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公認会計士のやりがいとは?働く魅力やつらさについてもご紹介!

ヒュープロ編集部 川辺
公認会計士のやりがいとは?働く魅力やつらさについてもご紹介!

公認会計士は数千時間の勉強が必要とされる、難関国家資格です。取得までの苦労を考えると、やりがいのある仕事かどうかは重要なポイントと言えるでしょう。
本記事ではそんな公認会計士がどのような仕事をしていて、その仕事にどのようなやりがいがあるのか、また逆につらさはあるのかについて紹介していきます。

公認会計士の業務内容とは

まずは公認会計士の業務内容を紹介していきます。
公認会計士の業務で代表的なものに監査業務があります。この監査業務については公認会計士の独占業務です。つまり公認会計士以外にはできない業務です。具体的には、決算で作成された財務諸表が本当に正しいものなのかどうかをチェックするという業務です。もちろんチェックするだけではなく「適正です」という証明を行います。つまり財務諸表の信頼性に関しての責任を負うことになるのです。

その他にも、近年需要の高い業務としてコンサルタント業務があります。
クライアントの法人は、監査を完了した財務諸表に基づいて、今後どのように会社を運営していく必要があるのかという経営戦略を設計します。その戦略設計に対して、公認会計士の目線からのアドバイスが求められることがあります。このアドバイスを的確に行うのが、公認会計士のコンサルタント業務なのです。

公認会計士ならではのやりがいとは

公認会計士として働くことで感じられるやりがいは、もちろんあります。ここでは代表的なポイントをいくつかご紹介します。

社会貢献性が高い

繰り返しにはなりますが、公認会計士として行う監査業務は、企業の財務諸表の信頼性を証明する業務です。財務諸表はその企業の公式の情報として社会に公開され、取引を検討している企業や、投資をしている株主意思決定の参考にする資料となります。つまり、これらの意思決定に関わる資料の信憑性を担保する監査業務は、社会的に重要な役割を果たしていることになります。この社会貢献性の高さをやりがいに、業務にあたる公認会計士は多いようです。

企業の経営陣と関わることができる

監査法人などにおける公認会計士は、クライアント企業の監査や経営に関するアドバイスを行う際に、その企業の経営陣とのコミュニケーションがほぼ必ず発生します。
企業のトップから信頼されたり、アドバイスのおかげで業績改善できたりすると、自身の貢献性の高さやクライアントからの感謝を伝えられるという部分において、やりがいを感じることが出来るでしょう。

若いうちから長い期間活躍できる

公認会計士は、その資格取得の難しさから非常に希少価値が高いため、20代など若いうちから大きな仕事を任されることが多いです。特に9割ほどの公認会計士が勤務していると言われる監査法人では、大企業がクライアントの多くを占めるため、早い段階から大企業の監査を担当することも十分あり得ます。

また、公認会計士は剝奪などされない限りは生涯有効な資格なので、その知識や専門領域を活かして長い期間仕事ができます。所属企業に定年があったとしても、定年退職後フリーランスなどで十分仕事ができるでしょう。
このように、年齢に関わらず必要とされているという実感を持ちながら働けるのは、やりがいを感じられるポイントの1つと言えます。

キャリアの選択肢が多い

公認会計士のニーズの高さは、キャリアの選択肢の広さにも繋がっています。先ほど公認会計士の約9割が監査法人に勤めているとお伝えしましたが、他の職場で働く人が徐々に増えつつあるというのが、近年の状況です。一例ですが、以下のような職場でキャリアを描くことができます。

■監査法人
■一般企業の管理部門
■税理士事務所・税理士法人
■M&AアドバイザリーやM&A仲介会社
■独立開業

それぞれの職場について、後ほど詳しく紹介します。幅広いキャリアを経験してスキルアップしていきたいという方にはやりがいが感じられるでしょう。

高年収を実現できる

実際、どれくらい稼げる仕事なのかがやりがいを左右するという方も多いのではないでしょうか?

厚生労働省のHPによると公認会計士の平均年収は約746万円で、日本の平均年収である461万円に比べると、約300万円ほど高くなっています
また、これはあくまで平均年収であり、高年収の基準ともいえる1,000万円を稼いでいる方も多いです。もちろん働く職場や経験年数、スキルによって上下しますが、資格に見合ったそれなりの年収がもらえ、高年収も狙いやすいという部分で、やりがいに感じられるでしょう。

公認会計士ならではのつらさ

公認会計士がやりがいのある仕事であることはお分かりいただけたと思うのですが、決して楽な仕事ではありません。ここでは、公認会計士の仕事において、つらいと感じやすい部分について紹介します。

労働時間が長く激務になる時期がある

公認会計士は複数のクライアントを受け持つのが一般的です。
公認会計士の仕事のピークは多くの企業が決算を行う3月です。監査法人の公認会計士は、この時期は終電帰りや泊まり込みといった状況になることも珍しくはありません。

一般事業会社においても、決算月は数字の取りまとめで忙しい時期は、残業も長時間に及びます。体力的なこともそうですが、数字のチェックはミスが許されません。正しい数字を把握するために、業務の手戻りがあったり、面倒なことでもやり直ししたりしなくてはならないこともあります。

ただし、昨今は「働き方改革」によって残業時間を削減する傾向にありますから、短い時間の中でより高い品質の監査を行うことで、過度な残業は減らそうとする流れが一般的となっています。

地道な仕事を集中して行わなければならない

多くの企業の決算は上述のように3月に集中していますが、法人の決算月はそれぞれ違います。繁忙期と閑散期があるとはいえ、監査が途切れることはありません。
監査は基本的には膨大な量のデータや伝票や請求書といった書類を地道にチェックする必要があります。長い時間集中して仕事をこなす忍耐力が必要な仕事なのです。
大量の案件を効率よく正確にチェックしていかなくてはなりません。場合によっては地方や海外にも長期出張が発生することもあります。

公平さを保つため、クライアントに厳しい指導をすることもある

監査という仕事は、クライアント企業についてあくまでに第三者の立場からその経営状態や財務状況をチェックする必要があります。つまり、相手にとっては耳の痛いことをあえて進言する必要もあるということです。
なじみのクライアント企業の場合は、決算書に誤りがあった場合に指摘しづらいことがあったとしても、厳しく対応しなくてはなりません。
「このくらいは大した間違いじゃない」
「この点を指摘すると作業の手戻りが大変な工数になってしまう」
といった気の利かせ方はご法度です。後になって不適切会計として発覚した場合は、企業の信頼も失墜し、公認会計士としての責任問題にもなります。
企業の人と仲良くなるのは良いですが、なれ合いは許されません。強い信念をもって誤りは誤りだと指摘する勇気が必要です。

ミスがないことを証明する責任の重さ

通常、監査というのは「100%これでOK!」ということはありえません。人間がすることなので、誤った表示がないかどうかというのは確実な立証ができないからです。

しかし不正会計や粉飾決算があった場合は、真っ先に監査法人のチェック体制が問われます。つまり監査というのは「出来て当たり前」と思われており、不適切会計を水際で防いだとしても表に出ることはありません。
また、担当する企業によっては会計監査だけでなく、これからの資金調達方法や、IPO、M&Aといった企業のこれからを決定するような大きな案件に携わることになります。

企業の望む成果を上げることができれば、その達成感は計り知れませんが、それはつまりプレッシャーも大きいということです。仕事の成果を求めれば求むほど、相応の緊張感がついて回るということになります。

周りもみんな公認会計士だから大変

公認会計士の試験は日本の三大難関試験といわれるほど難しい試験です。つまり、突破した人はエリートと呼ばれてしかるべき立場にあるといえます。
しかし、監査法人はその試験をクリアした公認会計士ばかりです。周り中が優秀という環境は、ある意味働きやすくもありますが、その中において「自分の能力は普通」ということなので、その中で抜きんでて出世するというのは至難の業です。

業務の多忙さも相まって、待遇が落ちたとしても自分をエリート、プロフェッショナルとして重宝してくれる一般企業に転職して働く人も少なくありません。

公認会計士のキャリアパス

先述した通り、公認会計士のキャリアパスは多様なジャンルの職場からのニーズがあります。それぞれの転職先について、詳しく紹介します。

監査法人

公認会計士の約9割ほどが監査法人に就職するといわれ、最も代表的な就職先と言えます。監査業務を中心に、資格取得の際に培った知識を最大限に活かしやすい職場です。中小規模の監査法人とBIG4を筆頭とした大手の監査法人に分けられることが多いですが、中小から大手へ転職するケースもよく見られます

一般事業会社の管理部門

公認会計士は一般企業で企業内会計士として働く選択肢もあります。
企業の財務諸表作成や税務申告が主な仕事で、税制や会計基準が複雑化するのに対応し、企業の財務健全性を維持するためのアドバイスを提供します。
働き方を重視したい人や幅広い事業内容から興味あるジャンルを選びたい人に人気の転職先です。

税理士事務所・税理士法人

公認会計士は税理士試験の全科目が免除されるため、税理士としての登録も可能です。会計事務所に就職した公認会計士は、クライアントからの税務相談に対するコンサルティング業務を行いながら、会計監査の面で問題が無いかのチェックも行えるため、唯一無二の活躍をすることができるのです。

独立開業

企業や事務所に所属せず、公認会計士として独立するのも選択肢の一つです。公認会計士事務所として開業し、監査業務を請け負ったり、税理士としての登録して税務コンサルを行うのがよくある独立のケースです。公認会計士の独立について、詳しくは以下の関連記事にてご紹介しております。
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M&AアドバイザリーやM&A仲介会社

M&AアドバイザリーやM&A仲介会社は、M&Aの売り手企業や買い手企業に対してM&A業務のサポートを行います。M&A業界は公認会計士や資格取得を目指す方にあまり馴染みがないかもしれませんが、会計や監査の専門的な知識をする業務も多く、ニーズの高い業界なのです。詳しくは下記の関連記事をご覧ください。
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まとめ

今回は公認会計士の仕事のやりがいやつらさについて解説しました。公認会計士はやりがいもつらさもある仕事ですが、どんな働き方が自分に合っているかによっては、別の職場に転職することも視野に入れておくべきでしょう。
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この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
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