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会計事務所が時短勤務のあなたを待っている4つの理由

HUPRO 編集部
会計事務所が時短勤務のあなたを待っている4つの理由

会計事務所では、時短勤務でも応募に問題がないとしている仕事のポストが多くあります。そして時短だけでなく、働き方の自由度が極めて高いことを皆さんはご存じでしょうか。BIG4ファーム、あるいはこれに匹敵する規模のファームでしたら、特にそうです。またなぜそうなのか、理由をご存じでしょうか。

かつて会計・税務業界は、激務で業界全体がブラックに近い、などと抽象されるような業界でしたが、今では働きやすい業界に変わってきています。そして、会計事務所の仕事の内容も変わってきています。

以下では、会計事務所ではなぜ時短勤務でも十分活躍できるのかご説明します。会計・税務をお仕事とする人が長期的なキャリアを考える上で、時短勤務やその他の働き方を考えることは有意義ですので、女性の方だけでなく男性の方も是非参考になさってください。

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ズバリ、深刻な人手不足

皆さんもご存じのことかと思いますが、公認会計士の受験者数・合格者数が減っています。そして定年退職や独立で、ファーム内の有資格者は減少が続いています。

そんな中、資格のない方の採用だけでなく、時短を含め、働き方の選択肢も広がっているのです。ファーム内にいると多くの人が「時短でも、週何日でも構わない。スキルがあるなら○○プロジェクトを手伝って」と思っているでしょう。

実際、有資格者のOBOGには、業務委託契約でフルタイムにこだわらず仕事を手伝ってもらっているファームがほとんどかと思います。週二回の業務委託でも大助かりの状況で、時短勤務が気にならない、というのは当然のことといえるでしょう。

労働法のコンプライアンスは重要 時短職員は法令順守が確実

現在はどんなに忙しくても労務系の法令順守が業界の課題の一つです。また体調を崩してまで働くことがあってはいけないことは、多くのファームが過去の経験から身に染みてわかっています。

そこで、現在では一人あたりの労働時間を減らすことを目標としているファームがほとんどです。職員の多数が家庭の事情如何にかかわらず、「現状でフル稼働できるかどうかを自己申告してアサインしてもらう。フル稼働できなくてもやれることがあればやる」という時短とあまり変わらないワークスタイルに変わってきています。

この点、時短の方はアサインの際に時間が限定されていますので、ワークスタイルではフルタイム職員と差がなくなっているのに、労働法の遵守からすると最もリスクが少ない立場といえ、マネジメント層にとってむしろありがたい存在になっています。

それに、平成29年度から時短は育児・介護休業法のもと、一定の条件のもとでは申し出があれば雇用主が時短を認める義務があります。そんな中、「時短だから」と問題視するようなことは適切ではありません。

会計事務所の文化はそもそも個人主義・実力主義 結果が出ればよい

全体的に人手不足が深刻なファームでも、日単位で見ると”毎日激務”とまでは言えません。
クライアントの都合で動く業界ですので、そこは波があります。中には自分の仕事が済めば帰宅することを許容するファームもあります。

そのようなことから時短勤務で稼働時間がコンスタントに多くなくても、「そんなものかも」で済んでしまう文化的な土壌があるといえるでしょう。要は肝心な時に、正しい判断ができるスキルのある人材であれば周囲がそこまで気にしない「個人主義文化」なのです。

働き方の社内制度も、会計事務所では一般事業会社よりも選択肢が多いと思います。テレワーク・リモート・時短・週〇回勤務の正職員制度・フレックス・時差勤務などがあり、仕事の質の追及は厳しい面が多々ありますが、働き方については極めて柔軟であると思います。

働く女性に関して「マミートラック」という表現があります。家庭の事情で働き方を変えると、そのまま違うトラック上でしか競争ができず、将来のキャリアが期待できないという意味です。かつての世の中ではそれが問題視されてきました。今もなお、産業界の一部にこの問題が残っていると思います。

しかし、会計事務所では、文化的背景や有資格者として一生仕事をする女性が多くいることから、マミートラックが大きな問題になりにくいといえます。

一時はセーブした働き方を志向してもその後またフルタイムに復帰するのは歓迎され、戻りにくいことは滅多にありません。また男性の介護当事者も、有給や時短制度を使います。バリバリ働く人にも、時短やテレワークを駆使して働く人にも居場所があるのが会計・税務業界です。

デジタルトランスフォーメーションが進み、勤務時間は短縮傾向になっている

AIは会計士・税理士の仕事を奪うと盛んに議論されたことがあります。しかし、実際は人手不足を背景に各ファームで自動化が進み、高度な問題解決やクリエイティブな仕事に時間を使うことが重要視されています。AIなどのツールが単純作業をしてくれる分、仕事の質は上げていくことが共通課題です。

RPAの導入・ワークフローの改良などで、自動化を促進され、効率化された業務の中では、長時間作業をすることが良いこと・必要なこととされません。

例えば、他のメンバーより効率よくツールを使い、クライアントの大量のデータ管理や処理ができるなら、そのスキルは働く仲間からもマネジメント層からも大歓迎のはずです。資格があるか、時短かといった問題は重要性が下がっています。

まとめ 

現在の会計・税務業界の働き方の自由度の高さは、他の業界に比べて特筆すべきものがあるのではないかと思います。時短も「制度はあっても使えない」ということはなく、スキルを限られた時間の中でも活かすことができると考えられる業界です。会計事務所の魅力には、この自由度の高さがあり、またライフイベントにしばられることがない業界、ということで女性の働きやすい業界でもあります。一見職場環境の面で敬遠されがちな会計事務所ですが、柔軟に働くことができる環境が整っている業界と言えるでしょう。

この記事を書いたライター

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