転職を希望するのであれば、簿記2級を取得していると有利になります。高卒であっても、簿記2級を取得しているということだけで、転職がうまく進みやすくなるのです。それほど簿記2級は即戦力として判断してもらいやすい判断材料となります。今回は、簿記2級を取得できれば高卒であっても転職に有利となることを解説していきます。
会計事務所の求人を見ていると「簿記2級」を条件に指定されていることが多いことがわかります。このことからも、会計事務所で働きたいのであれば、簿記2級は取得しておいた方が有利であることはお分かりいただけるでしょう。
やはり「やる気があります」と面接などでアピールするだけの人よりも、履歴書の自己PR欄に「簿記2級取得」といったような実際にスキルや知識を証明できるものをもっている人の方が有望であると判断されます。
簿記2級は、会計事務所のみならず、一部上場企業や中小企業でも必要とされている資格です。簿記2級を取得しているスキルをもっていれば、経理のプロフェッショナルとしてさまざま財務処理をする上での最低限の知識を有していると判断されるからです。
簿記2級では、商業簿記と工業簿記が問われます。商業簿記とは、販売活動や購買活動などといった企業の外部との取引を計算、記録する技能のことです。企業を取り巻く経営管理者、出資者、取引先といった関係者に対して、適切で正確な決算書作成を行うことが求められます。
一方、工業簿記とは、企業内部での部門別または製品別の燃料、材料、人力をいった資源の投入についての計算、記録をする技能のことです。どちらも経理には必須の内容であるといえます。
会計事務所といっても、さまざまな規模の会計事務所があります。しかし、傾向として、規模の大きい会計事務所は求人倍率が高いうえに即戦力が求められやすいです。そして、未経験者が採用される確率は低いといえます。
また、クライアント規模が大きくなると連結決算や国際会計基準への対応が求められるなど、業務内容も難しくなります。
一方、個人会計事務所は求人倍率が低めであり、即戦力となるかどうかについては採用段階で問わない傾向があります。業務内容は小さい事務所のほうが、中小企業の経理代行や入力作業など基礎的な業務が多くなります。
簿記2級を取得していても、経験が浅いまたは未経験者の場合は、個人事務所を中心に応募するということも戦略として考えてみてもいいでしょう。
会計事務所の仕事内容は、大まかに言えば「企業の税務申告を代行すること」です。どの企業においても決算があり、その決算期には決算書を作成し終えなければなりません。また、年に1度は税務申告をする義務があるので、その作業のサポートを請け負うのも会計事務所の仕事です。
ベンチャー企業などでは社内に経理担当者がおらず、経理業務を会計事務所に委託することもあります。そのような場合は、毎月その企業へ訪問をしながら、記帳代行や経理代行などの業務をこなしていきます。
このように、会計事務所は企業などのクライアントの業務をサポートするというサービス業であるといえるでしょう。
あくまでもクライアントあっての仕事なのであり、クライアントとの信頼関係を築くことが何よりも重要となるのです。
そのため、会計事務所の代表者となる税理士や会計士だけではなく、事務所で働いているスタッフ全員が、その会計事務所の「顔」となることを常に意識して、クライアントから信頼を得られるように応対することが求められます。
高卒である場合、どうしても「大卒の方が有利なのではないか」と考えがちですが、それよりも若ければ若い方が有利だといわれています。その理由は2つあります。
若ければそれだけ早い成長が期待できるからです。会計事務所としては、未経験者や経験はあっても社内の業務になれていない人に対し、早く一人前として働いてもらうことを望んでいます。若い人は適応能力があるので、会計事務所としても高卒であっても簿記2級取得者となれば、若い人を採用したくなるのです。
未経験者や社内の業務が把握できていない段階においては、転職者に教育担当をつけることが多いです。
しかしこの時、教育担当者の方が年上であった方が通常はうまくいきます。これが、教育担当者が年下になった場合は、教育担当者が指導をしづらい場面が多く、うまくいきにくくなるのです。すべてのケースがこのようになるとは言い切れませんが、会計事務所もリスクを背負いたくないので、若い人を優先的に採用する傾向があります。
高卒であっても簿記2級を取得していれば、転職に有利に働くことは間違いないでしょう。比較的小規模の会計事務所を中心に転職活動を行うのであれば、採用される可能性はさらに高まります。