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簿記3級は転職に有利になるって本当?

HUPRO 編集部
簿記3級は転職に有利になるって本当?

簿記には初級から1級のレベルがあります。最もメジャーとされる日商簿記の受験者数は、年間で50万人以上もいます。では、簿記3級を取得していることにより、転職が有利になることはあるのでしょうか。今回は、簿記3級とはどのような資格かということや、簿記3級で転職が有利になるのかどうかについて解説していきます。

簿記3級とはどんな資格?

簿記3級では、現金預金や固定資産、商品、収益と費用といった、個人企業において主に処理する必要のある取引が試験内容となっています。また、これらの他にも、税金や決算における試算表の作成、決算整理仕訳なども含まれており、簿記3級の範囲を勉強すれば、簿記の基本をひと通り学習したといえます。

合格ラインとしては、100点満点中70点以上の正解が求められます。ただ、難易度も比較的低く、きちんと勉強さえすれば合格できる資格です。試験も年に3回行われているので、受験をしやすいといえるでしょう。

また、簿記といえば、現在において人気の高い資格です。そしてこれは、今後も変わることはないでしょう。企業が存在するだけ経理部門も存在し、そこには人材は必要になるわけなので、将来的にも需要は安定していると考えられます。

簿記3級を取得するメリットとは?

簿記3級を取得すれば、希望する職種に転職できる可能性が高くなります。なかでも経理関係の仕事への転職については、簿記3級を取得していることを履歴書などにも記載でき、自己アピールのひとつとなるでしょう。また、簿記3級を取得していれば、簿記2級以上の取得を視野に入れることもできます。

もちろん、簿記3級で学んだ内容を活かして仕事をすることも可能です。税理士事務所や会計事務所などで、企業の経営状態や基礎的な帳簿管理をする作業を通して、得た知識を応用しながら仕事ができます。まさに、日常の仕事内容が、そのまま次のステップへとつながる内容だといえます。

ちなみに簿記3級を習得した段階の転職先としては、税務会計スタッフ、経理事務スタッフ、事務スタッフ、労務関係などのその他事務全般が主な候補となります。

簿記3級は転職に有利?

簿記3級は、転職に有利な資格です。どの企業においても、経理部の求人では簿記3級以上の取得を採用条件とすることを募集の要件としているためです。また、当たり前のことではありますが、知識も経験もなにもないという人よりも、簿記3級を取得していますという人の方が企業側も積極性を感じられます。

また、実際に働き始めてからも、資格手当がもらえるケースもあります。もちろん社員だけではなく、パートやアルバイトでも同じです。年収をアップさせることにもつながりますし、転職の成功に大きく近づくことが可能です。

ただし、簿記3級を取得していることで転職が有利になるといっても、その度合いはあまり大きくはありません。なぜなら、簿記3級で学ぶ内容では、まだ財務諸表の読み解きができるレベルにまで達していないからです。簿記3級の試験内容そのものが、財務諸表を作るための手法とされている簿記を習得するためのものであるため、財務諸表の読み解きのレベルにまで到達していません。

つまり、資格欄が白紙の状態のまま履歴書を提出するよりは、簿記3級を取得していることは有利に働くが、簿記3級ではまだ力不足な面が大きいといえます。簿記での資格を堂々とスキルとして公言できるのは、簿記2級からであると考えておいた方がよいでしょう。

簿記3級を少しでもより有利に働かせる方法とは?

今お話したように、何も資格がないよりは簿記3級を取得していたほうが良いが、簿記3級を取得しているからといって高評価を得られるわけではありません。しかし、簿記3級であっても頑張って取得をした資格です。せっかく取得をしたのですから、履歴書や面接の場で少しでも評価をしてもらいたいものです。このような時は、アピール方法を工夫してみることをおすすめします。

例えば、他の資格と絡ませて簿記3級の取得をアピールする、これまで培ってきた経験と組み合わせてアピールをする、また、「簿記3級を取得できたので、次は簿記2級に向けて勉強をしているところです」などと表現し、次のステップに向かっている途中なのだということを示すこともアピールになります。

まとめ

簿記3級で転職をしようと考えている人は、簿記3級取得というだけではなく、他にこれまで培った経験談などを添えられるなど、アピールの工夫ができるといいでしょう。やはり簿記3級では、取得しているだけで採用担当者の高評価を得られるかというと難しい部分があります。

簿記3級はあくまでも基本的な部分を学んだという程度のものなので、即戦力としては評価してもらいにくいです。これから少しずつステップアップをし、簿記2級に挑戦をしたり、他の資格にも役立てたりしていきましょう。

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