『転職回数が多いほど不利』というのが、一般的なイメージかと思います。しかし、転職回数を意識するあまり、面接にて無難な回答になってしまい、面接官の印象に残らず不採用になってしまうパターンも多いです。そこで今回は、転職回数が多い事を有利と考え、転職回数が多くても内定を勝ち取るためのポイントをお話していきます。
実際に採用面接官の経験がある方であれば話は早いでしょう。しかし、そんな経験のある方はほんのわずかなはずです。そのため1度、自分が面接官になったつもりでイメージをしてみるとよいでしょう。
自身が面接官だった場合、
・どんな人に入社して欲しいか?
・一緒に仕事をするなら、どんな人がよいか?
主にこの2点を考えることと思います。
もちろんあまりに転職回数が多い場合は、面接官も気にするケースがあると思いますが、それよりもまず大事なことは、その会社が求めている理想にマッチするということが重要なのです。なので、転職回数のことは気にせず、可能であれば、採用面接前に会社見学をしてみたり、会社のホームページを見てその会社のことをじっくり研究する。この2点に重点を置いて面接対策をした方が効果的です。実際に深くその会社の事を知ることで本当に必要な人物像が見えて来ますし、面接前の時点で「会社に必要な存在」に近づくこともできます。
転職を多く経験されている方はどうしても直近の職務経験や、転職してきた会社の中でも出来るだけ長く勤めた会社の経験を生かそうとしてしまい、それだけに絞って求人に関しても探しがちです。そうしてしまうとどうしても範囲が狭くなってしまいますので、自分から視野を狭くせず、かなり前に経験した事のある職種や、むしろ経験したことのない職種も候補に入れて広い視野をもって求人を探してみることをおススメします。
また転職回数が多い方というのは逆に考えれば、他の方よりも多く複数の経験を積んでいるとも言えます。なので、
パソコン×建築現場=CADオペレーター
などの経験のかけ算を自分の中でしてみるとよいでしょう。
思いがけず素晴らしい答えが導き出されるかもしれません。
これらを踏まえて効率的に求人を探してみましょう。
自分に合いそうな求人を見つけたら、次はエントリーに入ります。どの企業も書類選考がありますので、その際の履歴書、職務経歴書の書き方はとても大事になります。転職回数が多くても、もちろん全て正直に書かなければなりませんが、今まで何をやってきたのかという点を明確にわかりやすく伝える工夫が必要です。転職回数が多くても一貫性を持って取り組み、自分のスキルアップを成し遂げてきたということが伝わるように書くことが大事です。仮に違う業界に移ったとしても、何かしらで専門性を持ってやってきたことがあると思いますので、そういった自分の強みを希望の会社でも生かすことで、活躍できると印象付けるようにしましょう。
他のコラムにて、管理部門における職務経歴書の書き方についてご紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
とは言っても、転職回数が多ければ面接において転職理由を聞かれることは避けられないでしょう。その場合、他責志向でネガティブな発言は避け、転職理由に関しては、面接官が聞いても「それであれば転職を考えても仕方がない」と納得してもらえるようにに話すことが重要です。
「連日のように終電帰り」「入社当初の契約内容と違う」などの明確な理由がある場合は、面接官に対してそれを正直に話せば、面接官も納得するケースがほとんどでマイナス評価になることは無いでしょう。
気をつけなければならない点として、愚痴のようになる発言はNGです。上司や会社の悪口を吐き出すのではなく、あくまでも自分が実際に経験した事実を冷静に面接官に伝えましょう。そしてそのうえで、今後その経験を踏まえてどうしていくことが目標なのか、明確なビジョンを伝えてポジティブな転職理由という印象になるように終わりましょう。
ほとんどの企業はこれまでお話してきたように「会社にとって必要な人材」であれば、転職回数に関わらず検討してくれます。なかには転職回数が多い時点で書類選考で不合格となってしまう会社もありますが、様々な企業が求人を出していますので、転職回数よりも考え方や経験、意気込みを評価してくれる会社に絞って転職活動を行えば問題ないでしょう。
また、転職回数が多い方には、ベンチャー企業というのも狙い目です。ベンチャー企業というのは組織体制がまだ定まっておらず、変化の最中のため社内の変化も多いのです。そういった環境の変化に柔軟に対応できる方が求められているので、ベンチャー企業においては転職回数の多くとも、常に変わりゆく組織体制における、柔軟な対応力が評価される傾向にあります。
いかがでしたでしょうか?転職回数が多いからと言ってマイナスに捉えることはせず、その転職回数の多さを経験の多さと捉えて成功のポイントとし、内定を勝ち取るための糧にする気持ちで取り組むのが良いでしょう。是非、今回のお話を参考に皆さんの転職活動のプラスになれば幸いです。