士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

育休手当の計算の仕方について

HUPRO 編集部
育休手当の計算の仕方について

2017年から、育児休業が最長2歳まで延長されました。それに伴い、育児休業給付の支給期間も延長されています。育児休業の際は、社員は働いているわけではないので、会社から給与は支給されません。そんな育児休業時の収入として頼りになるのが「育休手当」です。本記事では、当事者だけでなく、人事・労務担当者もぜひ押さえておきたい育休手当についての基本を解説します。

育児休業とは?

育休は、産前・産後休暇が終わった翌日から子どもが1歳の誕生日を迎えるまでの、希望する期間を休むことができる制度のことです。
例外的な措置として、1歳になる時点で保育所などに入所できない等、雇用の継続のために特に必要と認められる場合に限り、1歳6か月まで(再延長で2歳まで)育児休業を延長することができます。

出典:厚生労働省リーフレット:「育児休業」の延長を予定されている労働者・事業主の皆さまへ

育児休業とは?

出典:厚生労働省リーフレット:あなたも取れる!産休&育休

産前産後休暇は「労働基準法」により取得が義務付けられているため、誰でも取得できますが、「育児休業」については、取得について要件があります。
育休は基本的に契約期間の定めのない労働者が対象となっているため、雇用された期間が1年未満だったり、1年以内に雇用関係が終了したりといった短期労働の方は育休を取得できません。

しかし、育休中については、会社に籍はある状態ですが、実際には働いていないため、給与の支給がありません(社会保険料は免除制度があり、厚生年金・健康保険料などの免除されます)。
その間の収入が絶たれてしまっては育児にも支障をきたすということで、雇用保険から給付されるのが「育休手当」です。

<関連記事>

育休手当とは?お給料とは違う?

育休「手当」と一般的に呼ばれていますが、正式名称は「育児休業給付金」。会社が独自に支給する住宅手当や家族手当といったものとは全く別のものになります。

育休手当は一部国庫からも出ていますが、その財源はほぼ雇用保険です。そのため、支給に条件があります。一定期間以上の雇用保険の加入が必要となるのです。

なお、正社員でなくても雇用保険に加入しているパート・アルバイトの方も対象になります。雇用保険の加入要件については、以下の記事も参照ください。
<関連記事>

育休手当の計算方法は額面で、賞与は計算に含まれません

育休手当の計算方法は額面で、賞与は計算に含まれません

それでは、育休手当の支給額は具体的にいくらになるのでしょうか。
お給料の満額が出ればよいのですが、そういうわけにはいきません。以下の通りの計算式で求めることになります。

出典:厚生省リーフレット:育児休業を取得中(取得予定)の方・育児休業給付金の申請手続を行う事業主の方へ

正確な金額はハローワークにて算出されますが、もともとの賃金が多いほど、育休手当の額も上がります。
この休業開始時賃金日額は、原則として、育児休業開始前6か月間の総支給額(額面)となり税金や社会保険料控除前の金額です。しかし、ボーナス(賞与)は含みません
1支給単位期間において、育児休業期間を対象とした賃金の支払いがない場合の支給額は、育児休業開始前6か月間の総支給額により、だいたい以下のとおりです。

会社からの手当金があったり、収入を得た場合はどうなる?

なお、育休手当は非課税のため、所得税や住民税を支払う必要はありません。
出典:厚生労働省WEBサイト:Q&A~育児休業給付~

会社からの手当金があったり、収入を得た場合はどうなる?

育休手当は、あくまで無収入の状態であるということが前提です。
そのため、収入を得た場合は、収入額に応じて支給額が減額されます。もし、80%以上の賃金が支払われている場合は、育児休業給付の支給額は、0円となります。

育休手当だけもらって退職できる?

育休手当(育児休業給付)は、育休が終わった後の職場復帰を前提としています。
あらかじめ退職を予定しているのであれば、育休手当の対象とはできません、しかし、受給資格を確認後に退職した場合は、退職日を含む支給単位期間の一つ前の支給単位期間までは育休手当の支給対象になります。
退職した場合は、その支給単位期間以降、支給対象となりませんが、それまで受給した育児休業給付を返金する必要はありません。

ライフプランに応じて働き方を見直したい方に、「育児」関連の記事は以下のリンクより参照できますので、併せてご覧ください。
・HUPRO MAGAZINE 「育児」タグの記事を探す

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:コラム・学び

おすすめの記事