会社設立の際の資金集めには、日本政策金融公庫や自治体からの制度融資を受けることができることをご存知ですか?この記事では、公的融資を受ける際に提出する書類、審査項目や審査に受かるためのポイントをまとめてみました。
融資を受けるためにはまず、設立する会社の事業計画書を申請する先に提出する必要があります。事業計画書とは、これからどのように事業を展開していくのか詳しく具体的にまとめたものです。主に代表者の経験、起業の動機、そして経営理念などを記入します。そして、融資を受けるためには事業計画書にしっかりと売上が上がることの根拠を記す必要があります。融資とは返済が必要なものですからその能力を確かめる必要があるのです。
また、あったらいいもので挙げられるのは、経営や資金繰りに強い税理士からの紹介状です。これがあると、金融機関の起業家に対する信頼は確実に上がります。顧問の税理士はしっかりと選んで、必ず紹介状を書いてもらいましょう。
融資を受けるには必ずある程度の金額は自己資金を用意する必要があります。用意したい資本金の1/10~1/2は自己資金で賄えなければ融資は下りません。この自己資金は起業家の貯金など完全に本人の財産である必要があり、親や親戚から借入したお金は含まれないので注意してください。また金銭管理能力をチェックのために起業家は過去半年~1年の通帳の提出をすることを求められます。どのように自己資金を貯めたかの経緯や、あやしいお金の動きが無いかなどをチェックされます。
融資の審査では起業家がいまから起こす事業に対してどれだけの知識、有益な経験と実績を持っているかが診断されます。また経営者としての資質や能力も問われます。代表は新たにはじめる事業にかける熱意をしっかりと伝えましょう。その説得力や代表自身の人柄や態度も審査結果に大きく影響します。また持っている資格なども判断材料になります。そしてここでも代表はお金の管理能力について問われます。金融機関が顧客の返済能力を判断するために保存、共有している「個人信用情報」をチェックされます。そこできちんと税金を払っているか、公共料金の滞納が無いかなどを判断されます。
融資を受けるにはそのお金をきちんと返済できる可能性があるかどうかも厳しく審査されます。先ほども触れた「事業計画書」にしっかりと売上予想・利益予想を書き、その内容に説得力があるか、不安が無いかなどをチェックされます。市場や競合などあらかじめしっかりと調べてから事業計画を練りましょう。より細かくまとめると、税引後利益に数年にわたって使用される設備費などの所得金額を配分した減価償却費を足した値が、年間の借入返済額を上回る保証があるかどうかをチェックする必要があるのです。
融資を受けるためには、受け取った資金の使いみちをしっかりと示す必要があります。逆に言えば使いみちを示せる額までしか借りられないということです。融資上限額はあくまでも目安で、融資の実行額はそれより大幅に減額される可能性があります。融資の実行額を少しでも上限まで近づけるために、資金の使いみちとそれにかかる金額の証明をすることが有効的です。各業者から集めた見積書などを提出するようにしましょう。
いかがでしたか?融資を受けるためには非常に厳しい審査を受ける必要があります。しかし、その審査内容はいずれも事業が成功するかどうかの可能性を問うものであり、事業計画書作成のための徹底した下調べや経験は、事業を新たに始めるうえでは不可欠な要素ともいえます。
融資を受ける際にはインターネット上の情報だけではなく、必ずぞの道のプロに相談するようにしましょう。融資の審査に落ちたという記録は各支店に残ってしまいますので、支店選びから慎重に検討し、念入りに事業計画書を作り上げることをお勧めします。