銀行マンの金融出身者が経理への転職を考える場合、銀行の業務と経理の業務にどの程度の親和性があるかは気になるところです。また、経理に転職する場合に有利になるスキルや、高評価を得やすい人材の特徴なども押さえておくべきポイントです。そこで今回は、金融出身者が経理に転職するためのメソッドをご紹介します。
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銀行からの金融出身者が経理に転職する場合、一般に相性は良くなっています。銀行から経理への転職の相性の良さの理由としては、スキル、性格、印象の良さの3つの理由があります。
まずスキルについては、銀行は資格の取得に積極的な業界であるという特徴があります。同じ業界で働き続けていると気づきにくいですが、業務に関連して資格を勉強することが当たり前になっいている環境は多くありません。
銀行員が取得することが多いスキルとしては、会計知識に関する簿記、財務や税務に関わる銀行業務検定、金融用語に関する証券外務員などがありますが、いずれも経理の業務との関連性が高くなっています。
次に性格についてです。細かい部分は個人差もありますが、銀行員として採用される人材の性格の傾向としては、経理にも向いている場合が多くなっています。
大学を卒業後に銀行に就職する方は、真面目、保守的、努力家、安定志向、などのキーワードとの親和性が高い性格が多い傾向があります。これらの性格は堅実な業務遂行が重要になってくる経理の仕事との相性も良くなっています。
また、銀行業界は顧客などに対する丁寧な応対や態度が強く要求される環境ですが、その中で培われた物腰の低さ、丁寧な電話対応、外部者への応接の上手さなども高評価の対象になります。
一方、銀行は成果主義による出世競争が過酷という側面もありますが、そういった世界に疲弊している場合には堅実な経理の世界が向いている場合が少なくありません。
最後に印象の良さについては、採用担当から見て銀行の出身者は印象が良くなる傾向が強いこともポイントになります。銀行に採用された時点で能力の高さが期待できる、優秀で忠実な組織人、勉強に慣れている、規制の厳しさによって法令遵守の意識が高い、などが印象の良さの理由になります。
銀行から経理に転職する場合、未経験の場合の年齢制限が比較的厳しいことは把握しておくべきポイントです。銀行業界は基本的に未経験者の転職が難しい業界ですが、経理もその点については同様にシビアな傾向が強くなっています。
上記の観点から経理への転職の難易度を考えると、年齢が20代の場合は多くのチャンスがありますが、30代になると途端に難しくなるという状況です。
例えば、大学等を卒業後に新卒で銀行に入行し、5年間程度の経験を積んだ後に経理の世界に挑戦するというような場合には、ポテンシャルだけでなく、先ほど説明した資格取得や業務経験などから、社会人としてのある程度のスキルも期待できるため、転職に成功する可能性は高くなります。
また、20代の場合は、新卒で採用されてから経理を担当してきた同じ20代の人材もそこまで育っていないという事情もあります。新卒から経理の仕事をしてきた人材と比較しても大きな差がついていないほか、他業界から採用することによる刺激も期待の対象になります。
一方、年齢が30代以降で経理への転職を希望する場合は、20代の場合に比べて厳しくなることを覚悟する必要があります。経験者であれば難易度は下がるのですが、未経験者から経理への転職を希望する場合は難しくなってきます。
やはり経理の仕事はある程度の知識と経験がないと業務が十分にできないため、元々未経験に対して厳しい傾向があることに加えて、新卒から経理を経験してきた人とのスキルの差も気になってくることが主な理由です。また、年齢だけでなはく、他の業界で染みついた癖なども敬遠される理由になってきます。
30代以降で経理への転職を成功させたい場合は、20代のライバルと差をつけるための高いスキルが重要になってきます。具体的には、日商簿記1級や外資ならTOEICのハイスコアなどが必要です。
また、経験が少しでもあれば採用の難易度も変わってくるので、経理に関連する何らかの実務経験があれば必ずアピールしておきましょう。高スキルと経験が30代以降で転職を成功させるためのキーワードになります。
転職を成功させるためには、スキルや年齢以外にも市況という重要な要素があります。いくら人材のスペックが高くても、求人自体がなければ転職を成功させることは難しくなるからです。経理への転職を成功させるためのコツとして、転職エージェントを使う方法があります。一般的な転職サイトよりも転職エージェントを利用する方が企業にとっては採用コストが高くつくため、転職エージェントを介しての求人は好条件が多くなるという傾向もあります。
転職エージェントも様々ですが、求人数が豊富な総合エージェントと、専門性に特化したエージェントの2種類を同時進行で利用すると効率的です。