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2019年より大改定!簿記3級ではどんな問題が出題される?

HUPRO 編集部
2019年より大改定!簿記3級ではどんな問題が出題される?

簿記検定は初級~1級まで4つの級に分かれていますが、経理未経験者の場合、まずは知識を得るという意味でおすすめしたいのが「日商簿記検定3級」です。本記事では、2019年度試験(2019年6月)から大幅な改定が実施された簿記3級でどんな問題が出題されるのか具体的に説明します。

簿記3級で出題される問題の範囲

簿記3級では従来の「小規模の個人企業が営む商品売買業」を前提とした商業簿記から、「小規模な株式会社」を前提とした商業簿記へ変わり、より実務に近い内容になっています。
また、3級の出題範囲が広がったことで、その負担を軽減するため、実際の実務に即していない内容については削除したり、逆に2級以上の出題範囲に組み込まれたりと変更を加えています。

【削除される論点】
繰越試算表
6桁精算表
当座借越勘定を使った期中処理
売上値引・仕入値引資本の引き出しに関する処理
消耗品購入時の資産処理
「見越し」「繰延べ」という表現

【他の級に移行する論点】
有価証券の購入・売却、受取配当金→ 有価証券関連はすべて2級以上へ
直背地方による固定資産の減価償却 → 2級以上へ
手形の裏書譲渡・割引 → 2級以上へ
(当店発行の)商品券の処理→1級へ

簿記3級で出題される問題の傾向とは

簿記3級は2019年4月に出題範囲の改定が行われ、それまでは2級の範囲だったものが一部出題されるようになりました。しかしその内容については3級に合わせて改変されています。
問題の構成は全5問で変わっていません。それでは順にみていきましょう。
また、簿記3級は試験時間が120分という短い時間のため、時間配分にも気を付けて回答をこなしていくのがポイントです。

第1問「仕訳」(配点:20点程度)
回答時間目安:10分程度
「仕訳(しわけ)」に関する5つの問題が出されます。問題文では文章で列挙されているものを、指定された勘定科目を使って、借方・貸方に記載します。
仕訳においては「仕入取引」「売上取引」「固定資産の購入」「固定資産の売却」「租税公課」「未収入金」「手形取引」「前受金」の勘定科目がよく出題されます。
意外な盲点は勘定科目の漢字。漢字を間違えてしまったら、金額が合っていても不正解となってしまいます。また、あくまで問題に書かれている勘定科目が対象です。独自の勘定科目を普段実務で使っている人は注意しましょう。

第2問「帳簿記入」「勘定記入」「補助簿の選択」など(配点:10点程度)
回答時間目安:15分程度
帳簿組織の記入・選択、仕訳問題などが出題される第2問。
問題資料の各勘定から、三分法による場合の仕訳・分記法による場合の仕訳の違いを把握したうえで、答案用紙の空欄の仕訳と金額を埋めていきましょう。勘定記入については、第4問でも頻出の論点です。解き方を覚えておくと後々役立ちます。

第3問「合計残高試算表」「合計試算表」「残高試算表」など(配点:30点程度) 回答時間目安:35分程度
試算表の作成問題が多く出題されます。やはり基本は仕訳です。資料の取引記録から仕訳を推定し、勘定ごとの金額計算を行っていきます。
なお、答案用紙に一部金額が書いてある場合がありますので、そこから仕訳や取引の内容を読み取ることが可能です。ケアレスミスには十分気をつけましょう。

第4問「勘定記入」「仕訳日程表」「語句記入法」など(配点:10点程度)
回答時間目安:15分程度
伝票から取引の内容を類推し、仕訳に直すところからはじめましょう。入金伝票や出金伝票では、複数の取引先が出てきますので、わかるように頭文字や記号で分けておくと、後の集計処理が楽になります。
同様の問題が出やすいパターンなので、しっかりと例題を解いておくことが大事です。

第5問「精算表」「財務諸表」など(配点:30点程度)
回答時間目安:30分程度
簿記3級の内容を理解しているか、総合的に問われるのが第5問です。
貸倒引当金や、減価償却、当期純利益や純損失の計算なども含まれてくることもあります。
また、損失がある場合に、マイナスを表す△マークを付けた場合、筆記試験は模範解答以外は不正解になるため、金額が合っていても不正解になる可能性があります。特に指示がなければ金額のみの記入で大丈夫です。

新試験範囲の具体的なサンプル問題は、日本商工会議所が出しているサンプル問題がありますので、以下リンクをご覧ください。
【日商簿記3級】出題区分改定に対応したサンプル問題(出典:日本商工会議所)

2019年以降の受験者が気を付けるべきこと

既に解説の通り、2019年6月から問題範囲が変更になっていて、過去問についてはストックがない状況なので、上記のサンプル問題や、各予備校やネットスクールにて作成されている予想問題や例題をチェックしてみてください。
簿記検定は受験者数も多いことから、過去に先輩が受験したテキストや問題集を譲り受けることもあるかもしれませんが、2019年2月実施までのものは内容が古いので注意してください。
常に新しい試験範囲に合わせた問題集とテキストを準備して勉強に臨むようにしてください。WEB上の情報も古いものがあるので、公開日や更新日にくれぐれもお気を付けください。

具体的な出題範囲は日本商工会議所HP掲載の日本商工会議所の簿記検定試験出題区分表(2019年度適用) もご確認ください。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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