MBAの取得は公認会計士の転職でプラスになる？

MBAとは、大学院修士課程において経営学を修了すれば授与される学位です。外資系銀行をはじめ、コンサルティングファームなどにおいては、このMBAの取得を高く評価してもらえます。今回は、MBAの取得は公認会計士にとって転職するうえでプラスになるのかどうかについて解説していきます。

• そもそもMBAとは何？
• MBAを取得することのメリットとは？
  • 信頼性が向上する
  • 豊富で幅広い経営に関する知識を得られる
  • これまでにない新たな視点
  • 収入を上げることが可能になる
• MBAの取得は容易ではない
  • MBA習得に必要となる時間と費用
  • MBA習得の難易度が高い
• MBAを取得している公認会計士の転職について
• まとめ

そもそもMBAとは何？

MBAとは、正式には「Master of Business Administration」の略語であり、大学院修士課程で経営学を修了することによって授与される学位のことをいいます。また、日本においては「経営学修士」とも呼ばれます。NBAを学ぶことができるプログラムの提供がある大学院は、ビジネスリーダーや経営者などのスキルをもつ人材を養成することに力を入れています。そのため、社会人を対象にして、法律や経営学、ファイナンス、マネジメント、マーケティング、論理的思考、問題解決力といったような幅広い経営知識やスキルが身につくカリキュラムが用意されているのです。

MBAを取得することのメリットとは？

先ほどもお話をした通り、MBAを取得できれば、ビジネスリーダーや経営者に必要とされるスキルや知識を学ぶことができます。ただ、MBAを取得することで得られるメリットはこれだけではありません。

信頼性が向上する

公認会計士として転職をする際、もちろん希望企業と面接を行ないます。ですが、どれほどうまく自身の優れた実績やスキルをアピールしても、なかなかすぐに信頼や高評価を得ることは難しいものです。しかし、MBAを取得しているとなれば、経営分野における知識やスキルを一定以上習得できていることや、それなりの努力をした結果としてMBA取得をしたという前向きさが証明されることになるのです。このような面において、MBAの取得は、メリットが大きいといえます。

豊富で幅広い経営に関する知識を得られる

MBAの取得を目指すなかでは、数多くのことを学びます。経営や経済はもちろんのこと、心理学まで、とにかく幅広く知識を得られるのです。そのため、MBAが取得できれば、ただ単にスペシャリストとなるだけではなく、ゼネラリストとしての実力も備えることができるといえるでしょう。また実際に、MBAを取得する前と後では、経営に関する興味の深さ、問題意識に対する姿勢、プレッシャーに対する受け止め方などが大きく変化したというMBA取得者が数多くいます。

これまでにない新たな視点

海外でMBAを取得するような場合は特にいえることですが、日本ではあまり行われることのないディスカッション形式での授業がメインとなります。それにより、これまで日本国内では得られなかったような刺激を受け、物の捉え方が大きく変わって新たな視点をもつことができるようになったという人が多いです。また、国籍や文化が異なるクラスメイトと親しくなることにより、コミュニケーション能力も磨かれることになります。

収入を上げることが可能になる

MBAを習得したからといって、必ずしも収入が上がるというわけではありません。しかし、MBA習得を取得している公認会計士を武器としてより大きな企業へ転職することができますし、MBAや公認会計士の両方の資格習得が評価されて高い地位に就くことができたり、起業をすることによって収入をアップさせたりすることができるケースは多いものです。

MBAの取得は容易ではない

今お話したように、公認会計士がMBAを習得することにより得られるメリットは数多くあります。しかし、そう簡単にMBAは習得できるものではありません。では、どのような面でMBAの習得は難しいと判断されるのでしょうか。

MBA習得に必要となる時間と費用

MBAを取得するには、海外で学ぶか国内で学ぶのかによっても大きく違います。ただ、どちらにしても1～2年間は必要となり、長期間の時間が必要となります。そのうえ、費用も大きくかかります。国内のビジネススクールでも120～400万円はかかりますし、海外となると700～1,200万円は必要になります。また、オンラインによって費用を抑えても100～300万円が目安ですし、MBAを学ぶ間に仕事を休職するような場合は生活費もさらに必要となってきます。もしも会社が負担してくれるのであれば良いのですが、個人ですべて負担するとなると、大きな費用です。

MBA習得の難易度が高い

ビジネススクールなどの学校に入学をする際に入学試験に合格しなければならないことを始め、日々の授業に関する予習と復習、そのうえ論文作成が求められるなど、勉強量がとても多いです。さらに、これらはすべて英語でこなす必要があり、MBA習得までの難易度は高いといえるでしょう。

MBAを取得している公認会計士の転職について

MBAを取得した公認会計士が転職をするとなれば、多くの企業が評価をしてくれます。ただし、MBAを取得してはいるものの、実務経験がまったくないとった状態では、少し物足りなく感じる人事担当者もいることでしょう。そのため、面接などにおいてはMBA取得をどのように実務に活かしていくのか、ということを明確にアピールできる必要があります。

まとめ

MBA取得をしている公認会計士は、転職では有利な立場となります。とはいえ、MBAを取得したからといって必ず希望企業に転職できるものでも、収入アップが見込めるものでもありません。これまで培った知識やスキルをどのように今後の業務に活かしていきたいのか、しっかりと自己アピールをする能力も求められます。必要以上にMBA習得に頼ることはやめ、しっかり対策を行なって転職活動をしていきましょう。