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内部監査のプロフェッショナルを目指す資格3選!

HUPRO 編集部
内部監査のプロフェッショナルを目指す資格についてご紹介します!

近年、経営陣の間で内部監査というワードが注目されています。内部監査は企業の成長に貢献し、また、リスク・マネジメントに有効である手段として、導入を検討している企業も多く見受けられます。本記事ではそんな内部監査のプロフェッショナルになるための資格を3つご紹介し、内部監査への転職事情もあわせてご説明します。

内部監査とは?

まず内部監査について簡単にご説明します。
内部監査とは、企業において、組織内の人間が業務の効率化や不正の防止などのため、社内の会計や業務を監査することをいいます。
内部監査と聞くと難しく感じますが、実はどんな会社や企業も自然と内部監査はされています。社員がした業務に対して社長や役員が確認したり、会社の経費について社長が確認したりするなど、このような日常的に行われている作業も内部監査の一部です。

しかし、このような内部監査は従来のものであり、社内の不正や問題点といったマイナスを無くすことを目的に行われてきました。近年の内部監査は、より社内をプラスにしていくため、会計の分野やビジネスの分野など幅広い知識を活用して監査することが要求されています。そのため、内部監査についてプロフェッショナルになる必要があり、内部監査という職種が設けられている企業が多くなってきました。

そして、内部監査としてのプロフェッショナルであることを証明する方法の一つとして資格取得が挙げられます。これから内部監査を目指す方だけでなく内部監査としてスキルアップしたい方にもこれから挙げる資格はおすすめです。それでは、これらの資格についてわかりやすく紹介していきます。

公認内部監査人(CIA)~内部監査の知識を有することを証明する資格~

  
上記でも説明しましたが、内部監査についての資格を取得すること1番のメリットは、内部監査の知識を有すると証明できるようになります。
公認内部監査人(CIA)という資格は、内部監査に関する指導的な立場である「内部監査人協会(IIA)」が認定する国際的な資格です。この資格を取得することで内部監査の有資格者として内部監査人の立場を示すことができます。内部監査の資格の中では最もポピュラーな資格となっています。

公認内部監査人の資格は、下記の3科目に分かれています。

①内部監査の基礎

A ガイダンス
B インターナルコントロールとリスク
C 監査実務実習のためのツールと技術

②内部監査の実務

A 内部監査の運営管理
B 個々の監査業務の運営管理
C 不正リスクとコントロール

③内部監査に関する知識

A ガバナンス、ビジネス論理
B リスク・マネジメント
C コミュニケーション
D IT、事業継続 など

このように資格取得の学習課程で、内部監査の知識だけでなく、ITや会計など幅広い知識の習得ができます。また公認内部監査人の資格認定には2年の実務経験も求められます。

また、公認内部監査人の認定資格試験の合格率は非公開ですが、メディア情報などによれば、最終合格率は10~15%前後と予想されています。なお、合格までの学習時間の目安として、標準的な学習時間は300~500時間と言われています。

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内部監査士~内部監査としてのスキルの高さを証明する資格

上記で説明した公認内部監査人の資格とは異なり、内部監査士の資格は試験合格により認定されるのではなく、日本内部監査協会が主催する講習を受講した上で、提出した論文が認定されることにより資格が認定されます。内部監査士の資格は初学者向きではなく、実務において内部監査に携わっている者を対象としています。つまり内部監査人としてよりスキルアップしたい方のための資格となっています。
この資格では、内部監査の基本知識をはじめ、監査技術、リスク・マネジメントや情報システム監査、新しい業務改善手法と内部監査などの幅広い知識を習得することができ、プロフェッショナルとしての立場を確立することが可能となります。

内部監査の実務経験がある人にとっては、研修を受講し、論文(8,000字~10,000字)を提出すれば認定されるので、合格率は出ていませんが難易度としては比較的簡単とされています。

※内部監査士を取得することによって、公認内部監査人認定試験の試験科目が一部免除となります。

内部統制評価指導士(CCSA)~内部統制の評価に関する能力を証明する資格~

  
内部統制評価指導士(CCSA)という資格は、公認内部監査人と同じく「内部監査人協会(IIA)」が認定する国際的な資格です。企業がコーポレートガバナンス(企業統治)に向けて力を入れるなか、国際的にも受験者数が増加している人気の資格です。
この資格では、主に業務プロセスの評価・分析、改善提案、内部統制の構築整備、評価業務への助言、コンサルティングやリスク・マネジメントなど企業の成長や統制のために必要な幅広い知識を習得することができます。

内部統制評価指導士の合格率は非公開ですが、比較的難易度の高い試験とされています。公認内部監査人と同じくらいの難易度という声も多いようです。合格までの学習時間の目安は公認内部監査人と同じ300~500時間です。

内部監査になるには?

内部監査の仕事の求人は上場企業を中心に多く出ていますが、未経験で採用されるケースは稀です。内部監査未経験の方は、今回紹介した資格の取得と同時に、経理や財務などの管理部門で一度転職をされるのが良いでしょう。社内で実績を積むことで内部監査に抜擢されることも期待できます。
また、内部監査は客観的に物事を判断でき、誠実に業務にあたれる人が向いていると言えるでしょう。また、業務改善や情報収集能力も求められますので、日頃から社内外問わず、観察力や洞察力を磨くように、まずは意識してみることをおすすめします。

内部監査の求人状況

内部監査への需要は年々高まっています。しかし、企業からの需要に対して、内部監査を十分に対応できる人材が不足しているのが実情です。そのため、経験とスキルがあれば、転職先として様々な選択肢を得ることができるでしょう。
また、近年の会社法の改正により、監査体制の強化が各社に求められる傾向は続きますので、今後も内部監査への需要は高い状況が維持される予想です。

なお、内部監査の求人については、一般には掲載せず非公開求人として、転職エージェントからの限定求人として紹介されるケースが多いです。内部監査での転職を考えている場合は、ぜひ一度転職エージェントに相談してみましょう。
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まとめ

内部監査という仕事は幅広い知識を必要とし、難易度の高い業務ではありますが、企業全体を見渡すことができ、企業の成長を感じることができるやりがいのある仕事です。
近年の会社法の改正、さらには相次ぐ企業の不正や不祥事を受けて、内部監査の需要が高まっており、スキルのある内部監査人は多くの企業から必要とされています。資格取得を足掛かりに内部監査人として、プロフェッショナルを目指してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いたライター

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