転職活動がうまくいかなかったり、家族の事情で働いていなかった期間があるなど、個人のさまざまな理由から職務経歴に空白期間(ブランク)があるいる方もいます。とくに、難関の試験をクリアした税理士で、売り手市場にある状態でブランクがあると引け目に感じてしまう・・・と考えている人もいるかもしれませんが、ブランク期間はむしろアピールにも変えられる期間です。詳しく解説していきます。
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まず、転職の大前提として、ブランクのあるなしに限らず、なぜその企業を受けるのか、その業界を選ぶ理由は何かなど、基本的なことは押さえておかなければなりません。面接で聞かれる可能性のあることは事前にある程度答えを用意し、戸惑うことなく説明できるようにしてください。
入社後に自分が活躍できそうなのか、企業にどんなメリットをもたらすことができるのかをアピールするのは、ブランクがあるなしに関わらず、大前提です。
さらに、離職中は社会における情報や、会社、業界の傾向などの情報を得にくい状況にあるかもしれません。それでもこれらの情報は、離職中でブランク期間であっても積極的に入手し、転職活動の際に聞かれたら答えられるような準備が必要です。仕事を離れていても、最低でも自分が携わるであろう業界はこまめにネットや雑誌・新聞等でチェックするよう習慣化しておくことが大事でしょう。
ブランクにもさまざまな理由があります。資格取得のための勉強のブランクであれば、資格を取得するためにスクールに通っていたことを伝えれば、ほとんどの面接担当者は前向きに捉えてくれるものです。何を勉強していたのか、アルバイトなどと両立していたのならば、その点もアピールしましょう。
怪我や病気など、転職活動をする本人のほか、家族の介護が必要になった場合などは、それらの理由で仕事をしていない期間に少しでも勉強をしたり、新しい情報を得たりしていたことがあれば、そこをアピールポイントとします。また、入社後も治療や定期的な通院が必要な場合、面接などで質問されたときには素直に答えるのが懸命です。
親の介護など、自分の体調とは全く関係なしにブランクを設けていた人は、それらの経験をあまり否定的に話さないことと、仕事に打ち込みたいという姿勢を見せることが大切です。
キャリアチェンジのためにブランクを設けていた人は、キャリアチェンジの準備にまとまった時間を費やしたという説明であれば、面接担当者も納得してくれるでしょう。合わせて資格取得など明確な成果があればしっかりと伝えるようにしてください。
ほかに、産休や子育てでブランクがある場合には、子どもとの生活を最優先に考えていたことをアピールしましょう。なお、子育てのみに専念していると、家にこもりがちだと判断する人も少なくありません。子育て中も社会との繋がりを持って積極的に行動している方も多いと思いますので、その際は自分の口から説明して、強みに変えましょう。
面接の場で「前職を辞めてからずいぶん時間が経っていますね。何か理由があるのですか?」と質問されたときのことを想定しなければなりません。
うかつな回答をしてしまい、ブランクを「単なる空白期間」ととらえられるのが最も怖いパターンです。それを防ぐためには、ブランク期間に意味を見いだし、「自分にとっては必要な期間だった」ということを採用担当者にアピールし、理解してもらう必要があります。そのためには、必ず面接の前などに自分のブランク期間について話せるように準備をしておきましょう。生活費を稼いだり、家族の問題を抱えていたりと、やむを得ないことでもそこから学びを得たと話すことは重要です。
また、前述したように、ブランク期間だからこそ、まとまって学ぶ時間を確保できたり、自己成長できることも多々あります。しっかりと準備をして自分の強みや、その期間に培われたスキルや経験を伝えられるようにしましょう。
職務経歴のブランクが5年ともなると、その経歴だけ見ればプラスにおそらく育児や介護、病気など、個人の意思だけでは対処しきれない事情があったのだと推察することができます。
しかし一方で、ビジネスパーソンに必要な情報のキャッチアップができていないのではないか、テクノロジーにも疎くなりITリテラシーも低下しているのではないか、PC作業のスピードも落ちているのではないかなど、ブランクによって元々あったスキルが低下している懸念を持たれることがあり、戦力になるまでに時間がかかってしまいそうだと捉えられてしまう可能性はあります。
それでも、生活面の不安や圧迫などを考えてブランクが5年であっても転職を成功させなければならない場面はあります。まずは、キャリアがゼロリセットされるわけではないということを頭にいれて、必要以上に自信をなくす必要がありません。
ブランクに入る前に積んだキャリアをベースに、再就職先を探すようにすれば、それまでの経験や、スキルを用いて、活かせる人材であることをアピールできます。あえてブランクを機に未経験分野にチャレンジするのは、企業側もプラスの評価をしづらいため、あまりお勧めすることはできません。ブランク前の経験を活かせる機会は思いの外多いので、いきなり諦めるのではなく、会社情報や求人をしっかりと調べ、自分の過去の経験が活かせるところがないか、まずはしっかりと調べることが大切になってきます。