士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

経理は転職回数が多いと不利?実際の成功事例や転職を成功させる秘訣を伝授します!

HUPRO 編集部
経理は転職回数が多いと不利?実際の成功事例や転職を成功させる秘訣を伝授します!

現在、転職をお考えの方や転職活動中の方の中には、「転職を何度も繰り返すと、転職活動で不利になる」という噂を聞いたことがある方もいるかもしれません。果たしてその噂は本当なのでしょうか?本記事では、転職回数の多さと採用の関係や、転職回数が多い方の履歴書や面接の対策法を解説します。

経理・会計職は何度も転職を繰り返すと不利?

結論から言うと、企業によっては転職回数の多さを気にして、転職経験の多い人材の採用を見送るところもあるようです。しかし、すべての企業が、転職回数が多い人を敬遠するというわけではありませんし、「転職の理由がポジティブなものであれば、転職回数はあまり気にしない」という企業も多くあります。

転職回数の多さを気にする企業もある

一般的に、転職活動の際には、職務経歴書を提出する場合がほとんどでしょう。そして、採用担当者の中には職務経歴書に記されたその人の経歴から、人となりを読み取ろうとする方も少なくありません。

そのような場合、やはり転職回数が多いと採用担当者に「採用したとしても、またすぐに転職するのではないか」という印象を与えてしまうことは否めません。
これは経理職だけでなく全ての職種について当てはまることだと思います。

企業にとって、採用活動にかかる時間と費用は決して小さくはない負担です。「どうせ採用するのなら、長く働いてくれる人を」と考えるのは当然と言えるでしょう。

すぐに離職してしまうと思われやすい

転職回数が多い人は、「自社で採用しても、嫌なことがあると離職してしまうのではないか」という第一印象を持たれがちです。
特に、経理という職種は会社の機密情報を扱うことも多いですから、すぐに退職されてしまうことは企業側としては避けたいと考えるのが自然です。

こうした印象を払拭するためには、採用担当者を納得させるような退職理由を伝えることが必要です。
退職理由については、前職のネガティブな面を強調するのではなく、「前職でのステージはすでに自分には合わなくなったので、次のレベルに進みたいと考えるようになった」という内容にするのがポイントになります。

例えば、中小企業から上場企業への転職活動の場合は、「中小企業での経理から一歩進んで、よりハードルの高い上場企業の経理に挑戦したかった」という回答が考えられます。

逆に、大手企業から中小企業へ転職した場合は、「会社全体を見渡せるポジションで、経理業務を担いたかったから」といった回答も考えられるでしょう。
このように、その転職をした際の退職理由と志望理由がつながっていることが非常に重要です。

他の社員との人間関係に不安を感じられる

採用側が気になってしまうことのもう一つは、自社の既存スタッフと協力して働いていける人なのかという点です。
経理という職種は、基本的には離職率が低い仕事といえます。
そのため、職場の人間関係はその企業独自のものとなっていることも少なくありません。

志望動機や面接での自己PRでは、社内外とのコミュニケーション能力の高さを思わせるアピールが必要です。
前職の退職理由を「人間関係」においてしまうと、「自社で採用しても同じ理由で退職してしまうのでは」という心配を抱かせてしまいますから、避けるようにしましょう。

退職理由が前向きならマイナス要素にならない場合も

ただし、退職・転職した理由が「特定のスキルを身に付けたい」「より大きな仕事に挑戦したい」「経験をより活かせる職場で働きたい」など、キャリアアップのためのものであれば、問題ない場合も多々あります。これまでの経歴について職務経歴書や面接で伝える際には、ぜひポジティブな理由で転職したことを付け加えましょう。

また、「会社が倒産した」「激務で体調を崩してしまった」などのやむを得ない事情で転職をした場合も、その旨を説明すれば悪印象を持たれることも少ないので、安心してください。

さらに、転職回数が多くても職歴に一貫性がある場合は、マイナスな印象を持たれにくくなります。例えば、業種を変えながらも「経理・会計一筋でやってきた」という人の場合は、さまざまな業種の経理・会計を経験していることがプラスの評価になることもあります。

転職回数の多さを気にする企業は?

同じ転職回数でも企業によってその多さの受け取り方は異なってきます。

日系大手企業の場合

日系の大手企業の場合、転職回数が多い場合マイナスな印象を与えてしまうことが多いです。その理由として歴史の長い大手企業などの場合はまだ終身雇用制度の名残りでその会社にずっと勤めて働くことをよしとするといった風土が少し残っている場合もある他、応募書も多いため転職回数で足切られる可能性も出てきてしまいます。

外資系企業の場合

一方、外資系企業の場合は転職回数が多くても理由がちゃんとしていればマイナス評価にはなりにくいです。その理由として外資系企業は企業風土として転職を自身のキャリアアップの一環と捉えていることが多いからです。

また外資系企業は実力主義のため、転職回数が多くてもしっかりとしたスキルを持っていて転職によるキャリアアップを望んでいる場合では高評価にも繋がりやすいです。

ベンチャー企業の場合

ベンチャー企業の場合も大企業に比べて転職回数には比較的寛容なことが多いです。成長中のベンチャー企業では人出が不足していることが多く、優秀なスキルを持った人材は歓迎されるでしょう。

転職回数の上限は?年齢や経験ごとに解説

「何回以上転職していると転職活動に不利になるのか?」「自分の場合はどうだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか?これは、年齢や経験、勤続年数などによって大きく異なります。ここでは、転職エージェント目線から見た、経理における転職回数の目安をお伝えします。

転職回数は「年齢の10の位-1回」が目安

転職回数の目安の考え方は、各転職エージェントや採用活動を行っている各企業によって異なりますし、後述するように転職の多さをいかにポジティブにアピールするかによって変わりますが、一般的には転職しやすい転職回数の上限目安は、「年齢の10の位-1回」と考えられています。例えば、20代であれば(2-1=)1回、30代であれば(3-1=)2回が目安の回数となります。もちろん、これはあくまでも目安ですし、高卒から働いている方と大学新卒から働き始めた方では、同じ年齢でも経験年数が変わるため、一概にこれが適用されるというわけではありません。ここからは年代別に、経験者か未経験者かに分けて転職しやすい転職条件をお伝えします。

20代

20代は未経験からの転職であれば、転職回数の目安は1~2回とされていますが、簿記2級の資格を持っているかで大きく左右されます。また、大学卒業の有無や前職が金融関係かどうか、なども転職に優位に働くことがあります。逆に、退職理由にもよりますが、1年以内の退職が2回以上ある場合は転職に不利になる可能性が高いため、もし1年以内の退職履歴がある方は、退職理由を整理しておくと良いでしょう。
経理もしくは税理士法人での勤務経験がある場合は、未経験と比較すると有利に転職活動を行うことができますが、経験者でも20代で4回以上の転職経験がある場合は、1社あたりの勤続年数が短くなるため、転職活動に不利に働きやすくなってしまいます。

30代

30代で未経験からの転職の場合は基本的に20代と同じ条件になります。ただし、未経験からのスタートとなる場合は、転職回数よりも年齢がネックになりやすいため、20代後半や30代前半で未経験から経理職への転職をご検討中の方は、お早めの動き出しを推奨しています。経験者の場合でも、30代からはマネジメントや決算締め業務など、経験内容をより重要視されるようになるため、「何をやってきたのか」を意識してみましょう。転職回数の目安としては20代と同じく4回以上の転職を経験している場合は、条件が厳しくなってしまいます。

40代以降

40代からは未経験での転職がかなり困難になります。30代以上に経験内容や経歴を重要視されるようになるため、転職回数よりは「年齢に対して何を経験してきたか」が非常に重要です。特にマネジメント経験の有無は大きく関係してきます。

転職回数の多さを不利にしない!経理転職の履歴書の書き方

ここまでお伝えしたように、転職回数が多い人に対してネガティブな印象を抱く採用担当者も少なくない中で、実際に転職回数が多い人はどのように挽回していけばいいのでしょうか。まずは書類選考を通過するための対策を解説します。

転職回数は必ず正直に伝えなければいけませんが、その中で転職回数の多さをプラスの印象に変え、相手を安心させることが書類選考通過のカギとなります。
自分の経歴を棚卸しして以下のようなポイントが伝えられるように考えてみましょう。

・その会社にいなかったような優れた技術やスキルを持っている
・これまでの転職理由やポリシーに一貫性がある
・希望する業務に具体的なイメージを持っている
・環境適応能力が高く、職場にすぐに馴染める
・本人の人間性には問題がない

転職回数をプラスに変える自己PR

転職回数が多くても選考を通過するためには、自分に確固たるキャリアビジョンがあり、それが今回の転職活動にもつながっていることをアピールすることが大切です。

同じ職種を転々としている人は職務上の強みを強調

同じ職種でいくつもの職場を経験している場合は、職務上のスキルの高さやプロフェッショナルであることを強調しましょう。

ポイント
(1)職務上のスキルの高さや、仕事をする上でのモットーを強調
(2)具体的にどんなことをやり遂げたかについて、数字を交えて説得力を出す
(3)職場にすぐに馴染みたいという意思も大切

キャリアがバラバラな人は今後に生かせる多角性をアピール

これまでにさまざまな職種を経験してきた人は、その経験から多角的な視点やスキルを持っているはず。それをアピールしつつ、一貫した転職ポリシーがあることを明らかにしましょう。

ポイント
(1)どんな軸で転職してきたかをワンフレーズで伝える
(2)志望している仕事と直接関係ある仕事に重点を置いて語る(直接関係のない仕事にはあまり触れない)
(3)これまでの経験が今回の志望職種にどんなふうに生かせるか具体的にアピール

《関連記事》

転職回数を逆手にとって印象アップ!経理面接徹底対策

無事に書類選考を通過することができれば、今度は面接です。転職回数が多い人は、面接で転職回数やそれまでの退職理由について聞かれることも多いです。聞かれたくないと思う人も多いでしょうが、実はその質問は大きなチャンスになります。これまでの経験やスキルを説明するとともに、将来どのように仕事をしていきたいかを話すことで「今度はすぐに辞めない」という姿勢をアピールしてください。

転職回数が多いことを強みにする

転職回数が多いということについていえば、「色んな企業を知っている」「色んな人たちと働いてきた人生経験がある」というように強みに変えていく事が可能です。

経理という職種は、基本的な部分ではどこの会社でも同じ仕事をしています。
そのため、他社での経理を経験していること(多くの企業の経理処理の方法を知っていること)は強みといえます。

例えば、前職で行った業務フローの効率化などは、新しい職場でも参考事例として共有することができるでしょう。
また、前職で税務調査を受けた経験などがあれば、その際の指摘事項や対策として講じたことがらなども、新しい職場でも有効な知見となります。

コミュニケーション能力をアピール

中途採用の場合は、多くのケースで1次面接または2次面接で、現場のスタッフとの面談があります。採用後の直属の上司が面接官になる場合も多いですね。

これは上でもみた「入社後に自社スタッフとうまくやっていけるか」を吟味するためのステップです。
この段階でのアピールとして、今までの職場でも人間関係を上手くやってきたということを、具体的なエピソードで伝えるのが有効です。

例えば、面接で、「今までの仕事で成し遂げたことは?」という質問が来たとしましょう。この場合は、今までの業務において、周囲と連携して成し遂げることが出来た業務を答えると良いでしょう。

具体的には、「繁忙期の決算期においても情報共有をこまめに行い、連携することで決算を無事に終えることが出来た」といったような内容です。

また、「経理部員で足りない知識については勉強会を開催し補い合った」というような事でも、連携や協力をとりつつも、仕事を行うことが出来ると面接官は感じます。
現場担当者との面接では、できる限り具体的なエピソードで話ができるように準備をしておくことが大切です。

転職回数の多さを聞かれたら転職活動の軸を答えよう

面接で転職回数が多い理由を聞かれたときは、これまでの転職での軸となる考えをポジティブな言葉で答えます。「あの会社はやりたい仕事をやらせてくれなかった」「給料が安くて不満だった」といったネガティブな答えは避けましょう。

退職理由を聞かれたら今後の働き方に焦点を当てて答えよう

転職の面接ではたいてい退職理由を聞かれますが、転職回数が多い場合はとくにこれまでの退職理由を入念に聞かれる場合があります。たとえ人間関係の問題や待遇を改善したいなどの理由であっても、これからの働き方に焦点を当て、前向きな理由を説明するようにしましょう。

やむを得ず転職した場合は退職理由もはっきりと伝えよう

会社が倒産した、体調を崩した、家庭の事情でなど、さまざまな事情で転職せざるを得なくなった結果、転職回数が増えてしまったという人もいます。そういった場合はその理由をはっきりと伝えつつ、消極的な姿勢にならないよう、今後の展望を話してみてください。

《関連記事》

【転職成功事例】30歳を迎える前に動き出し、経理未経験からの逆転!

ここまで、転職回数の多さを弱みにしないための対策をお伝えしてきましたが、本当にそれで上手くいくのか不安だと思われる方も当然いらっしゃるでしょう。そこで、過去にヒュープロで転職のご支援をさせていただいた方で、同じ悩みを抱えながらも転職に成功された方の事例をご紹介します。

Sさん(仮名)は20代ですでに転職を2回経験しており、翌年30歳を迎えるタイミングでの転職でした。元々は会計とは全く無縁のお仕事をされていましたが、簿記の勉強を始めたことで会計に興味を持ち、会計知識を活かせる環境でさらに経験を磨いていきたいという思いからヒュープロにご相談いただき、未経験ながらも経理職への転職に乗り出しました。30代直前で、未経験かつ転職回数2回という状況から、当初は不安を抱えていらっしゃいましたが、簿記2級の資格や、過去の経歴からアピールできるポイントを一緒に整理して面接対策を行ったことで、見事希望の条件に合った転職を成功させることができました。

このように、転職活動に不安を抱える方にとって、転職エージェントの活用は転職活動を有利に運ぶことができる、おすすめの選択肢の一つです。特に、転職回数が多くご自身の転職が上手くいくか不安な方や、ご自身の条件に合った求人、ご自身の状況に合った転職対策を知りたい方などには特におすすめです!
ご希望の条件に合った求人の紹介や面接の日程調整だけでなく、アピールポイントの整理や志望動機の明確化などの面接対策までサポートしてもらえるので、働きながら限られた時間で転職活動を行う方や、転職活動に不安を抱えていらっしゃる方には特におすすめです!

ヒュープロでは面接対策や書類添削の手厚さ、士業・管理部門特化だからこその企業情報や市場感の知識が量・質ともに高い満足度を頂いています。経理で転職をお考えであれば是非一度ヒュープロにご相談ください。

まとめ

経理に限った話ではありませんが、転職活動において転職回数が多いことは欠点にもなり得ます。しかし、それと同時に独自の強みとすることも可能です。「何回転職したか」だけではなく、「何を経験してきたか」や「なぜ転職をするのか」を明確にし、過去の実績や経験を上手くアピールすることが、転職を成功させる秘訣となります。経理での転職をお考えの方は、今回お伝えした内容を是非参考にしてみてください!

▶︎ 経理の転職・求人情報を探す|最速転職HUPRO

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:転職・業界動向

おすすめの記事