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税理士試験の受験料は他士業に比ベてお得?受験までの予定やコストなど

HUPRO 編集部
税理士試験の受験料は他士業に比ベてお得?受験までの予定やコストなど

様々な資格等の試験と比較すると、税理士試験の受験料は、そこまで高くありません。
税理士試験の受験料は、1科目で4,000円、2科目で5,500円、3科目で7,000円、4科目で8,500円、5科目で10,000円となっています。
税理士試験にかかるコストやスケジュールについて解説します。

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税理士試験の受験料は意外と相場的に高くない?他試験との比較

税理士試験の受験料は以下の通りです。

1科目 4,000円
2科目 5,500円
3科目 7,000円
4科目 8,500円
5科目 10,000円

以前の受験料は3,500円~7,500円でしたが、2018年(第68回)に値上げされています。
5年かけて1科目ずつ受験する場合だと、4,000円×5回で20,000円になります。一方、1回の受験で5科目受験すると10,000円です。

現実的には1回の受験で5科目同時に受験することは少なく、1科目ごと、あるいは2~3科目受験が多いので、10,000~20,000円かかると考えておきましょう。

税務を行うスペシャリストであり国家資格である税理士ですが、意外と他の試験と比較すると受験料は大きく高いわけではありません。
他の国家試験の受験料は以下の通りです。

公認会計士:19,500円
司法試験:28,000円
医師国家試験:15,300円
土地家屋調査士:8,300円
日商簿記1級:7,710円
英検1級:8,400円
センター試験:18,000円

税理士試験の受験料は、公認会計士の受験料の約半分、司法試験の約3分の1程です。(こうみるとセンター試験が比較的割高に見えなくもないのが不思議ですが…)

会計学2科目、税法のうち3科目の計5科目に合格した場合に税理士として働くチャンスが出てきますが、それでも他の試験と比較するとお得だと思います。

年に1回しかないことを考えると、勉強する内容は専門的で難易度はそれなりにありますが、経済面でみると比較的ハードルはそこまで高くないかもしれません。

税理士試験の受験内容・スケジュール・コスト

税理士試験は毎年1回、春頃(4月~5月)に申込案内が開始され、8月に3日間の試験があります

会計学と税法にわかれていて、会計学からは2科目(①簿記論②財務諸表論)が必須で受験であり、税法からは9科目(①所得税法②法人税法③相続税法④消費税法⑤酒税法⑥国税徴収法⑦住民税⑧事業税⑨固定資産税)中から3科目選択し、合格する必要があります。

一般合格を目指すのであれば5科目一気に受ける必要がありますが、科目合格制という制度をとっているため、一度に5科目を受験する必要はありません。何年かけて受験してもよく、1回目の試験で合格した科目は次回受験の際にそのまま活用することができるのです。※合格科目が5科目に達した時点で税理士試験合格となります。

一方、科目合格制であり何年かけても良いため、少しでも気を抜いてしまうと合格するまでの年月に時間を要してしまいやすいのもこの試験制の特徴のひとつです。

例えば「3年以内に合格する」等、自身にリミットを課した上で受験していくほうが効率的です。1科目の受験合格率が10%以下であることから、そこまで簡単とも言い難いのも税理士試験の特徴にあります。

独学でいくのか、スクールに通うのかでも、受験に際してのコストに大きく影響します。合格するまでのスケジュールを大まかにでも作り、できる限り勉強コストをかけすぎないよう、計画立てて受験することがオススメです。

難易度は?どんな人が合格しやすいのか

税理士試験をいざ受けようとなった際に気になるのが難易度です。税理士試験は科目選択制であるので、科目別に合格率も出ています。

必須科目

簿記論

30年度合格率:14.8%
29年度合格率;14.2%

財務諸表論

30年度合格率:13.4%
29年度合格率;29.6%

選択必須科目

法人税法

30年度合格率:12.1%
29年度合格率;12.1%

所得税法

30年度合格率:12.3%
29年度合格率;13.0%

選択科目

相続税法

30年度合格率:11.8%
29年度合格率;12.1%

消費税法/酒税法

30年度合格率:10.6%/12.8%
29年度合格率;13.3%/12.25

国税徴収法

30年度合格率:10.7%
29年度合格率;11.6%

住民税/事業税

30年度合格率:13.5%/11.0%
29年度合格率;14.3%/11.9%

固定資産税

30年度合格率:14.9%
29年度合格率;13.3%

※国税庁ホームページ(平成30年度(第68回)税理士試験結果より抜粋)

おおむね10~15%あたりの合格率となっています。国家資格ということもあり、中途半端な勉強では受からないことは明白です。必須科目はしっかり6割以上は正答するように対策し、選択科目は自身の得意な科目を選んで得点を得ることが望ましいです。

上記から、どんな人が合格しやすいのか?という傾向を考察してみますと、以下があげられるかと思います。

・計画を立てて勉強できる人
・法律的思考(特に行政的)が可能な人(≒論理的思考力)
・会計的知識、経験をお持ちの方(特に必須科目で活かせる財務諸表を読む力)

もちろん勉強の量をこなすことはMUSTですので、大学生は勉強時間を確保できる在学中に受験し合格することが望ましいです。

また社会人の方も、仕事以外の休日の時間をいかに捻出して合格までの科目合格を達しておくか、が合格への鍵となります。

オススメとしては、会計的な実力も身につく日商簿記1級レベルを受験しておくことです。日商簿記は年3回ありますので、年1回しかない税理士試験に臨むまでに実力をつけるために受験しておくことは有意義です。

しかも、既に受験資格を満たしている方はあまり影響がないかもしれませんが、
日商簿記1級は税理士試験受験要件の1つにもなっています。予行練習としては申し分ない試験の活用となります。

税理士試験の受験料から、受験するにあたってのスケジュール、合格率、準備(オススメ含む)をご紹介しました。これから税理士を目指す方、目指そうか迷っている方、前向きに受けてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

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