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社労士の試験内容をわかりやすく解説!試験時間や受験科目を総まとめ

HUPRO 編集部
社労士の試験内容をわかりやすく解説!試験時間や受験科目を総まとめ

社労士試験は、社会保険労務士として活躍するために必須の国家試験です。

社労士試験は1年に1回しか実施されないので、労働社会保険諸法令に基づく申請業務などを取り扱う社労士としてのキャリアを目指すのなら、試験内容をしっかり熟知したうえで、カリキュラム立てた勉強をする必要があります。

そこで、この記事では、これから社労士を目指すという受験生のために、社労士試験の試験内容(試験時間・受験科目など)を総まとめして解説します。合格基準点ルールなどの社労士試験独自の特徴もあるので、ぜひご参考ください。

社労士試験の試験内容とは?受験科目や試験時間を解説

これから社労士試験を目指そうという受験生がまず押さえるべきポイントは、社労士試験で問われる試験内容や受験科目に関する概要です。受験勉強のスケジューリングにも役立つので、確実に押さえておきましょう。

社労士試験の出題科目

まずは、社労士試験で出題される試験科目についてです。社会保険労務士試験オフィシャルサイトが以下のように分かりやすくまとめてくれているので、ご参考ください。

試験科目

出典:社会保険労務士制度|社会保険労務士試験オフィシャルサイト

それでは、以下では、社労士試験の具体的な試験内容について、各科目のポイントにも触れながら説明します。

社労士試験は10科目から出題される

社労士試験の試験科目は全部で10科目です。

具体的には、労働基準法・労働安全衛生法・労働者災害補償保険法・雇用保険法・労働保険徴収法・労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識・健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法の10分野からの出題です。

具体的な試験内容については、オフィシャルサイトに過去問題がありますので、確認することができます。
出典:第52回(令和2年度)社会保険労務士試験についての情報|社会保険労務士試験オフィシャルサイト

労働基準法【配点10点(選択式3点+択一式7点)】

労働基準法では、労働基準法に関する理解が問われます。

行政通達・判例からの知識問題が中心で、法律に慣れていない方にはハードルが高い一方、法律の学習方法が定着すれば、学習を進めやすいという特徴があります。

また、労働時間や休暇・賃金に関する規定が出題される傾向が強いので、自分の働いている環境などをイメージしながら学習を進めれば定着しやすいです。

労働安全衛生法【配点5点(選択式2点+択一式3点)】

労働安全衛生法は、労働基準法との関連性が深い科目です。

出題範囲は広いものの、頻出分野に偏りがあるので、そこまで学習時間を割く必要はありません。

労働者災害補償保険法【配点12点(選択式5点+択一式7点)】

労働者災害補償保険法は、保険給付(業務災害・通勤災害など)が中心に出題されます。

配点の大きさと出題範囲の広さから、社労士試験合格の鍵を握る分野です。

雇用保険法【配点12点(選択式5点+択一式7点)】

雇用保険法は、基本手当などに関する給付率や日数などの細かい数値要件が問われる科目です。

暗記中心の科目になるので、知識に漏れがないように注意しましょう。

労働保険徴収法【配点6点(選択式0点+択一式6点)】

労働保険徴収法は、労働保険料の手続きが問われる科目です。

複雑な手続きが多いので知識の整理に苦労する受験生が多い一方、出題内容には偏りがあるので、過去問をしっかりと押さえておくことがポイントです。

労務管理その他の労働に関する一般常識【配点10点(選択式5点+択一式5点)】

労務管理その他の労働に関する一般常識は、労働関係諸法令・労務管理・労働経済の分野から幅広く出題される科目です。

比較的新しい統計データや法律の改正内容が問われることが多いので、過去問とのすり合わせは重要ではありません。

社会保険に関する一般常識【配点10点(選択式5点+択一式5点)】

社会保険に関する一般常識は、社会保険諸法令の近年の改正傾向や、医療保険・年金制度・介護保険法などから幅広く出題される科目です。

現代の社会情勢を反映した試験科目なので、日常的にニュースなどで社会の動向に関心をもつようにしましょう。

健康保険法【配点15(選択式5点+択一式10点)】

健康保険法は、会社員とその被扶養者を対象とする医療保険制度に関する知識が出題されます。

配点が多いので細かい要件まで記憶する必要があり、また、難易度の高い通達に関する知識も出題される傾向があるので、受験勉強の中の比重を占めることになるでしょう。

厚生年金保険法【配点15点(選択式5点+択一式10点)】

厚生年金保険法は、厚生年金に関する制度や改正点が網羅的に出題される科目です。

出題範囲が広く、配点も高いことから手を抜くことはできませんが、厚生年金保険法の知識は年金相談実務に直結するので、社労士としてのキャリアを積むためにも力を入れて勉強を重ねてください。

国民年金法【配点15点(選択式5点+択一式10点)】

国民年金法は、厚生年金保険法と並んで社労士実務に直結する科目です。

法改正が多いので知識を定着させるのは簡単ではありませんが、受験生間で点差が開きやすいので、決して手を抜かないようにしてください。

社労士試験の試験時間と出題形式

次に押さえるべきポイントは、社労士試験の試験時間と出題形式についてです。

社労士試験は、毎年1回、8月下旬の日曜日に、1日で実施される国家試験です。

社労士試験では、選択式試験と択一式試験の2種類の出題形式で合否が決せられますが、午前に選択式試験が80分間午後に択一式試験が210分間というタイムスケジュールが組まれます。

試験実施日が1日だけなので労力はかからないようなイメージを抱く人もいますが、試験時間の合計は290分、4時間50分という長丁場なので、かなりタフと言えるでしょう。

社労士試験の試験時間イメージ

それでは、社労士試験の試験時間について、具体的な流れに沿って見ていきましょう。

着席時刻:10:00
説明:10:00~10:30
試験時間(選択式試験):10:30~11:50(80分)
昼食時間:11:50~12:50
着席時刻:12:50
説明:12:50~13:20
試験時間(択一式試験):13:20~16:50(210分)

国家試験なので遅刻はもちろん厳禁です。着席時間の10時ギリギリに入室するようなことは避けましょう。

他方、早く試験会場に到着しても、試験会場に入室できるのは着席時間の30分前からです。時間を潰す場所を探すのに苦労することもあるので、ご注意ください。

また、昼食時間は11:50~12:50の1時間ですが、会場によっては昼食場所が用意されていないので机で食べなければいけない場合もあります。近くに購入できるお店がないケースもあるので、お弁当等を持参するのが無難です。なお、飲み物については、ペットボトルのみ持ち込み可能です(水筒・ボトルは不可)。

社労士試験の選択式試験とは?

選択式試験とは、1問につき空欄が5つあり、空欄に入る適当な語句を選択肢の中から1つ選択する形式のことです。選択式試験の配点は、8科目それぞれについて1問につき各5点、合計8問の総得点40点です。

選択式試験の「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」は、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」からの出題はありません。

社会保険労務士試験の試験時間と科目

社労士試験の択一式試験とは?

択一式試験とは、5つの肢の中から、正しいもの(誤っているもの)を1つ選択する形式の出題形式の試験内容です。択一式試験の配点は、7科目それぞれについて10問につき各10点、合計70問の総得点70点です。

択一式試験の「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」は、それぞれの問題10問のうち3問が「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」から出題されます。具体的には、択一式試験の「労働者災害補償保険法」は、問1~問7が「労働者災害補償保険法」問8~問10が「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」です。「雇用保険法」は、問1~問7が「雇用保険法」問8~問10が「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」です。

そして、択一式試験で注意しなければいけないのは、試験時間との関係です。つまり、70問を解くために与えられた試験時間が210分しかないので、かなりのスピードが求められます。特に、択一式試験では、各設問に5つの選択肢が用意されているので、350肢の正誤を210分で処理しなければいけません。

見直しの時間を作ることを考えても、1つの選択肢につき使える時間は20秒程度しかないので、普段から反射的に解答する癖付けをしておくのがポイントです。

社労士試験の難易度についてはこちらのコラムもご参照ください。

社労士試験の概要とは?年間スケジュールなどのポイントを紹介

社労士試験の受験生が欠かしてはいけないのが、社労士試験の年間スケジュールについてです。

社労士試験の実施時期

全国社会保険労務士会連合会試験センターが主催する社会保険労務士試験は、8月下旬の日曜日に実施されます。選択式試験と択一式試験が同日に行われる点については上述の通りです。

なお、具体的な日時の発表は毎年4月中旬ごろ、社会保険労務士試験オフィシャルサイトで発表されます。公式発表がされるまでは問い合わせをしても教えてもらえないので、適宜HPなどを参照して情報を集めましょう。

受験をめぐる年間スケジュールは以下の表をご参照ください。

受験申込 5月末まで
受験票交付 8月上旬までに郵送
受験手数料 9,000円(払込手数料は受験者負担)
合格発表 11月上旬
受験地 北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県

独学の人はスケジュールをこまめにチェック

社労士試験のように年1回しか実施されない国家試験では、受験申込みの受付期間や願書交付期間などがかなり余裕をもって期日設定されているので、日々の勉強に集中するあまりに、出願を忘れてしまうというケースも散見されます。

特に、社労士試験の勉強を資格スクールなどに頼らず独学で行っている場合には、自分から情報源にアクセスしない限り、申し込み手続きなどを見過ごしてしまうリスクもあるでしょう。独学のデメリットが如実に表れるポイントです。

したがって、あらかじめしっかりとスケジュールを把握したうえで、手帳などの見落とさない場所に記載しておくようにしてください。

社労士試験の合格基準

社労士試験の合否は、選択式試験と択一式試験の合計点と、科目ごとに定められた基準点で決せられます。つまり、どれだけ合計点が突出していたとしても、科目ごとに定められた基準点をクリアしていない科目が1つでもあれば不合格になってしまいます。しかも、基準点は事前には決められておらず、合格発表日に公表されるだけです。

したがって、社労士試験では、全科目につき満遍なく知識を習得し、苦手分野を作らないことが重要となります。

なお、第52回(令和2年度)社労士試験の合格基準は、以下の①②を充たす者とされています。

①選択式試験は、総得点25点以上かつ各科目3点以上(ただし、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識及び健康保険法は2点以上)である者

②択一式試験は、総得点44点以上かつ各科目4点以上である者

出典:第52回社会保険労務士試験の合格基準及び正答

社労士試験に合格するためのコツ

では、以上のような社労士試験に合格するためのコツを簡単に紹介します。

普段からスピード感に慣れておく

まず、重要なことは、普段の勉強からスピードを意識して取り組むということです。なぜなら、社労士試験は、選択式を80分で8問、択一式は2時間10分で70問の問題を解かなければいけないからです。

試験時間はとても長いのですが、1問当たりの平均にならすと、選択式は10分・択一式は3分とかなりスピーディーに問題を解いていかなければなりません。

したがって、普段の受験勉強の段階から、選択肢に対する正誤判断を瞬時にする癖をつけて、臨場感をもって勉強に励むのがポイントです。

苦手な分野を作らない

社労士試験では科目ごとに合格基準点が設けられているので、苦手科目は致命傷になりかねません。

全体の総合得点をクリアすることももちろん大切なことではありますが、それぞれの問いに対しての正答率が問われる以上、普段の受験勉強で苦手分野を潰しておくように心がけましょう。

試験本番の状況判断能力を養う

社労士試験ではスピードが求められるので、試験本番のテクニックもポイントです。

時間がない中でも丁寧に1問ずつ処理した方が良いのか、自分が得意なものを中心に処理して、苦手な分野に時間をかけるのが良いのか、受験生ごとに適した方法があるはずです。

「全部解ききれなかった」という声も珍しくないほどハードな試験なので、自分なりの受験テクニックを養っておきましょう。

まとめ

社労士試験は2019年合格率が6.6%という難関試験です。近年は試験の問題文も長いものが多く、読むのに一苦労。さらに問題数が多いので一つの問題に時間をかけすぎると、結果的に時間が足りなくなってしまいます。

普段、自分でインプット・アウトプットの訓練をするだけではなく、模擬試験を受けるなどして、本番の感覚を掴むのもおすすめの方法です。また、「まだ勉強が途中だから今年は見送ろうかな…」という消極的な姿勢でチャレンジするのではなく、試験本番の緊張感と求められるスピード感を肌で感じるためにも、とりあえず受験をして本番の雰囲気を味わってみるのも重要なことです。

社労士試験に合格すれば、独占業務を中心に独立開業することもできますし、行政書士資格や司法書士資格とのダブルライセンスで仕事の幅を増やすこともできます。キャリアアップのステップにすることができる汎用性の高い資格なので、興味がある方はぜひチャレンジしてください!

社労士の将来性についてはこちらのコラムをご参照ください。

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この記事を書いたライター

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