士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

簿記1級の合格に必要な勉強時間はどのくらい?

HUPRO 編集部
簿記1級の合格に必要な勉強時間はどのくらい?

簿記1級の合格を目指して勉強を始めようとしているみなさんは、一体どのくらい勉強しなければならないのかと不安になりますよね。難しい資格とされている簿記1級ですが、実は勉強時間は人それぞれであり、独学か資格スクールに通うのかによっても大きな差があります。今回は、簿記1級の勉強時間について解説していきます。
《関連記事》

簿記1級の試験内容とは?

簿記1級の試験内容は、簿記2級とは大きく異なります。簿記2級においても試験範囲とされていた商業簿記や工業簿記に加え、原価計算と会計学の2つの科目が追加されて、合計で4科目が試験内容となるのです。

また、商業簿記と工業簿記に関しては、簿記2級よりも範囲が大幅に広くなり、より深い理解や理論を求められ難易度は格段に上がるようになります。それを証拠に、簿記2級と簿記1級では、合格率にも大きな差が出ています。簿記2級までが絶対評価での合否、簿記1級が相対評価での合否という違いはあるものの、難しくなっていることに間違いはありません。

ちなみに絶対評価とは、事前に定められている評価基準で評価をする方法のことをいいます。そして相対評価とは、受験者の成績を比較評価し、最終的な評価を決定する方法のことをいいます。相対評価で合否が決まる簿記1級の合格率は10%前後となっています。

詳しい簿記試験の採点の仕方はこちらの記事をご覧ください。

また、簿記1級の難しさとなっている要因として、工業簿記と原価計算において、最初の1問目で出した答えをもとに2問目以降の問題を解答しなければいけない点が挙げられます。最初の1問目の解答を間違えてしまえば、それ以降の問題の解答もすべて間違えてしまうことになるということです。簿記2級までは部分点で点数を稼ぐことができたのですが、簿記1級では一貫性のある理解が求められます。

簿記2級よりもさらに難しい簿記1級の勉強時間は?

簿記1級に合格するための勉強時間は、もちろん個人差があり、500時間で合格できた人もいれば、1,000時間勉強したという人もいます。一般的には、800時間~2,000時間とされています。

これほどまでに大きな差が生まれている理由のひとつとしては、簿記2級までの知識を得た人もいれば、まったく何も知識がない状態から簿記1級をめざす人もいるからです。また、独学で勉強をしているか、資格スクールに通いながら勉強をしているかの違いも大きいといえるでしょう。

資格スクールを利用した場合の簿記1級の勉強時間は?

有名なスクールでは、140~200時間ほどの授業が行われるとされています。もちろんこれらの予習や復習なども必要ですので、スクールを利用した場合の最短の勉強時間は600時間ほどと考えておいた方がいいでしょう。スクールとは別に、1日100分ほどの勉強を1年間続ければ、ようやく合格ラインの勉強時価に近づくというわけです。

資格スクールで勉強をするメリットは勉強時間短縮だけ?

資格スクールを利用するメリットは、やはり自分の力だけで理解をしていくよりも、わかりやすい解説を聞きながら理解ができる点です。理解できるスピードは格段に上がり、勉強時間も短縮できるでしょう。ただし、資格スクールを利用するメリットはこれだけではありません。多くの他の受験生を見て刺激を受けることができるモチベーションを保ちやすい状況に身を置けるということも大きなメリットになります。

簿記1級は独学での合格は不可能?

決して独学で簿記1級を合格することは不可能ではありません。ただし、「合格の可能性は決して高くはない」といえます。簿記1級は、やる気だけでは受からないといわれますが、やはりそう断言されるだけ難しい資格だということです。では、どのように難しいのでしょうか。

簿記1級の受験生のレベルそのものが高い

冒頭でもお伝えした通り、簿記1級は相対評価で合否が決まります。70点取れたから合格なのではなく、周りの基準によって合否が決まるのです。簿記1級を取得できれば税理士資格の受験も可能になるほか、税理士はもちろん公認会計士や中小企業診断士の仕事に就くことも考えられます。

そのような職業を目指している人が、簿記1級には含まれているのです。これらの人たちは高学歴である場合が多く、実際に仕事で既に簿記に慣れている人も多いでしょう。このような人たちを相手に、合格者の10%を目指さなければいけないのです。

簿記1級の試験内容は広くて深い

簿記1級では、試験問題の難易度が上がり、また理論での正確な理解が求められるため、ただの丸暗記では合格することができません。簿記2級に比べてテキストのページは2倍や3倍といわれますが、それ以上に難易度が5倍にも10倍にもなっていると考えていいでしょう。

簿記1級には足切り制度がある

簿記1級には、足切り制度が導入されています。科目それぞれにおいて最低点数が設定されており、4科目のなかで1科目でも40%の正解率を超えていなければ、たとえ合格点が合格基準以上取れていても不合格となるのです。そのため、苦手とする分野があればそれだけかなり不利になります。

まとめ

簿記1級の勉強時間は人によって差はあるものの、500時間とも1,000時間や2,000時間ともいわれます。もしも2,000時間も時間を割くことはできないと感じるのであれば、資格スクールを利用して効率よく勉強を進めることをおすすめします。資格スクールは費用がかかりますが、勉強時間短縮のほかにも得られるものは多いです。1度、検討されてはいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:資格試験
    タグ:

おすすめの記事