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簿記2級から簿記1級を取るべき?1級以外の選択肢含め解説!

Hupro Magazine編集部 剱持
簿記2級から簿記1級を取るべき?1級以外の選択肢含め解説!

経理担当者は取っておいた方がいいといわれる「簿記2級」。

業務に役立つだけでなく、資格があるだけで転職の幅が広がったり、会社で資格手当が付いたりするなど、何かとメリットも多い資格です。

しかし、さらにその上の「簿記1級」となるとどうなのでしょうか?解説します。

簿記2級から簿記1級を取るべき?

簿記2級から簿記1級を取るべき?

簿記2級まで取ることができたら、どうせなら1級も目指してみたいと思うことは大変素晴らしいことです。しかし、簿記1級というのは2級に比べて科目数も倍の4科目(商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算)ある上に、その難易度は5~10倍ほどとも言われています。

簿記3級からスタートして、2級まで取るのと、2級合格後に1級を取る難易度は段違い。2級程度の実力がある人でも1000時間ほどの勉強時間が必要だといわれています。

1000時間といえば、1年で取得するといっても1日2~3時間が必要というかなりの時間数。さらに、独学で取得も難しいため予備校に通うなどのスクーリングで費用も掛かります。

それでも、合格率は10%前後。かなりの難関資格です。

もしあなたが現在行っている業務が簿記2級の範囲で収まっているようであれば、貴重な時間を無理に勉強してまで取得する必要はない資格と言えるでしょう。

というのも、よほどの大企業でない限りは、簿記1級の知識がなくてもできますし、未経験で簿記1級を持っているよりも、2級でも実務の経理経験がある方が戦力として評価される傾向があるからです。

簿記2級から簿記1級を目指すべき人4パターン

中には簿記1級を取った方が良い人もいます。具体的に言うと以下のような人たちです。

  • (1)年齢が若い
  • (2)簿記1級の知識が業務に必要
  • (3)簿記1級が会社の昇進・昇給の条件
  • (4)税理士や公認会計士を目指す人

(1)年齢が若い

これから就活に臨む学生や、経理事務に早めに転職したい20代前半の若い人材については、職歴がないぶん資格が物を言います。

簿記2級よりも1級がある方が、経理という業務についての意欲をより強くアピールすることができるでしょう。

(2)簿記1級の知識が業務に必要

前談で大企業でない限りは簿記1級の知識がなくてもできると書きましたが、つまり、大企業の経理部などでは、簿記1級レベルの知識が必要な場合もあります

もし自分が携わる業務について簿記1級の範囲があるようでしたら、実務への理解をより深めるために簿記1級にチャレンジしてみるのはおすすめです。

(3)簿記1級が会社の昇進・昇給の条件

会社によっては、資格手当が付いたり、昇進や昇給の条件として資格を取得していた方が有利だったりする場合もあります。

このような時は、ぜひ勉強して、資格を取得した方が良いでしょう。こうした会社では専門学校やテキスト代の補助があったりすることもあるので、ぜひ活用しましょう。

(4)税理士や公認会計士を目指す人

税理士については、学歴・資格・職歴のいずれかの受験資格を満たした場合、受験が可能になります。

このうち資格による受験資格のうち1つが「日商簿記検定1級合格者」です。そのため、学歴や職歴で資格を満たさない場合は1級を取得する必要があります。

また、公認会計士は特に受験資格はありませんが、簿記検定1級を合格することでその勉強範囲の10%ほどをクリアできるといわれており、ある意味、会計士の適性を測る登竜門とも言われているため、受験者が多いのです。

こういった背景がある人は、勉強する労力を割く必要があると言えるでしょう。

しかし、これらに当てはまらないという場合は、切り替えて別の面からキャリアアップのための勉強をした方が後々のためになるといえます。

簿記1級だけでなくこちらの勉強もおすすめ!

もし、あなたが前項の条件に当てはまらないのであれば、多くの時間と費用も掛かる簿記1級を頑張って取得するよりも、これからの経理は以下の勉強をする方がおすすめかもしれません。

  • ・税務・会計・財務の勉強
  • ・英文会計
  • ・自分が勤めるかこれから行きたい業界の資格

税務・会計・財務の勉強

経理と一口に言ってもその業務は幅広いもの。現在自分の業務の幅を広げるように、税金や社会保険の仕組みを学んでみるのはいかがでしょうか。

財務系であればFASS検定など、実務能力を測る検定もあるので、ぜひチャレンジしてみてください。

英文会計

英語はこれからの有用なスキルの1つ。なかでも英文会計は、経理業務のスキルアップとして注目されています。
外資系企業や、海外に事業所のある会社などに転職を考える場合に、ぜひ身に着けておきたいですね。

自分の業務をベースとしているので、独自の用語も実務経験があれば比較的入りやすいといえます。あとは普段のコミュニケーションのために英会話と英文読解についても学んでおきましょう。

TOEICのスコアは転職の際にアピールポイントとなります。

自分が勤めるかこれから行きたい業界の資格

例えば、人事・労務関連に異動を考えていたら「給与計算実務能力検定試験®」、不動産業に行きたければ「宅建士」、建設業に興味があれば「建設業経理士資格」を目指してみるなど、メジャーなものからマイナーなものまで、経理の実務と組み合わせることで自分のキャリアアップにつながります。

まとめ

経理業務はどの企業にも存在する業務です。そのため、経理の実務スキル+その業界の知識や資格などを身に着けることによって、どんな業界でも対応ができるという事にもなります。

誰にでも時間は有限。簿記1級にとらわれず、自分のキャリアを考えてみた時に、有効なものを選ぶようにしましょう。

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングなどを担当。大学法学部法律学科卒業後、銀行にてエネルギーや金属など"コモディティ"の取引、司法試験を中心とした資格試験予備校にてWEBマーケターとしての記事ディレクションなどを経て現職。法令や金融、資格試験の知識も活かしつつ、分かりやすくもためになる記事の作成に注力しています!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェント「ヒュープロ」をご活用ください!
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