
グローバル化が進む現在、会計業務にも英語が必要とされる機会が増えており、会計知識に英語スキルが加えれば、さらに活躍の幅が広がります。
そこで今回は、USCPA・IFRS検定といった、英語と会計を活かした資格を2つご紹介し、特徴を比較します。
英語の簿記・会計資格としては以下の2つ
が挙げられます。これらの資格について、終了したBATICの代わりになるかどうか含め、以下で詳しく見ていきます。
IFRS検定は、2009年に日本語での試験が開始された、イギリスに本拠地を置くヨーロッパで最も認知度の高いICAEWが主催する国際会計基準検定です。
学歴や実務の条件もなく、誰でも受験できます。合格率も高い時で70%台なので、他の資格より合格しやすい試験です。
試験も日本語なので、英語に苦手意識がある方にも取り組みやすいです。ただし、試験会場が東京と大阪にしかなく、地方から受験したい方は注意が必要です。
試験の歴史が浅く、他の資格より合格者が少ないので、取得すると差別化が図れます。
USCPA は、AICPA(米国公認会計士協会)が主催する米国各州が認定する公認会計士資格です。
100年近い歴史があり、世界でも広く知られている資格です。
外資系企業・監査法人・コンサルティング会社などへ就職したい方は、有利に働くといえるでしょう。
他の資格と大きく違うのは、コンピューター形式の試験であるということ。受験者ごとに問題が異なるので、苦手分野を作ることなく、まんべんなく勉強する必要があります。
試験科目は
の4科目です。1科目ずつの合格が可能ですが、科目合格の有効期限が18ヶ月と決まっているので注意してください。
また他の2つの資格と違い、学歴と単位要件が厳しく、受験料も高額なので受験には相当な覚悟が必要になってきます。BATIC同様に、出題が全て英語です。
結論として、IFRSやUSCPAは一定程度BATICの代わりになると考えられます。
BATIC(国際会計検定)は、東京商工会議所が主催する国際会計検定です。TOIECと同様、試験結果の合否ではなく、1,000点満点のスコアで評価されます。スコアは、「Subject1 英文簿記(400点)」と「Subject2 国際会計理論(600点)」に分かれており、Subject1は必須科目ですが、Subject2は任意科目です。
但し、このBATICは、2022年度の第44回試験をもって終了しており、現在は受験できません。
BATIC(国際会計検定)は、企業のグローバル化に不可欠な「英語力」と「国際会計スキル」を同時に証明することを目的としていました。
そのため、IFRSもUSCPAも一定その役割を満たすと言えます。なお、実務を見据えた資格取得に関しては、税務会計に強い転職エージェントヒュープロの無料相談をご活用下さい。現時点で転職を考えていなくとも、情報収集としての活用が可能です。
では、これらの2つの資格でどちらがオススメになるでしょうか。
【IFRS 検定】
試験の歴史が浅く、認知度も他の資格と比べて高くありません。
したがって、就職や転職で活かすというより、自分の知識を高めるのにオススメな資格です。
【USCPA】
英語や会計だけではなく、ITの知識も必要なことから、他の2つの資格より就職や転職で強みになります。
特に監査法人への就職を希望している方にオススメです。
また協定参加国であるアメリカ・カナダ・メキシコ・オーストラリア・ニュージーランド・香港・アイルランドでは会計士業務が行えます。したがって、日本だけではなく海外で活躍したい方はぜひチャレンジしてみてください。
以上、英語と会計が活かせる2つの資格をご紹介しました。いずれの資格試験を受ける際も、日商簿記2級やTOIECを勉強し直すと、試験内容が重なるので勉強がしやすくなるでしょう。
なお、 IFRS 検定は独学でも可能ですが、USCPA は難易度が非常に高く、試験も煩雑なことから、予備校や通信教育で学ぶのが近道です。予備校はアビタス・TAC・プロアクティブが有名です。
各予備校では資料請求も可能で、随時無料説明会も行っておりますので、ぜひ1度参加して自分に合う予備校を探してみたらいかがでしょうか。
これらの資格を取得し、皆さんが納得できる給与アップや転職活動を実現できることを祈っています。