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税理士試験の平均合格年数は?働きながら目指すポイント

HUPRO 編集部
税理士試験の平均合格年数は?働きながら目指すポイント

会計事務所で働くことを希望する人の多くが、働きながら税理士試験に合格することを目指していると思います。そんな人が気になるのが働きながら税理士を目指す場合の平均合格年数ですよね。少しでも早く合格できるに越したことはありませんが、あまり焦って短期合格を目指してしまうと、うまくいかない時に挫折する可能性が高くなります。仕事をしながら税理士試験5科目合格を目指すなら「平均合格年数でできれば問題無し」くらいの気持ちで取り組むのが良いでしょう。

本記事では働きながら税理士を目指す場合の平均合格年数や、仕事と試験勉強をうまくリンクさせる方法、勉強と仕事の両立をするためのポイントなどについて解説いたします。

働きながら税理士を目指す平均合格年数は?

働きながら税理士を目指す場合の平均合格年数は3年間〜5年間というのが相場です。

学生の人や試験勉強に集中できる環境や仕事を辞めるなどして取り組むなら、1年から2年ぐらいで受かるという人も中に入るかもしれません。しかし、働きながら税理士試験に取り組むという環境なら、早くても3年間、ややゆとりのあるペースだと5年間というのが現実的なところですね。

科目合格を積み重ねて、3年間で5科目合格を目指すプランとしては以下のとおりです。

3年の勉強期間で5科目合格を目指すプラン

1年目:簿記論と財務諸表論を受験
2年目:法人税法または所得税法(1回目)+税法1科目
3年目:法人税法または所得税法(2回目)+税法1科目

法人税法と所得税法についてはどちらかを選択しますが、非常に難易度が高いので2年間かけて合格を目指しましょう。
いずれにしても最初の1科目目のスタートは簿記論から始めるのが無難です。財務諸表論や法人税法は簿記論の知識が前提となっているためです。これは、大卒資格のない人の受験資格に日商簿記1級が求められていることからも明らかですね。

ある程度会計の知識がある人なら、財務諸表論から取り組むというのもまったく考えられないことはありませんが、これはイレギュラーな取り組み方であることは認識しておいてください。

5年の勉強期間で5科目合格を目指すプラン

次に、3年合格プランがうまくいかない場合の5年合格プランを考えてみましょう。

1年目:簿記と財表を受験(1科目以上合格)
2年目:簿記か財表+所得税法または法人税法(簿財合格)
3年目:所得税法または法人税法+税法1科目(1科目合格)
4年目:所得税法または法人税法+税法1科目(1科目合格)
5年目:所得税法または法人税法+税法1科目(1科目合格)

1年目の簿財2科目では1科目以上の合格を目指し、2年目までに簿財2科目の合格を目指しましょう。
この2科目はしている部分が非常に多いため、同時に学習を進めるのが非常に効率が良いです某資格スクールの合格者アンケートでも35.5%の人が初年度に簿財2科目を同時受験していますね。3年目には簿記論と財務諸表論のどちらか残っている方と、所得税法と法人税法のどちらか1科目を選択して受験します(合計2科目受験)
その後は所得税法または法人税法の合格を長期目線で狙いつつ、選択の税法科目2科目に順次合格していくことを目指しましょう。

科目合格プランを組む時の注意点

注意点としては、最初から5年合格プランを組まないことです。5年での5科目合格を最初から目標にしてしまうと、ずるずると7年、8年…と試験勉強期間が延びてしまいます。

働きながら税理士試験に取り組むのはかなりの労力が必要になるので、勉強期間は短くできるに越したことはありません。あくまでも目標は3年5科目合格で計画を立て、理想通りにいかない時には5年プランに切り替えるという形で計画を立てるのが良いでしょう。

残り2つの税法は実務とリンクさせる

所得税法または法人税法以外の2科目については、消費税法または住民税、あるいは相続税法が実務とリンクさせやすいです。所得税法または法人税法、消費税法、住民税法の3つは会計事務所なら業務として取り扱わないということはまず考えられません。相続税法に関しては力を入れている会計事務所とまったく力を入れていない会計事務所があります。積極的な事務所であるのなら、選択してみても良いかもしれませんね。

ちなみに付け加えておくと、相続税に関する実務というのは税理士として「おいしい(つまりもうかる)」仕事です。
将来的に税理士として独立を考えている人は試験勉強の段階で相続税方についての理論をしっかりと理解しておくとキャリアアップや年収アップの面でも望ましいでしょう。

会計事務所で実務経験を積む

働きながら税理士を目指すのであれば、やはりおすすめは会計事務所で実務経験を積むことです。税理士資格を目指す方の多くは、将来的に税理士として独立して仕事をすることを目指していると思います。その場合でも、試験に合格した後も会計事務所に3年間〜5年間程度は実務経験を積んでから独立というケースが圧倒的に多いです。

税理士試験の勉強と同時進行で実務経験を積むことができれば、試験合格後にすぐに独立するということも不可能ではありませんのでキャリアアップの形として効率的と言えるでしょう。また、会計事務所の中には社員が税理士試験の勉強に取り組むことに寛容なところも多いです。
働きながら税理士を目指すのはかなり負担が大きくなりますから、平均合格年数での5科目合格を目指すのであれば、勉強しやすい環境の揃っている会計事務所を選択するのが良いでしょう。

この記事を書いたライター

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