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公認会計士試験は社会人が働きながら勉強しても合格できる?

HUPRO 編集部
公認会計士試験は社会人が働きながら勉強しても合格できる?

最難関資格の一つとされる公認会計士試験。合格者のほとんどは学生か無職の方(大学卒業後就職していない人や前職を退職した人)が占めています。一方で、合格者調べによると7%前後が社会人として働きながら公認会計士試験に合格していることも事実です。では、公認会計士試験は社会人が働きながら勉強しても合格できるのか?また、どのように勉強したら働きながら合格できるのかを解説していきたいと思います。

働きながら公認会計士試験に合格を目指す

初めに結論をお伝えすると、働きながら公認会計士試験に合格をするということはとても難易度が高いです。それほど両立が難しく、多くの人が乗り越えられない壁なのです。1日ヘトヘトになるまで疲れて帰った後に、公認会計士試験の勉強を集中してするということは、とても難しいことだといえます。

では実際に、どのくらいの人が働きながらでも公認会計士試験に合格しているのかを示すデータをご紹介しましょう。金融庁より公表されている「令和2公認会計士試験 合格者調」という資料が参考になります。

資料には、全試験合格者に対する学生や社会人の割合が記載されていますが、会社員の割合はわずか7.1%となっています。

働きながら公認会計士となるメリット

上記では、社会人として合格することは難しいとお伝えしましたが、社会人として働きながら勉強をするメリットもあります。

まず一番のメリットは、職を失わずに受験できることです。公認会計士試験は難関であるため、必ず受かる保証はありませんが社会人として働き続ければ無理だと思ったときに諦めてもマイナス点がないことが挙げられます。

また、公認会計士試験では独学を除くと専門学校に70万円程支払い、受験中に収入がないとすると相応の貯蓄が必要となります。しかし社会人として働きながら受験をしていればその収入源を絶たれることなく勉強することができます。

さらに、他の受験者が学生か無職である一方、社会人としての経験を同時に積むことができれば公認会計士試験に合格した際に重宝される場合があります。例えば金融機関に勤めていれば金融機関の監査で重宝されますし、事業会社の経理をしていればクライアント先でも話がしやすくなるでしょう。

社会人が公認会計士試験で不利な理由

先ほどお話しした通り公認会計士試験受験者のほとんどが学生や無職ということもあり、ほぼ1日勉強に集中できる環境にあります。一方で社会人つまり働きながら勉強する場合は通勤時間を含め朝から夕方までは仕事があるため、仕事前か仕事後からしか本腰を入れて勉強ができません。
勉強は時間がすべてではありませんが、多くの受験生は朝8時に専門学校に行き、夜9時頃まで自習などで勉強に励んでいます。ずっと机にかじりついていれば13時間、途中休憩を合計3時間取ったとしても10時間は勉強できる計算となります。この時点で社会人はすでに不利と言えるでしょう。

働きながらの効率的な勉強方法

先ほど社会人が公認会計士試験を受験するには不利である旨お話ししました。しかしそれは時間の絶対値であって、濃い時間を過ごせば合格は可能です。
公認会計士試験は大きく計算科目と理論科目に分かれます。簿記、原価計算、経済学は計算科目で、その他法律科目等が理論科目となります。計算科目は一度身に着けてしまえばブランクがあってもすぐに取り戻せるため、スタートダッシュで得意科目にしておけば、ある程度優位を保つことができます。反対に理論科目は最初にしっかり覚えていても忘れてしまうと再度勉強しなおさなければならない性質があります。よって、計算をマスターし、理論も一通り理解した上で、試験日が近づいたら理論を何回も回すという方法も戦略の一つとなるでしょう。

働きながら公認会計士に合格する時間の使い方

何度も言いますが、社会人にとって一番足りないのが時間です。ここで、実際に働きながら公認会計士に合格した人の時間の使い方を紹介します。公認会計士試験は得意科目の得点を伸ばす試験ではなく、苦手科目をなくしてすべてにおいて平均点プラスアルファを取ることで合格できる試験です。また、計算科目はやればやるほど伸びる性質もあります。

例えば、通勤電車に片道1時間乗る人であれば、行きの電車で毎日苦手な企業法を勉強し、帰りの電車で同じく苦手な監査論を毎日勉強します。苦手な科目でも毎日1時間触れるだけで得意科目になる可能性があります。また、毎日1時間簿記の総合問題を解く癖をつけることで計算科目を得点源とし、残り3時間をその日の重点科目に費やすことで穴をなくすという方法があります。
通勤の2時間に加えて4時間勉強すれば受験勉強時間として最低ラインの6時間はクリアできるはずです。昼休みも使えるようでしたらプラス1時間もできます。

働く上で勉強時間を確保する方法

先ほど通勤電車を勉強時間に使うという話をしましたが、社会人にとって辛いのは逆に時間を削られることです。例えば職場内での飲み会があったり、残業によって定期的な時間を確保しづらかったりすることです。
職場内の飲み会やランチなどは「公認会計士の受験勉強があるから」と宣言してしまうのが一番でしょう。それでも応援してくれないようであればそれまでの関係ですし、何より周りからは「公認会計士試験どうなった?」とことあるごとに聞かれるため、絶対に合格しなければならない気持ちになって勉強に弾みがつくはずです。

気を付けなければならないのは残業など定期的な時間が使えない時です。職場環境が良く、試験勉強を理由に残業が基本的になくなるようでしたら問題ありません。しかし、それでも残業が当たり前になってしまう場合は思い切って勉強しやすい職場に転職なども考えなければなりません。働きながら合格することができるといっても、大前提としては基本的に平日も勉強時間が取れることが必要だからです。

まとめ

このように社会人にとっての受験勉強のネックは何といっても時間となります。逆に受験勉強のみの1日ではなくなるため気持ちの切り替えによっては受験勉強のみを行っている受験生よりも濃い勉強時間にすることもできます。通勤時間や細切れの時間をうまく使って社会人合格を目指しましょう!

この記事を書いたライター

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