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相続税特化の会計事務所へ転職したい方必見!業務内容や転職するメリットを紹介!

ヒュープロ編集部 川辺
相続税特化の会計事務所へ転職したい方必見!業務内容や転職するメリットを紹介!

相続業務は税理士業務の中でも高度な知識が求められる分野のため、相続税に特化した会計事務所も存在します。今回はそんな相続税特化の会計事務所の業務内容や、転職におけるキャリアアップについて解説していきます。相続税特化の会計事務所への転職を検討されている方は必見です!

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そもそも相続とは?

近年の税理士業界では業務の専門性が高まり、特定の分野に強みを置く会計事務所が多くなってきました。相続業務もその一つです。
相続というと、普段馴染みがないため、その意味について定義する民法を参照すると、

個人が死亡した場合に、その者の有していた財産状の権利義務をその者の配偶者や子など一定の身分関係のある者に承継させる制度

と説明されています。

要するに相続とは、被相続人(相続財産を残して亡くなった方のことを指す)が生前に所有していた土地や財産について、法律をもとに適切に相続人(相続権がある人)に引き継ぐ手続きのことを言います。
出典:民法の相続制度の概要~相続税法を理解するために~

相続税について

相続を行う場合、他人から土地やお金など財産を受け取るため、法律で決められた額の税金が発生します。いわば相続税とは、亡くなった人から相続や遺産などにより取得した財産の合計額が、基礎控除額を超える場合に支払うべき税金というわけです。
相続の対象となるものは、不動産や株式、現金、または宝石・家具まであらゆるものが相続対象となる可能性があります。

具体的な相続業務

相続に関する業務として、主に生前対策相続発生後の業務の2つに分けることができます。1つ目は生前対策としては、

・相続税の算出や不動産(土地・建物)の評価、遺産分割方法を試算
・遺言書作成のアドバイス業務
・相続税のシミュレーションを立てる

などを行います。

2つ目の相続発生後の業務としては、

・財産目録の作成
・遺産分割協議書の作成から相続税申告

までを行います。遺産分割協議書の作成は、場合によっては弁護士や行政書士にお願いすることもありますが、相続税申告に必要な書類なので税理士も対応することができます。
以上のような相続業務を専門的に行う会計事務所が相続特化の会計事務所です。

相続特化の会計事務所の特徴

一般的な会計事務所との違い

一般的な会計事務所では、何かに特化しているわけではなく、全ての税務に関連することを原則としますので、法人税、所得税、相続税というあらゆる税金を請け負いますし、業種に関しても個人商店から大規模な法人まで幅広く引き受けます。

一方で相続特化の会計事務所では文字通り相続に特化しています。
ただし、相続といっても相続税が発生してからの会計処理を専門としているわけではなく、相続が発生する前の相続税対策や事業承継から助言をすることがメインとなります。

というのも、相続税は既に相続が発生してしまってはどんな敏腕な税理士が申告をしても限度があります。しかし、生前にどれだけ相続対策をするかによっては全体として相続税の金額が変わります。
そのため、相続特化会計事務所においては相続のスペシャリストを在籍させることによって生前から相続開始までの手続きのみならず、相続対策の助言をあらゆる角度から提案できるようにします。

また、相続特化会計事務所の特徴として生命保険の売り方が一般的な会計事務所とは異なります。一般的な会計事務所では生命保険は法人税の節税対策や社長の退職金代わりに販売することが多いですが、相続特化会計事務所の場合は相続税対策のために行うことが多くなります。

相続業務に携われる会計事務所ってどのくらいある?

弊社は士業管理業界において、税理士事務所や会計事務所に転職を希望する転職者のための人材紹介サービスを提供しています。弊社【最速転職HUPRO】のデータによると、
一般的な会計事務所&相続特化の会計事務所は合わせて433件の求人があります。
多くの税理士事務所が税務業務と相続業務を兼業しており、相続税業務をしている事務所に転職したいと思う場合はそれほど探すことに困らないでしょう。

しかしながら、「相続業務を経験し、専門性を身につけていきたい」「キャリアとして相続業務ができる税理士を目指したい」などと考え、相続業務を経験できる会計事務所を探す場合は、一般的な会計事務所では要望が叶わない可能性が高いでしょう。
ここで税務会計業務を中心としている税理士法人の求人を参照すると、以下のような業務内容が掲載されています。

【具体的な業務内容】
・経営計画策定支援
・事業再生・事業承継
・M&A・組織再編
・財務デューデリジェンス
・企業価値評価・株価算定
・事業デューデリジェンス
・経営計画のモニタリング
・経営会議・営業会議への参画
・IPO支援業務
・内部統制・管理体制の構築
・税理士業務
・担当クライアント先の窓口業務
・記帳、記帳指導
・巡回業務(伝票、書類のチェック)
・相続対策コンサルティング
・相続発生から申告までの一貫した相談・支援
・経営相談、経営会議への参加

【税理士】クライアント企業の8 割が京都企業!企業再生コンサルティングに力をいれる税理士法人
一般的な会計事務所の場合、相続業務は一部分にしか過ぎず、相続税理士として十分な業務経験を積むほど仕事はないと予想が立ちます。せっかく数ある税理士業務の中で、「相続業務に携わりたい!」とやりたい仕事を明確にしているならば、その意思が実現できる会計事務所へ転職することが望ましいと思われます。また業務内容以外にも【組織構成】スタッフの担当業務を見ると、入社後自分が関わる仕事を把握できます。

【組織構成】
・税務・会計を中心に担当するスタッフ:6名(パート含む)
・コンサル業務を中心に担当するスタッフ:5名(パート含む)

企業ホームページや採用サイトでは、ページを訪れた人のあらゆるニーズに合わせるため、会計事務所が提供する全てのサービスについて掲載しています。一方、求人では「ある業務において、現在人手不足のため新たに人材を採用したい」「これから事業を拡大するため、新たに人材を採用したい」という企業側の理由があり、求人を掲載しています。そのため転職者の志望動機と企業側の都合が合わないことが起こります。ホームページ等に相続業務について記載があるから、必ず相続業務に関われると限らないことを理解しておきましょう!

転職前には企業ホームページ&求人内容を確認するとともに、選考中に面接官と業務内容について相互認識の違いがないか確認することをお勧めします。業務内容について質問しづらい場合は転職エージェントに相談をしてみるのも良いでしょう!

相続税特化会計事務所の強み

相続税特化会計事務所の強みはもちろん、文字通り相続税に特化していることです。一般的な会計事務所と違い、相続税の申告件数割合はとても多い為、会計事務所内に相続税関連のノウハウが多数蓄積されています。

相続税の申告は、たとえ資格がある税理士といっても税法を深く理解していないと税額が高くなってしまうどころか間違った申告さえしてしまう可能性があります。相続税の税務調査率は他の税目と比べて極めて高いため、払わなくても良い税金どころか加算税まで取られてしまう可能性があります。

もちろん、一般的な会計事務所でも経験を多く積んだ税理士が対応する場合があるため一概には言えませんが、相続税特化型の会計事務所ではその安心感があるでしょう。

また、相続税は最初にお伝えした通り税金が発生するまでの相続対策がとても重要となります。一般的な会計事務所は法人税や所得税の節税対策は行うものの、相続対策まで考えてくれる事務所は全てではないのが実情です。
その点、相続特化の会計事務所ではどのように相続税を減らすのかだけではなく、どのように事業承継をするのが最もスムーズであるかも相談に乗ってくれるため、ニーズはとても多くあります。

これから相続業務の需要が伸びるってホント?

現在の相続業務の需要

相続税が実際にかかっている被相続人の数は年間で10万人程度と言われています。また、税理士は8万人程度と言われており、単純に割り算をすると1人の税理士で年間1件程度の申告をしている程度と言えます。
しかし実際には、年間に一度も相続税の申告をしていない税理士は多数おり、多くは大規模な税理士法人や相続税専門の税理士に流れていると考えられます。

一般的な会計事務所は法人税、所得税の申告を中心として行っており、その中に相続税の申告業務も含まれるのですが、年間に数えるほどしか相続税の申告を行っていないのが事実です。毎月のように相続税の申告を行っている事務所は稀と言えるでしょう。

迫り来る高齢化

何よりこれから相続業務の需要が伸びる要因に日本の高齢化が挙げられます。超高齢化社会の日本では2040年頃に死亡者数のピークがくると推定されています。それに伴い相続業務の需要も上昇していくのは当然のことと言えるでしょう。

相続特化の会計事務所への転職するメリット

近年相続税に対する需要が高まると同時に、相続業務の経験を積みたいという会計事務所従事者は増えてきています。たしかに需要の高い仕事ができると、その人の市場価値も高まることが予想されます。
では、相続特化の会計事務所に転職するメリットはなんでしょうか?

希少人材になれる

まず、何といっても相続特化の会計事務所への就職ですから、自身が相続税に強い人材となれることでしょう。今後開業を考えている場合は同じように相続特化型の会計事務所を立ち上げられることになりますし、次に転職を考えている場合でも相続税のキャリアを持った人材はまだ不足していると考えられるため、優先して採用されることとなるでしょう。

上述した通り、相続申告の件数は増加傾向にありながら、相続税に十分対応できる税理士はまだまだ少ない現状です。他の税理士が苦手にしている分、対応できると一気に自分の強みとなりますので、活躍の機会は今後も多くなっていくでしょう。

年収UPに繋がる可能性が大きい

相続税の案件は、1件1件の報酬単価が高い傾向にあります。
また、転職先によっては、成功報酬制度やインセンティブ制度を導入しているケースがあり、請負案件の受取報酬の何%かを賞与やボーナス、特別手当として支給しています。そのため、個人の会計事務所や中堅の税理士法人から転職した場合、年収UPが見込める傾向にあります。

将来独立を見据えた際の勉強になる。

税理士制度は5科目取得することで税理士としての独立が可能となります。将来、税理士として独立開業した際は、相続税専門の税理士として独立せずとも、顧問契約となっているクライアントから付随業務として資産税の案件が舞い込む可能性もあります。その際に、その案件を他の税理士に逃さないためにも、相続税に特化した税理士としての転職にはメリットがあります。

まとめ

相続特化の会計事務所は現在の相続税法や事業承継税制などの追い風を受けて今後ますます増えていくことでしょう。そんな相続特化の事務所に就職することも今後の皆さんのキャリアアップにもつながると考えられます。これから税理士試験突破を目指す場合には、選択科目に相続税を加えることも考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!ご相談はヒュープロ公式Xまでどうぞ!
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