税理士試験は働きながら受験する人が一定数いらっしゃいます。もちろん、仕事と勉強を両立させるのは簡単なことではありません。
本記事では税理士試験について、働きながらの合格は可能なのかや、働きながら受験する際のポイントなどについて解説していきます。
結論から申し上げますと、働きながら税理士試験に合格することは可能です。むしろ、税理士試験こそ働きながら合格するのに向いている試験なのです。理由は税理士試験の制度にあります。
税理士試験は科目合格制度というものを採用しています。例えば、税理士試験と比較されることが多いのは公認会計士試験ですが、公認会計士試験は9つの科目を1度の試験ですべて合格基準に到達させないといけません。ですが、税理士試験は5科目それぞれに合格基準が設けられており、1年に1科目ずつ合格し5科目取り終えたら合格というように自分のペースで勉強を進めることができます。
上記より、税理士試験は働きながらでも1科目ずつ積み上げていけば税理士として認められるようになるため、興味のある方は目指して見ることをオススメしています。
税理士試験に合格するためのポイントや注意点を解説していきます。
働きながら税理士試験に合格するためには科目選びが重要です。
税理士試験は、「必修科目」「選択必修科目」「選択科目」の3つに分けられます。「必修科目」は簿記論と財務諸表論です。こちらの2つの科目は、税理士試験に合格するうえで必ず合格しなければなりません。「選択必修科目」は所得税法と法人税法があり、合格するうえでこのどちらかを合格する必要があります。最後に選択科目ですが、必修科目と選んだ選択必修科目を除いた8科目のうちから2つの科目を選び、合計で5科目の合格をもらうと、税理士試験の合格となります。
働きながら税理士試験合格を目指す場合、現在会計事務所で働いているのであれば自身の担当している業務内容に合わせて科目を取ることをオススメします。現在行っている業務に関連があるとイメージがわきやすくスムーズに覚えられるようになったり、今後同じような業務やその派生の業務を任されることが多くなるため、自身にとってためになります。また、普通の職場で働きながら目指す場合は、法人税法、所得税法、相続税法、消費税法の国税4法から選択するのがいいでしょう。法人税法と所得税法の申告業務は、税理士のメイン業務だからです。両方受験するのが理想ですが、勉強の負担が非常に大きくなるため目的にあった科目選択をオススメします。
なお、選択科目の相続税関連は今非常に需要の大きい分野です。日本はこれからいわゆる「多死社会」を本格的に迎えることになります。相続業務が多くなるのは必然的でしょう。
税理士は極論何歳でも目指すことができます。実際に70歳を超えてから税理士試験に合格し税理士になった方もいらっしゃいます。専門性が高く独占業務があるため、いくつになってもチャンスはあるのです。
ですが、年齢が上がるごとに求められる量やレベルが上がるのは確かです。20・30代では税理士の中では若い部類に入るため、積極的にチャレンジすることをオススメですが、40代以降は以前仕事でやっていたマネジメントスキルなどを強みとして活かしていきましょう。
税理士試験は、働きながら目指すメリットが明確に存在します。それは、収入面です。税理士試験に1から合格するまでに、勉強にすべての時間を費やしても1年かかるといわれています。その1年間収入が入らないとなると生活費に苦労したり、家族がいたりするとより苦労するでしょう。そのため収入面を維持しながら合格を目指す人が一定数いるのです。
金銭面以外にもメリットが存在し、税理士として認められる条件として、税理士試験合格と2年間以上の実務経験を積む必要があります。そのため、会計事務所で働きながら税理士試験合格を目指すことで、合格した後すぐに税理士として登録することができます。最短で税理士を目指す場合は会計事務所で働きながらの試験勉強をオススメしています。
働きながら税理士を目指した場合の平均合格年数はおよそ3〜5年間ほどです。仕事を辞めて受験勉強に専念する専業受験生や学生であれば、1〜2年で最終合格も可能かもしれません。しかし働きながら勉強をする場合は、1年に1〜2科目ずつの合格を目指すのが一般的となります。
税理士試験の合格に必要な勉強時間は一般的に4000時間といわれています。もちろん、勉強する人によって勉強時間の上下はありますが、必須科目の「簿記論」「財務諸表論」合わせて最低1000時間は必要といわれていますし、選択必修の「所得税法」「法人税法」も1科目で1000~1500時間は必要だといわれています。
働きながらだとすると、平日3時間/休日5〜6時間を3年間やり続けることで税理士試験に合格できる計算となります。5年で取得したいと考えた場合、平日1.5時間/休日4時間となります。毎日行うため非常に忍耐力が求められると思いますが、それ以上にメリットの多い資格でありますので、取得する意味があります。
「働きながら目指すメリット」でも紹介させていただいた通り、働きながら税理士を目指すのなら、会計事務所がおすすめです。社員税理士として就職する場合でも、将来は独立開業する場合でも、実務経験は必須だからです。
そうであれば、試験勉強と同時に実務経験を積むことで、試験合格後も速やかにキャリア形成を図ることができます。何も実務経験のない同期合格者と比べて大きくリードをしていることになります。
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また、以下のトピックでは、実際にオススメの会計事務所の例を取り扱っていますので、併せて参照いただけると幸いです。
ここでは、働きながら税理士を目指す職場として、税理士法人高津会計をご紹介します。
税理士法人高津会計は北海道根室市に本社を構え、札幌支店および東京にも西日暮里支店を展開している税理士法人です。
中小企業のクライアントが中心で、以下の業務を行っています。
実働7.5時間で残業が発生するケースも少ないことから、試験勉強のための勉強時間の確保や、専門学校への通学などがしやすい環境といえます。また、未経験者への指導も丁寧に行っているため、実務経験を積みながら勉強も進めていきたい、という方にもオススメの職場です。
税理士法人高津会計の詳細については、以下より事務所様のサイトをご覧ください。
税理士法人高津会計│HP