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社会人が入れる会計大学院とは?メリットや注意点について

HUPRO 編集部
社会人が入れる会計大学院とは?メリットや注意点について

多くの社会人が入学している会計大学院の存在が気になる人がいるかもしれません。会計について体系的に学べる大学院であり、会計士の試験科目の一部が免除されるのが特徴です。そんな会計大学院について、メリットや注意点を解説しましょう。これから社会人として会計大学院への入学を検討している人はぜひとも参考にしてください。

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会計大学院とは?

会計分野を専門的に学べる大学院

会計大学院とは、会計分野を専門的に学ぶことができる大学院です。日本各地の大学に会計大学院が設置されていて、さまざまな学生を募集しています。社会人が入学するケースが多いのが特徴です。

体系的な会計分野の教育を行う

会計大学院では、体系的に会計分野について学べるように教育が行われています。これまでは、会計士の受験者は受験専門学校で学ぶことが多く、これでは試験対策のための学習しかしてこなかった会計士ばかりになると危惧されました。そこで、公認会計士として備えるべき能力や資質を養成するための取り組みとして会計大学院が設置されたのです。

したがって、会計大学院は会計のプロを養成するための大学院といえます。ただし、会計士を目指す人だけの大学院ではなく、社会人がリカレント教育を受けるための場としても機能しているのが特徴です。たとえば、企業で経理や会計の仕事をしている人が、入学するケースもあります。幅広いバックグラウンドを持った社会人経験がある人を受け入れているのが特徴です。

会計大学院で学ぶメリット

メリット1:公認会計士試験の一部科目が免除される

公認会計士の試験は平成18年度から新しい内容となりました。その試験科目の一部は、会計大学院に通うことで免除されます。具体的には短答式試験において「財務会計論」「管理会計論」「監査論」の3科目が免除されるのです。これによって、公認会計士の資格を目指している人の負担を軽減することができるのがメリットです。

メリット2:さまざまな企業からやってくる社会人経験のある会計大学院生と触れ合う機会がある

会計大学院では、多くの社会人を受け入れています。さまざまな企業からやってくる社会人がいて、その人達と交流を深めることができるのは大きなメリットです。実際に現場で経理や会計の分野で仕事をしている人達ばかりであり、興味深い話を知ることができるでしょう。

なかには、大学教授が知らないような貴重な知識や経験を持っている人もいるのです。今後のビジネスで役立てるネットワークを形成することもできるでしょう。会計大学院で社会人同士として人脈を広げることができ、それは今後の人生においても価値のあるものとなります。

なかには、官公庁から出向して会計大学院に入学する人もいます。あるいは、弁護士などが会計の勉強をするために入学するというケースもあるのです。起業家が会計の専門分野を身につけるために入学したというパターンもあります。さまざまなパイプづくりに会計大学院は役立つでしょう。

メリット3:就職・転職で有利になる

会計大学院では、体系的に会計について学ぶことができ、そこで培った知識は現場で役立てることができるものです。実務家を養成するという側面が会計大学院にはあります。会計に対して掘り下げて学ぶことができるため、現場に出ても戸惑うことはなくスムーズに仕事に取り組めるでしょう。

専門的な教育を受けたことをアピールすれば、会計の現場において即戦力として活躍できることを期待されます。大学院で会計や監査といった分野について深く学んだことで、ほかの会計士や経理担当者にはない大きなアドバンテージを得ることができるのです。会計士を目指す人はもちろんのこと、そうでない人にとっても、会計大学院で受けられる教育は価値のあるものです。転職で有利になり、大企業の経理部に採用される可能性もあります。

また、就職においても会計大学院は有利になります。大学院を卒業した新卒という立場で就職活動を始めることができるからです。たとえば、大学院に通っていて、途中で会計士を挫折する人もいます。それでも、会計大学院を出れば、就職では有利となり、学んだことを生かせる場を見つけることは可能です。

会計大学院の注意点

公認会計士合格のために絶対に必要なわけではない

会計大学院は、あくまでも会計に関する専門知識を体系的に学ぶことを目的としています。そのため、普通の資格専門学校のように会計士合格のための教育を重視しているわけではありません。公認会計士試験合格のためには、必ずしも会計大学院へ入る必要はないのです。一部の試験科目が免除されるとしても、短答式の3科目のみが免除されるだけでは、メリットがあまりないと感じる人もいるかもしれません。

また、会計大学院では、会計士の試験にはあまり直接関係のない内容の授業もたくさん行っています。受験勉強のみを効率よく進めたい人にとっては、煩わしいと感じる人もいるでしょう。

高額な学費がかかる

会計大学院へ入学するためには、入学金や授業料といった学費がかかります。それぞれの学校によって学費は異なっています。基本的には初年度で100万円以上のお金を支払う必要があると考えましょう。2年で修了することができるのですが、それでも200万円以上の学費が必要なケースが多いです。

会計大学院に入学する多くの人は社会人として働きながらだと思いますので、学費の負担のことをよく考えて、会計大学院への入学を検討しましょう。たとえば、会計大学院の学費をカバーするために奨学金を利用するという方法があります。大学によっては、授業料の免除の制度が用意されていることもあります。奨学制度や経済的支援の制度について調べておきましょう。

会計大学院の紹介

ここでは、難易度の高い公認会計士試験に強い会計大学院についてご紹介します。

早稲田大学大学院会計研究科

早稲田大学は、日本の代表的な名門私立大学として有名です。
会計大学院が早稲田大学にもあります。早稲田大学大学院会計研究科は、高い人気があります。
公認会計士試験合格者を、毎年50人近く輩出しています。いろいろな入試方法があり、一般入試にプラスして、「英語力重視入試」という英語が得意な人のためのもの、「IT・数理能力重視入試」というITに強い人のためのものなどいろいろなものがあります。

明治大学大学院会計専門職研究科

明治大学の経済系学部としては、商学部、経営学部、政治経済学部があります。
そのため、商学、経済のジャンルの教育は評判です。明治大学大学院会計専門職研究科からも、多くの公認会計士試験合格者を輩出しています。
カリキュラムは、基本的な監査論、財務会計論などの会計科目にプラスして、金融工学や租税法など、周りのジャンルの知識もマスターできる幅広さがメリットです。基本は一般入試ですが、学費を安くしたいときは特別奨学生入試もあるため目指してみましょう。

関西学院大学大学院経営戦略研究科

職業会計人として高い知識を持っている人を育てるために設置されたものです。
関西学院大学は、もともと公認会計士試験合格者を商学部からも多く輩出しており、このジャンルにおいてある程度の実績を収めています。

<関連記事>

ここでは私立の会計大学院を紹介しましたが、会計大学院は私立と国立で大きく学費が異なってきます。私立と国立の比較についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

会計大学院への入学要件

会計大学院によって入学要件が異なりますが、経理未経験でも大学院入試を突破すれば入学することができます。それぞれの大学院によって入試難易度は異なっているので、自分の学力レベルを考えて受験校を決定しましょう。

具体的な入試の内容の例として、「早稲田大学 会計大学院研究科」で考えてみると、英語、会計、ITの3種類の試験があり、得意分野をいかした入試を受けられるようになっています。

もちろん経理の実務経験がある場合は、優遇されて異なる入試を受けることが多いようです。実務経験が効果的な学習につながると考えられているからでしょう。

まとめ

以上、社会人の入学が多い会計大学院について紹介しました。上記で説明したようにメリットはたくさんあり、試験一部免除とともに、長い社会人生活の中でも学んだことを活かせる機会は多いです。しかし、学費が高く、また公認会計士試験合格だけを最優先に考える場合は大学院ではなく、予備校のほうが良い場合もあります。自分のキャリアをよく考え、しっかりと自分に合った選択をするようにしてください。

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この記事を書いたライター

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