公認会計士になるためには、学歴は関係なく、所定の試験を合格すれば誰でもなることができます。しかし、合格者を多く輩出しているのはやはり大学以上。そして年齢が若いほど合格率が高いという歴然としたデータがあります。
公認会計士を目指すのであれば、大学選びから環境を整えることを視野に入れて早めに目標設定をすることが重要です。本記事では、公認会計士を目指す方がこれから大学選びをするにあたって、合格者ランキングから試験に強い大学を解説していきます。大学選びを検討中の方はぜひご覧ください!
まずは公認会計士試験の合格者の年齢や職業別の内訳を見ていきましょう。
2020年度の試験結果を見ると、試験合格者数は1,335人。そのうち合格者の構成比は以下の通りです。
高校卒業とその他を併せて8.1%ということは、実に90%以上が大学(短大含む)もしくは大学院の在学者か卒業(修了)生というデータがでています。
公認会計士試験は、受験資格の制限はなく、年齢、学歴、国籍等にかかわらず、誰でも受験することができますが、その合格者の大半が大卒以上であることがこのデータからわかります。
そして次に確認しておきたいのが、年齢別の合格者の構成比です。
20代前半で合格する人が60%近くを占めています。さらにここで職業別の合格者の構成比もあわせてみてみましょう。
学生と、専門学校生・各種学校受講生を併せたら70%以上です。
つまり、公認会計士試験の合格者層で最も多いのは、大学などに通いつつ、公認会計士の受験勉強をしているというパターンです。
データの出典はいずれも公認会計士・監査審査会 令和2年公認会計士試験 合格者調
上のデータで公認会計士試験に多く受かるのは大学に通いつつ勉強している人だということがわかりました。
それでは、実際に公認会計士試験の合格者を多く輩出している大学を見ていきましょう。
まずは2020年のランキングです。
慶應義塾大学が圧倒的に多いですね。実は慶應義塾大学は44年間連続トップの座を維持しており、公認会計士の卒業大学としては断トツトップなのです。その下のランキングを見ても有名・難関な大学が名を連ねています。
勉強には個人の意欲も大事ですが、周りの環境も同じくらい重要です。合格者数の多い大学というのは、それだけ多くの人が受験するということなので、当たり前のように勉強に専念できる環境が整っています。
公認会計士を目指すのであれば、実際に公認会計士になった後も含め、受験に手厚いフォローのある難関大学がおすすめです。
難関大学ばかりですが、そもそも公認会計士試験は受験と同等もしくはそれ以上の難関な試験であることを考えると、このくらいの大学に受かる位の勉強の取り組みは必須かもしれません。
公認会計士を一番を置く輩出している慶應義塾大学。商学部では、公認会計士・税理士を目指す塾生を対象として様々なバックアップを行っています。OBの現役会計士による講義も。
また、慶應義塾大学のOB会である「三田会」には、「公認会計士三田会」も存在し、その会員数は5000名超!
名実ともに公認会計士の世界では、一番多くの同窓生がいる大学です。実際、大手監査法人などは、大学のつながりがそのまま多く入所するといったことも珍しくはありません。
実務面において同窓生のつながりは、業務の助けになることも多いでしょう。
慶應大学に次いで早稲田大学は合格者ランキング2位に位置しています。
商学部には早稲田公認会計講座(WUCPA)という授業が開講されており、会計の知識を幅広く大学で学ぶことが可能です。
また早稲田大学は大学院も会計研究科も有名です。
中央大学には、経理研究所という学内ダブルスクールがあり、通常の予備校の半額以下、かつ1.5~2倍の授業時間をかけて公認会計士の受験対策を行うことができるという独自の仕組みがあります。この経理研究所は、中央大学の学生であれば、どの学部からでも参加できるのも魅力。
毎年400人以上の新入生が受講しているので、同学の受験仲間も多数できます。
経理研究所では、公認会計士試験や日商簿記検定の合格を目指す人のために様々な講座を開設しています。
簿記検定1級合格を目指す「会計士入門講座(計算基礎クラス)」のほかに、「特別会計研究室」も。猿楽町校舎に専用の机や椅子・ロッカーを使うことができ、会計士講座や提携専門学校の講座が受験生サポート価格で利用できるなど特典も満載です。
そしてなんと明治大学では公認会計士試験に合格した現役生に報奨金が送られます。このことから大学が公認会計士試験のサポートにいかに力を入れているかが見て取れます。
明治大学経理研究所
やはり公認会計士試験受験者に多い出身学部は経済学部・商学部です。
これは数字に強かったり、元々会計のに興味がある人がこれらの学部を選択するためです。
またこれらの学部は会計系の授業が必修や選択科目になっていることも多く、授業の一環で会計を学ぶことができたり、同じ学部内に公認会計士受験仲間が多いこともメリットとして挙げられるでしょう。
ただ経済学部・商学部以外の学部からももちろん合格が可能です。これらの学部に入ったからといって合格が一気に有利になるということはなく、最後は個人の努力次第なのはいうまでもありません。
大学選びには、偏差値だけじゃなく、将来なりたい仕事を踏まえて選ぶというのも大事なポイントです。もしあなたが「公認会計士になりたい」と考えているとしたら、大学の学費だけでなく、予備校の学費やテキスト代など、お金も非常に高額になるでしょう。
今回おすすめした大学は、公認会計士の合格実績もさることながら、合格に向けてのサポート体制も整っている大学です。もちろん、合格者数ランキング外にもこうした大学は存在します。自分が目指す道を応援してくれるという観点からも大学を見てみてはいかがでしょうか。皆さんの受験勉強と公認会計士試験に向けた勉強を応援しています!