従業員一人ひとりがどれくらい売上に貢献しているかをみるための指標として、一人あたりの売上高があります。一人当たり売上高は、売上高を会社に勤める従業員数で割るだけで簡単に求めることができる指標です。この記事では、そんな一人当たりの売上高について詳しく解説していきます。
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一人当たりの売上高は、労働生産性を分析するために求める指標です。一人当たりの売上高は、企業の生産性を分析するのに利用されます。同業他社で従業員一人当たり売上高を比較して、一人当たりの売上高が高い会社の方が、労働生産性は高いと判断することができます。
一人当たりの売上高の時系列の推移を見たり、同業種の企業と比べることで、従業員を有効に活用できているかを判断できるようになります。特に、一人当たりの売上高は業種の影響が大きいことから、別の業種をこの指標で比べることは適切ではありません。むしろ、同じ業種に所属する企業同士、同様の規模を持った会社同士を比較するときに役立つ指標です。
付加価値を生み出す最も重要な源泉は人間の労働です。したがって、付加価値の金額はまず、従業員の人数と関係づけられ、従業員一人あたりの付加価値額が計算されることになります。
その計算結果は、労働生産性と呼ばれ、人的資源の観点からみた生産性の尺度として用いられています。労働生産性が高いということは、「ヒト」という資源を投入することで生みだされた価値が多いということであり、端的に言えば、儲けていると考えることができます。売上高は1年間の資金の流れを見るフロー項目で、従業員数はある一時点の量を見るストック項目です。
2007年に経済産業省が行った調査によれば、製造企業における従業者1人当たり売上高は、全国平均で3124万円となっており、これを規模別にみてみると、中小企業では1785万円、大企業では5113万円となっていました。その後、リーマンショックを経て、景気は回復していないことを考えると、従業員一人当たりの売上高はこの数値以下と考えることができます。
売上高との関係をみるために、付加価値額と従業員数の間に売上高を介在させることによって一人当たり売上高を計算することができるようになります。売上高を平均従業員数で割ることによって一人当たりの売上高を計算できるようになります。
重要なポイントとして、一人当たりの売上高を計算する際には、対象とする期間の平均従業員数を使うということです。会社のなかで働く人の数は日々変化するのが普通です。売上高についても1年間の合計金額を使って計算するのであるから、その分母となる従業員数も1年間の従業員数を平均したものを使います。
付加価値をこのように分解することによって、労働生産性をあげるためには、一人当たり売上高または付加価値率を高めなければならないことがわかります。そのため、もし、一人当たりの売上高が低いということであれば、販売の数量を増やしたり、単価を引き上げたり、商品の仕入単価を削減したりといった対策が必要となります。
1人当たりの売上高が高い業種・業界としては、電気業や水運業、卸売業などを挙げることができます。特に、石油石炭製品業界は、一人当たりの売上高がずば抜けて高い数値となっていますが、数値が高いからと言って、石油石炭産業製品に勤める従業員がずば抜けて優秀というわけではありません。これらは、いずれも大規模な設備を抱えている業種であることから、設備投資によって大きな売上をあげている産業であると考えた方が妥当です。
一人当たりの売上高を調べるためには、少なくとも売上高のデータと従業員数のデータが必要となります。上場企業については、このどちらのデータも有価証券報告書で開示されているので、比較的簡単に一人当たりの売上高を計算することが可能です。売上高については、有価証券報告書のなかの経理の部における損益計算書の部分に示されています。
一方、従業員数は、有価証券報告書のなかの、第一部・企業情報、第1企業の概況、5.従業員の状況と調べることで確認することができます。ここで、有価証券報告書に書かれている従業員数は決算時点のものであるので、本年度の従業員数と昨年度の従業員数を平均することによって、年間を通して平均的にどれくらいの従業員がどれだけの売上高を上げることができたかを計算することができるようになります。もちろん、この数字だと、各月の変動を加味した厳密な平均人数を求めることはできませんが、1年間のおおよその平均人数を求めることができます。
一人当たりの売上高を求めることによって、従業員一人ひとりが売上にどれだけ貢献しているかを判断することができるようになります。ただし、一人当たりの売上高は業種による影響が大きいので、業種を跨いでの比較には向いていません。したがって、一人当たりの売上高で効率性を判断する場合には、同じ業種の同じような規模の会社を比較するのが定石です。
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