会計などの仕事に就くにあたって、必ず必要になるのが会計用語です。今回は、期首棚卸高について、概要から期末棚卸高との違いなど詳しく、わかりやすく説明します。
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期首棚卸高とは、会計年度の開始日である期首の時点において、資産として前期から繰り越され、在庫として残っている製品や商品の在庫金額のことをいいます。会計年度の開始日における前期末からの残高を繰り越して、売上原価に計上する商品や製品の総額のことです。
仕入れに必要な全ての費用を今期の経費とすべきではないという費用収益対応の考え方があり、売上原価がそのまま今年度の仕入れに必要な経費となることはありません。前期末からの在庫製品が利益につながっていないなかで、その分の経費を期末商品棚卸高として、引いて計算する必要があるためです。
期首棚卸高には、期首商品棚卸高や期首製品棚卸高などの区分があります。企業会計において費用収益対応の原則に基づき、それぞれ売上利益に対して売上原価を計上する必要があります。売上原価については、期首棚卸高に今期の仕入高をプラスし、期末棚卸高を引いた金額で算出します。期首棚卸高の消費税の課税取り扱いについては、一般的に対象外となります。
ここで、「期首棚卸高」と「期末棚卸高」の違いを説明します。「期首棚卸高」は、会計年度の開始日にあった商品・製品の総額のことです。そして「期末棚卸高」は、期末(会計年度末)にあった商品・製品の総額のことを表します。
「売上総利益」は売上高から売上原価を差し引くことで計算できるものですが、その売上原価を算出するために「期首棚卸高」と「期末棚卸高」を知っておく必要があるということです。売上原価を算出するための式は下記のとおりです。
「売上原価=期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高」
結果、開始日にあった在庫に仕入を足して、年度末の在庫を引くことで、その期に使った売上原価を出すことができるということになります。
在庫をきちんと計算することで、経営状態を把握し、今後の計画に活かすために棚卸しで在庫管理を行っています。棚卸しの対象には、商品、製品だけではなく、原材料、副産物なども含まれるので注意しましょう。さらに、まだ使用していない事務用品などの消耗品や、切手などの貯蔵品も棚卸しを行う必要があります。
業界や企業によっては、季節商品が売れ残った場合や、型式、性能、品質が全く違う新製品が発売された場合など、今後通常の価額では販売することができない場合も考えられます。これは、評価損の算入が可能です。在庫をただの数値としてではなく、今後、販売する価値の面でも見るようにしましょう。
在庫が増えるのは仕入があったときだけではないということを念頭に置いておく必要があります。販売した商品が様々な理由で返品されてくるときも在庫に入れることになります。そんな場合には、以下の計算を行います。
「売上総利益=売上高-売上原価(期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高)」
返品されて在庫が増えるということは、言い換えれば期末棚卸高が増えるということになります。つまり、その分、売上原価が減ることになりますので、返品分を在庫に組み入れた場合は、売上の取り消しだけを行えばよいというふうに考えます。
また、棚卸しの時期についてですが、個人事業者の場合は、原則として年度末(12月31日)になります。ただし、在庫の数が定まった時期であればいつ作業してもよいので、年度末の実施が難しい場合は、その年の最終の営業日以降ならば、年度末から多少前後しても問題がないことになっています。どの時期に行うのがスムーズなのか微調節しながら、1年の区切りとして、棚卸しを正確に行うことが大切です。
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