されることとなります。

労災の休業補償給付支給請求書(8号様式)の提出先とは?

休業補償給付支給請求書(8号様式)は会社により作成され、会社が労働基準監督署へ提出します。また、この休業補償給付支給請求書(8号様式)を提出する際には、労働者死傷病報告も提出する必要があります。

この労働者死傷病報告には様式が2つあり、休業が4日以上の場合には労働者死傷病報告(23号様式)を提出することが定められており、休業期間が4日未満の場合には労働者死傷病報告(24号様式)が使用されることと決まっています。つまり、状況に応じて書類が異なるため、注意が求められるのです。

業務中に従業員がケガをするなどの出来事が起きたとしても、労働者死傷病報告を作成していない、または従業員が休業を余儀なくされている状況にもかかわらず、労働者死傷病報告(23号様式または24号様式)を労働基準監督署へ提出しなかった場合があったとしましょう。また、書類は提出されていたとしても、その内容が事実とは異なるようなものであったとします。このような場合は「労災隠し」と見なされ、労働安全衛生法違反となって、処罰を受けることになりますので、届け出は必ず必要である旨は理解しておきましょう。

会社が労災保険に加入をするメリットとは?

基本的には、従業員が1名でもいれば、その事業所は労災保険の加入が義務となっています。労災保険料は、全額、事業所が負担しなければいけません。財政状況があまり良くない会社にとっては大きな支出とはなりますが、労災と認定されるような出来事発生した際、労災保険に加入していなければ、事業所がすべての支払いの責任を負うこととなります。また、労働基準監督署への未報告や虚偽の報告は刑事事件として扱われることもあるので、必ず労災保険には加入しておきましょう。

まとめ

会社としても、労災保険の対象となるような状況は避けたいものです。しかし、もしもそのような出来事が起きてしまった場合は、適切に対応する義務が生じます。労働基準監督署への報告や手続きについても、今一度、再確認しておくべきでしょう。
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