みなさんは経理事務に対してどのようなイメージを持っていますか?また自分の将来のキャリアをイメージしたり、どのようなスタイルで働こうか迷ってる人は多いのではないでしょうか。経理という仕事はどの会社でも基本的にはある職種ですし専門性もそれなりにあるので、スキルの獲得イメージは付きやすいのではないかと思います。そんな経理事務の仕事だからこそ、未経験でも大丈夫なのか気になるところですよね?では仕事内容から、具体的に未経験で経理事務になる方法を見ていきましょう。
経理事務と一口に言ってもその業務はさまざまです。事務系の業務は慣れてしまえば基本的にはすべてルーチン業務なのですが、ここでは日次や月次であるルーチン業務とそれ以外の定期的にある業務に分けて説明します。
会社が大きくなればなるほど毎日のようにお金は動いていきます。経理の日次の業務こそがそのお金の動きを管理することです。経費精算や給料の計算に始まり、売掛金や買掛金の管理などがそれに当たります。また、企業の会計は複式簿記となるため、「仕分け」を行いながらデータを経理ソフト・会計ソフトに入力していきます。月が締まると、基本的には月次の決算書にまとめる作業を行います。
定期的にある業務としては四半期や半期、年ごとに決算資料を作成します。特に上場企業では、その資料は株主等に公開されるため、会社の期末は繁忙期となるケースが存在します。上場企業でなくとも投資家や銀行への説明資料となったり、経営陣が会社の事業戦略を決める上でとても重用になってくる資料となります。また、決算資料に付随する業務として、その結果の分析や役員等への報告を行う場合などもあります。さらに、会社や役割によっては、次年度の予算策定を行ったりもします。
いかがだったでしょうか、このように経理は毎日何かしらの業務があり、重用な資料を作成したりとさまざまな仕事があることがわかりましたね。
では、そのような経理事務の仕事の一日の仕事はどのようなイメージなのでしょうか。
一般的な例を見てイメージを膨らませてみましょう!
9:00 出社 タスク・スケジュールの整理やメールの返信
10:00 領収書の整理、経費精算、普通預金の入出金確認
12:00 お昼休み
13:00 売掛金の入金確認、振込手続き
15:00 預金・現金残高の確認、帳簿残高と現金の実際の残高の調査・照合、経理ソフト・会計ソフトを利用した帳簿への記帳
17:00 書類の発送や整理、翌日の準備
18:00 退社
会社によって様々ですが、一般的な働き方としてはこんな感じです。
経理事務で未経験者の場合、上記のような幅広い仕事を覚えられるのか心配になりますよね。ですが、心配する必要はありません。やや専門性の高い業務であることに加え、お金の管理を行う以上、雑に仕事を行うことはできませんから、一般的な会社では引き継ぎは丁寧に行われる傾向が強く、OJTトレーニングに加え丁寧なフォローが行われるケースが多いのも未経験経理事務の特徴となるのです。
それに加え後述の資格やスキルアップを行っていくことになると思いますし、簿記への記帳方法や税法の扱いなどは会社によって異なるということもありませんので、インターネットで検索すれば大抵のことはわかります。
経理事務に必要なスキルはどのようなものがあるのでしょうか。未経験でも経験者でも共通して言えるスキルを見てみましょう。
経理事務はお金を扱い、経営がうまくいっているかの確認を行い、納税金額の算出を行なう部署ですから、正確性や丁寧さが求められるのは当たり前ですよね。逆に言えばここが強みであるのであれば、経理事務に向いているということです。必要最低限でありながら、強く求められるスキルとも言えます。
経理ソフト・会計ソフトの使用ももちろんですが、ワード・エクセル等の基本的な操作をはじめ、PCスキルは比較的求められる傾向にあります。特に極めて高いスキルが必要というわけではありませんが、未経験から経理業務を始める場合はある程度のPCスキルは必要となってくるでしょう。
仕事の内容でもお伝えしたとおり、経理事務は仕事の種類が多くなりがちです。また、期限内に完遂できないと社内のみならず株主などのステークホルダーや最悪の場合税の納付に支障が出ることも考えられます。そのため、基本的なことではありますが、計画力と実行力は必要なスキルとなるでしょう。
会社の大部分の部署と連携するだけでなく、役員などの上司や社外の関係者と仕事をする場合も考えられるため、最低限のビジネスコミュニケーション力は必要です。もちろん経理事務の中で役割が限定されるケースもあるので、任される仕事によってスキルレベルは変わってくるでしょう。
未経験から経理事務にチャレンジしようと考えているのであれば、経理事務の給料相場は気になるところですよね?働く会社の業界や業種によってレンジはさまざまで、持っている資格や管理職まで含めるか否かでだいぶ代わってはしまいますが、転職におけるモデルケースとしての収入は以下のとおりです。
27歳簿記2級レベルの資格・知識の場合
未経験:200万円~400万円程度
1~2年実務経験:350万円~550万円程度
3年以上実務経験:400万円~700万円程度
各年代別では有利不利はあまりないですが、一般的に考えて未経験でのチャレンジとなることは考慮しておいた方が良いでしょう。20代ではポテンシャル採用となるためあまり不利にはなりにくいですが、即戦力が求められる30代ではやはり経験者が有利となるでしょう。そのため事前に資格を獲得するなどの準備は必要に応じてしておくべきです。
40代からとなる場合は、準備に変えてマネジメント役割を発揮するということも考えられますが、実務経験がない場合はそれも厳しいのである程度は下積み期間を想定することも必要となるでしょう。
経理と言ったら簿記をイメージされるのではないでしょうか。もちろん日常業務で簿記の知識は前提条件となってきますので、未経験で経理事務になろうと思っている人は、簿記2級はインストールしている必要があります。
一方で簿記以外にも幅広く業務を行うため、資産、決算、税務、資金関係が広く学べる「FASS検定」の獲得もおすすめです。転職後はOJTで覚えることが多くなることが予想されるため、事前に勉強、資格取得までできるように調整しましょう。