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COOとは?役割や立ち位置について解説!

HUPRO 編集部
COOとは?役割や立ち位置について解説!

近年、日本においても「COO」という言葉がよく使われるようになってきました。役職を表す略語なのですが、このCOOはどのような立場の人のことを指しているのでしょうか。また、COOの役割には、どのようなものがあるのでしょうか。今回は、COOの役職やその立ち位置などについて解説していきます。

COOってなに?

会社全体を統括するCEO

近年日本企業でCxOと呼ばれる役職がついている方をよくみます。皆さんが一番聞き馴染みのあるであろう「最高経営責任者」の意味を持つ「CEO:Chief Executive Officer」は企業のトップとして会社全体の責任を持ち、今後の事業をどうしていくのか戦略を考えたり、それらを達成するための企業全体の業務を統括する役職をいいます。

業務執行を担当するCOO

一方今回焦点を当てた「COO」とは、「Chief Operating Officer」の略語です。「チーフ・オペレーティング・オフィサー」と読み、日本語としては「最高執行責任者」と翻訳されます。COOの詳しい業務内容は会社により異なるものの、基本的にはCEOの立案に沿いつつ、「会社のリソースをどのように使うか」といったことを考えて実行する立場です。とはいっても、各事業を直接指揮するのではなく、各事業を管理するマネージャーを経営的にマネジメントするかたちであることが多いでしょう。

もともとCOOはもちろんCEOも、アメリカで誕生した役職です。COOのOperationsには「実行する、執行する」という意味があり、企業における経営戦略のオペレーションを任命されている立場となります。そのため社内全体を見渡せる広い視野が必要であり、会社が掲げているビジョンに近づけるよう社内全体を導く能力が求められるのです。

COOが日本で広まり始めた理由とは?

すでに日本でも定着しつつあるCEOやCOOなどの役職ですが、これらはもともとはアメリカの組織形態です。では、なぜアメリカの組織形態が日本に広まってきているのでしょうか。

日本では、会社法と呼ばれる法律によって会社の組織形態が定められており、会社は必ず代表取締役を選任することが決まっています。ところが2003年にこの会社法の改正があり、その際にアメリカを模倣した役職を設置できることが可能になったのです。そして、会社の特性または事業の目標内容によっては、アメリカの組織形態を活用した方が合理的に会社を運営できることから、こうして日本でも広まりを見せています。

COO、CEOのような役職を置くメリット

しかし、日本には代表取締役といった役職があるのに、COOやCEOのような役職を置く必要はあるの?逆に何を表しているかわからないのでは?実際使い分ける意味があるの?こういった疑問が出てくるかと思います。
ではどういった場合にメリットとなるのか、現在COOやCEOを用いる会社の特徴を見ていきましょう。

①海外企業と取引のある会社

取引先の多くが海外企業、海外に拠点を設けている企業、大企業で海外での認知度も高い会社などは「COO」や「CEO」を用いていることが多いです。
日本有数の電機メーカーの日立ではこれらのCOO、CEO共に用いられています。

②ベンチャー企業

昔からある企業ですと、COOやCEOといった役職を用いるのに手続きをおこなったり、浸透に時間がかかったりします。しかし、ベンチャー企業は新しくできたため、そういった役職を導入しやすく、用いる会社が多いです。

このようにCOOやCEOといった役職を用いることで、海外企業対してもわかりやすく役職を伝えられるというメリットがあります。

COOと社長との関係性とは?

COOは社長を意味する役職なのかといえば、それは違います。確かに社長は会長のもとで、会長が決めた業務方針を実行にうつすという役割を果たしています。そして、COOがCEOにより決められた業務を遂行する点では、社長とCOOはとても似ている役職であるといえるでしょう。ただし、会社によっては、社長でなくとも社長が行う業務をこなしている役職のことをCEOと呼ぶ場合があります。つまり、会社によって社長はCOOの場合もあればCEOの場合もあり、明確に定まってはいないのです。

COOとCEOの関係性とは?

COOとCEOの関係をわかりやすく言えば、CEOが経営のトップとしての責任を負う立場であり、COOはCEOが立案をした経営戦略の実行を指揮する立場です。COOには、CEOの考えを正しく理解し、その方針通りに実行することが求められます。つまり、CEOの方がCOOよりも上の立場であるといえます。別の役職として扱われている場合もあるのですが、特に中小企業では兼任をしている場合も多くみられます。

COOの役割は会社の規模によって異なる

先ほどもお話した通り、中小企業の場合はCOOとCEOが兼任されているということがあります。COOとCEOを兼任すると、会社の方針を決定しながら実行までをひとりに任せることになるため、指揮の範囲が広くなり負担が増えます。しかし、中小企業の場合は、兼任をした方が動きやすいということもあるのです。とはいえ、大企業となると、方針を決定するだけで手一杯であるとともに、方針決定に専念をした方が結果的に確実な経営を行えます。つまり、COOの役職をどのように設定するのかについては、会社の規模や業務内容、経営方針について決めていくことがベストといえるでしょう。

ちなみに今現在、日本においてCOOに関する法律というものはありません。日本の会社法では「取締役」や「代表取締役」の規程はありますが、これら以外の役職については定められていないのです。そのため、こうしなければいけないといった規程もなく、会社の役職に必ずCOOを含めなくてはいけないというわけでもありません。あくまでも、それぞれの会社が任意で設置する役職として捉えられています。極端に言えば、COOの役職に就くのは従業員であっても問題ないのです。

まとめ

COOの認知度はまだ低いかもしれませんが、今後グローバルな経営を目指す業界を中心に多用される役職名となるでしょう。COOはCEOの考えを正確に把握し、それを実行にうつすために指揮を取る重要な役割をもつ立場です。CEOを企業経営のトップと位置づけるなら、COOはナンバーツーといえます。ただ、中小企業によっては経営の効率化を図るため、あえてCOOとCEOを兼任させているところもあります。法律による規定などがないため、会社の規模や経営方針などを踏まえながらCOOの立ち位置を決めていくといいでしょう。

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