四半期決算や決算のニュースで「営業損失」という言葉を目にした方も多いでしょう。営業利益ではなく損失と書かれていた場合、その会社は本業では利益が得られずに赤字だったということを示しています。今回は営業損失について詳しく説明します。
営業利益とは、売上高から売上原価を引いた「売上総利益」から販売費及び一般管理費をさらに引いたもので、本業による利益を表す指標です。
それに対して、営業損失とは、本業での営業利益が得らえずに赤字になった場合に使う指標です。営業損失の時は、損益計算書において、営業損益の部の合計額がマイナスになります。
なお、繁忙期と閑散期があるような業種(例えば小売業や観光業など)は、四半期決算では営業損失を出すものの、1年を通してみた決算では黒字ということも良くあるので注意が必要です。
営業損失が出るという事は、本業の売上高<販売費及び一般管理となっている状態です。
営業損失は英語ではoperating lossといいます。
つまり経営上の損失というわけです。
営業損失が生じている場合は、大きく分けると以下の3つについて経営上の取り組みを行う必要があります。
・本業の売上を上げる
・原価を下げる
・販売費及び一般管理費を削減する(いわゆるコストカット)
以下順に説明していきましょう。
営業損失が出ているという事は、本業の売上が上がっていないことを示しています。売上が上がらない理由を分析し、手立てを考えましょう。
例えば、単価が安すぎるのかもしれません。あるいは、商品のニーズを伝えきれていないため、必要な数が購入されていないのかもしれません。また、新規顧客の開拓や、リピーターになってもらうための既存顧客のフォローが足りないということも考えられます。既存商品とバッティングしないように商品ラインナップを増やすなどの取り組みも必要かもしれません。
本来であれば本業に取り組むためのリソースが、新規事業や関連事業に取られてしまっていないでしょうか?
現在取り組んでいるプロジェクトの進行状況などもチェックし、問題点がないかを改めて確認してみましょう。
営業利益とは、売上高から売上原価を引いた「売上総利益」から販売費および一般管理費をさらに引いたものです。つまり売上における原価が下がれば売上総利益が上がります。
結果的に営業利益も上がることになるのです。
しかし原価と一口に言っても業態によって異なります。
・仕入れ先から商品を仕入れる場合はその価格を変更してもらうよう交渉する
(購入量を増やして割引してもらうなど)
・加工前の原料を調達している場合は、より価格の安いもので大体出来ないかを考える
といった施策が考えられます。
原価を引き下げは、取引先の売上を下げることにもつながるため、長期的な視点で取り組む必要があるでしょう。
販売費および一般管理費は企業活動におけるコストです。発生する費用の多くは固定費のため、例えば小売店では売上の低い店舗を閉鎖したりします。
近年では多くの小売店が閉鎖していますが、その店舗を営業して得られる利益よりも維持するための費用の方が掛かってしまっているため、苦肉の策なのです。
販売費および一般管理費については、以下の記事でも取り上げています。
併せてご一読ください。
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また、販売費および一般管理費には人件費も含まれます。
働き方改革でパート・アルバイトも含む同一労働・同一賃金や、有給休暇取得の義務化など、今まで真っ先に押さえつけられがちであった労働者への賃金体系や労務管理にメスが入ることによって、企業はより多様な手段を用いて本業での売上を高める必要があります。
同一労働・同一賃金/有給休暇取得の義務化など「働き方改革」については、以下の記事でも取り上げています。併せてご一読ください。
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有給休暇取得の義務化については、以下の記事でも取り上げています。併せてご一読ください。
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企業の活動には、いろいろな収益や費用が発生します。営業損失がどういったところから生じるか的確に把握するためには、まずはそれらを性質に応じて区別して把握する必要があります。
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