企業の財務状況は貸借対照表や損益計算書(まとめて財務諸表)などで表現されています。企業の財務状況を把握するためには、この財務諸表を読み解く=分析する必要があります。今回は、ただ財務分析の勉強をするのではなく、勉強を通じて財務分析ができるようになる資格ついて解説していきます。
財務分析とは、財務諸表を読み解き、現状の分析をすることを指します。それにより会社の収益性、安全性、成長性などが把握できます。そんな財務分析能力を身につけていきたいあなたにおすすめの資格を4つ紹介します。
財務分析をするためには簿記の基礎知識を習得する必要があります。企業の財務状態を分析するためにはその企業の財務諸表である貸借対照表や損益計算書という会計専門の表を読み解く必要があります。簿記の知識がない方にとって、用語の意味や数字の意味を理解することも難しいのではないでしょうか。
簿記の試験勉強の最終ゴールは、企業の財務諸表である損益計算書と貸借対照表の作成です。簿記検定の取得レベルまで到達する頃には、企業の財務諸表を理解するだけでなく、小規模な企業の財務諸表であれば自分で作成できるレベルに到達しています。
簿記の試験勉強をすることよって、基本的な財務諸表の仕組みや会計用語の基礎知識を固めることで、財務分析に必要な財務諸表の構造を知ることができます。
また、日商簿記検定には難易度が難しい順から、1級、2級、3級、初級とありますが、
中小企業の財務諸表を分析するレベルでしたら、2級か3級の取得をオススメします。
1級については2級と比べて難易度も格段にあがりますし、税理士や会計士の登竜門といわれるような難関資格ですので、資格取得に対してのハードルが高いです。
ファイナンシャル・プランナー試験は、「お金」についての知識を勉強する試験です。「お金」といっても範囲は広いですので、大きく6つ分野に分けて学習していきます。
合格するためには、上記の6分野について学習する必要がありますが、財務分析について関連がある分野は「①ライフプランニングと資金計画」です。
①ライフプランニングと資金計画では、会社の決算書の読み方や経営指標についても学習ができます。経営指標とは例えば「成長性をはかる指標」として「売上高増加率」とよばれる指標があります。
「売上高増加率(%)=(当期売上-前期売上)÷前期売上×100」といった計算式で表されます。この数値が高ければ、企業の成長性があると判断し、他社と比較することで自社の財政状態の位置確認などもすることが可能となります。他にも経営指標には企業の財務状態を把握できる指標がたくさんあります。
こちらも難易度が難しい順に、1級、2級、3級とありますが、1級は2級と比較しても難易度が高いため、2級と3級をオススメします。
ビジネス会計検定は、主に財務諸表に関する知識や分析力を養う試験です。
簿記の試験では財務諸表の作成をゴールとしていましたが、こちらは作成された財務諸表を元に経営指標などに数字をあてはめ企業の財務状態を分析することをゴールとした試験となっています。
簿記の基礎知識や、財務諸表の専門用語を習得している方であればこちらの学習から初めてもよいのではないでしょうか?
こちらも難易度が難しい順に、1級、2級、3級とありますが、1級は2級と比較しても難易度が高いため、2級と3級をオススメします。
FASS検定とは、Finance&Accounting Skill Standard の略で、経理・財務部門の日常実務スキルについて試験勉強として学習する試験です。
FASS検定では、「資産」「決算」「税務」「資金」の4つの分野から構成されており、「決算」の部門で財務分析を学習することが可能となっています。
また、FASS検定では、合格・不合格といった制度はなく、スコアによってA~Eランクに分かれます。
財務分析をただ勉強するのではなく、上記で紹介した資格の取得を目標にして学習してみてはいかがでしょうか?もっと財務分析に興味を持った方は、税理士試験や会計士試験、上記で紹介した資格の1級なども取得を目標にすることで仕事や学習のモチベーションアップにもつながると思います!