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会計大学院のメリット・デメリット、国立と私立の比較について

HUPRO 編集部
会計大学院のメリット・デメリット、国立と私立の比較について

会計大学院」という言葉を聞いたことあるでしょうか?ズバリ、「会計に特化した大学院」です。これだけだと、普通の大学院と変わらないよね?となると思います。しかし、会計大学院は特に会計系の最高峰である国家資格、公認会計士試験において大きな威力を発揮します。そこで、この記事では「会計大学院に入るための知識」と「会計大学院を卒業した時の活かし方」について説明していきます。

そもそも会計大学院とは?

学歴的な位置付けを知ろう

あなたは大学院まで進学されましたか?
大学院とは、大学の進学先です。日本全体で見ると大学まで進学する方は多いですが、大学院まで進学される方は少ないです。進学率は学部にもよりますが、おおよそ10%強です。
ちなみに、理系は高い傾向にあり、文系は低い傾向にあることを考慮すると、文系になる会計大学院の進学率は高くはないでしょう。そして、公認会計士試験は理系有利とも言われますが、実際は文系の方が多いでので、文系だから不利ということは全くありません。

ココが違うよ、会計大学院

一般的に大学院とは「専門職になるための研究場所」です。なので、研究者や学者になる方が多いです。しかし、会計大学院は「公認会計士試験の免除」のために進学する方が圧倒的に多いです。やはり、会計系の勉強をされることになるため、会計の専門職に就職を、と考えるのは多いです。
そして会計系の専門職と言えば、公認会計士です。公認会計士とは会社の決算書を監査するプロであり、税理士資格と行政書士資格も自動で付与される高度な専門職です。そして、この公認会計士試験は最難関国家試験の一つで、医者や弁護士に匹敵するほどの難関資格です。

会計大学院のメリット

公認会計士試験は1次試験と2次試験に分かれます。
1次試験の合格率は約10%、2次試験の合格率は約30%です。そのため、約5000時間とも言われる膨大な勉強時間を要します。ちなみに1次試験(マークシート試験)は4科目、2次試験(論述試験)は6科目です。
ここから分かるように、公認会計士試験の最難関は1次試験です。なぜなら合格率が低いからです。しかし、会計大学院を卒業すれば1次試験を1科目の受験に変更できます。大事なことなのでもう一度言います。1科目受験でいいのです!決して1科目免除ではありません。

また受験科目は企業法という科目です。これは法律科目であり一言で言えば「暗記科目」です。そのため、会計大学院卒業→公認会計士試験1次試験を企業法のみ受験→合格率30%の2次試験のみ受験→合格というルートが現実的に可能なんです。しかも司法試験のように周りが法律の猛者ではありません。あくまで会計を得意としている受験生です。
さらに「暗記科目かつマークシート」なので、必要な勉強をこなせば十分に1次試験の合格が可能です。そのため、この特権を活かすために進学する方が多いのです。

会計大学院のデメリット

一方で学生という身分は変わらないため、公認会計士試験の受験勉強以外の勉強もあります。就職してからは役立つこともありますが、目先の受験勉強には役立たないことにも時間を費やすことになります。また学費もかかります。これらの点はデメリットでしょう。

会計大学院 国立と私立の比較

学費っていくらぐらい?

国立の大学院の学費はおおよそ2年間で150万円ほどです。ちなみに私立だと250万円ぐらいです。この学費の差が国立の大きなメリットです。なぜなら、大学院で公認会計士試験の受験勉強をする場合はバイトに費やす時間も確保できない可能性があるからです。親からの仕送りだけで一人暮らしをする場合は少しでも学費を抑えたいと思います。そこで国立の学費が費用・受験環境の双方で役に立つのです。

どんな会計大学院があるの?

国立だと、北海道大学や東北大学に大学院があります。私立であれば、早稲田大学や明治大学に関西大学に関西学院大学にも大学院があります。関東・関西に多い印象でしょうか?地方の方は一人暮らしが必須になるので、費用の面で少しでも安くするためには国立がオススメです。

公認会計士の世界って学閥があるの?

進学先で学閥を気にされる方もいると思います。しかし公認会計士の世界に学閥はありません。もちろん話のネタになることはあっても、学歴が出世や独立後の収入に直接関係することはありません。なぜなら、公認会計士は一人のプロであり、公認会計士としてどれだけお客様目線になれるかが重要だからです。そのため、学費が重荷になる状況で無理に学歴のために私立の大学院に進学する必要はありません。まずは受けるためのストレス軽減を考えましょう!

試験に受かったら、辞めるのもあり?

これは人それぞれの判断になりますが、会計大学院に在学中に合格したら、監査法人にすぐに就職して大学院を中退するのもありです。なぜなら、少しでも早く公認会計士として実務をこなした方が将来のキャリア形成も早くできるからです。また、公認会計士に学歴は関係ありません。実際に高卒で独立した人でも、監査法人の管理職になっているケースがあります。要は「実務での価値」が重要なのです。

まとめ

いかがでしたか?会計大学院を卒業することで公認会計士試験の免除が受けられるので、会計大学院卒業→公認会計士試験1次試験を企業法のみ受験→合格率30%の2次試験のみ受験というルートで合格までたどり着け、全試験を受ける人より特権が大きいです。
普段は、会計大学院の実態や学費に触れる機会がなかなか無いと思いますが、この記事が会計を学ぶきっかけや、進路の決め方のきっかけに少しでもなりましたら幸いです。

この記事を書いたライター

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