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公認会計士試験は難しいと聞くけど、具体的にどう難しいの?

HUPRO 編集部
公認会計士試験は難しいと聞くけど、具体的にどう難しいの?

公認会計士試験は難しいと言われますが、具体的にどう難しいのかを把握することは重要です。それを理解することで確実に合格に近づきます。この記事を読まれている方は公認会計士試験の現役受験生の方もいれば、これから目指そうという方もいると思います。ぜひ参考にしてみてください。

公認会計士試験制度とは

公認会計士試験は一次試験の「短答式試験」と二次試験の「論文式試験」に分かれます。

短答式試験は
①企業法過(理論100点)
②管理会計論(理論約50点・計算約50点)
③監査論(理論100点)
④財務会計論(理論約100点・計算約100点)

になります。

論文式試験は
①監査論(理論100点)
②租税法(理論40点・計算60点)
③管理会計論(理論約50点・計算約50点)
④財務会計論(理論約120点・計算約80点)
⑤企業法(理論100点)
⑥選択科目(理論50点・計算50点)

になります。

※選択科目は約9割の受験生が経営学を選択するため、経営学を前提とさせて頂きます。

短答式試験と論文式試験のどっちが難しい?

短答式試験はマークシート試験であり、論文式試験は論述試験なのでそれぞれの適正によって異なります。
ただし、合格率は短答式試験が約15%であり、短答式試験を合格した人だけが進める論文式試験の合格率は約35%です。そのため、「合格率」だけで比較すると短答式試験の方が難易度が高くなります。また、公認会計士を諦める方の大多数が短答式試験に受からずに諦めます。
短答式試験と論文式試験それぞれの難しさの理由については、後ほど詳しく解説します。

短答式試験と論文式試験の両方に短期合格するためには?

これはズバリ、計算科目を得意にすることです。計算科目は出来不出来がはっきりと表れます。では、なぜ計算科目は理論科目と異なり差がつくのでしょうか?

計算科目の重要性 〜短答式試験編〜

短答式試験は理論科目はマークシート形式です。よくある出題が「次のうち正しいものを2つ選びなさい。」という出題です。この場合、「復習が追いついていなくても消去法や一般常識で判断できる」問題が多く存在します。そのため、真面目に予備校の講義を受けていればそんなに差はつきません。
一方で計算科目は「次のうち正しい売上を選びなさい。」という出題です。この場合に消去法は使えません。また、答えを出す過程でたくさんの計算式を使うため、一般常識だけで解けるような問題はありません。そのため、計算科目は差がはっきりと表れるのです。

計算科目の重要性 〜論文式試験編〜

理論科目は論述形式で1問に対して5行から10行ぐらいで解答することが多いです。この場合に公認会計士受験生は文学のプロでもなければ、法律のプロでもありません。そのため文章を書くとほとんどの受験生が同じようなことを書く傾向にあり、ある程度までいくとあまり差が表れにくいです。
一方で計算科目は「決算書を完成させなさい」という出題が多く、自分で答えを出すことになり「計算過程に部分点がない」ことになるため、計算科目は差がはっきりと表れます。

計算科目と理論科目の特徴って何?

計算科目とは電卓を使う科目です。一方で理論科目は電卓を使わない科目です。
計算科目の特徴は「仕上がるのに時間がかかる」ことです。一方で理論科目は「直前期の詰め込みでもある程度間に合う」科目です。イメージとしては、計算科目は「指数関数」、理論科目は「一次関数」です。そのため、計算科目は早くから勉強を始める必要があります。

計算科目の難しさとは?

計算科目は「一度体得すると忘れにくい」特徴があります。まさに「習うより慣れろ」です。そのため「反復演習が不可欠」になります。ここで勉強時間が大量に必要になるのです。イメージとしては、車の運転や料理をするのと同じです。難しい理解よりも、解き方を体得することが重要なんです。もし読者の方で簿記検定受験生の方がいましたら、たくさんの問題を解いていることと思います。その時間は絶対に無駄にならず、公認会計士試験の受験をすることになった場合は必ずや大きな味方となって貢献してくれるでしょう。

理論科目の難しさとは

理論科目は短答式試験では「確実な暗記」が、論文式試験では「応用力」が求められます。そのため「理解」が重要になります。短答式試験の場合はどれだけ暗記しているかを問われるので、ひたすら反復演習が必要になります。イメージとしては、大学入試の英単語を覚えるのと同じです。一方で論文式試験では「初見の問題に対する対応」が問われます。換言すれば知識の上積みはそれほど問われません。「持っている知識の活かし方」を問われるのです。そのため、考えることが重要になります。この考える要素になるのが短答式試験の時に暗記した「知識」なので、短答式試験の勉強は論文式試験にそのまま活かせます。

短答式試験と論文式試験の難しさの理由

それでは、次に短答式試験と論文式試験がそれぞれ具体的にどのように難しいのかについて解説していきます。

短答式試験

公認会計士の短答式試験は、財務会計論、監査論、管理会計論、企業法の4科目で、マークシート方式で行われます。試験時間は合計5時間にもなりますが、1日で全ての試験が行われます。試験日は、年に2回、例年ですと、5月12月に行われます。

合格判定は、およそ70%の正解ですが、1科目でも40%に満たない科目があれば、不合格になります。受験資格の制限はなく、高校生でも受験可能ですが、税理士資格や専門職大学院の学位を取得していると、一部の科目の試験が免除されます。会計とは直接関係ない司法試験の合格者は、短答式試験自体が免除になります。

短答式試験が難しい理由

短答式試験が難しいのは、4科目にわたる広範囲の知識についての問題を、1問あたりに時間を掛けずに解くことを強いられるからです。マークシート式ですが、正解にたどり着くまでには、正確な知識を身につけた上に、注意深く問題文を読み、正確にマークシートを塗りつぶすことが要求されます。途中休憩があるものの5時間もの間、集中して問題に解答し続けるのは、知的能力だけでなく、気力、体力も要求されます。

4科目の中で、財務会計論を除く3科目の試験時間は60分ですが、財務会計論だけは120分と2倍の試験時間になります。短答式試験の出題方針は、公認会計士になろうとする者に必要な基本的知識が、理解されていることを確認するために、できるだけ幅広く多くの基本的な問題を出題することです。財務会計論では、細かい基本的な知識を数多く問われるので、合格するために必要な知識を正確に理解し記憶するために、もっとも時間がかかると言われています。

短答式試験の合格率は、免除者を含めると、だいたい30%前後です。短答式試験に合格すると、論文式試験を受けることができます。

試験が難しい理由

論文式試験

短答式試験に合格すると、合格した日から2年間は短答式試験が免除され、論文式試験を受けることができます。

論文式試験は、3日間続けて行われます。例年ですと、8月下旬の金曜日から日曜日にかけて実施されます。1日目が監査論と租税法、2日目は会計学が午前と午後の2回に分けて行われ、3日目は、企業法と選択科目となっています。試験時間は1科目あたり120分ですが、会計学の午後の試験のみ、180分です。大問題1題を解くための試験時間が60分となり、会計学の午後の試験は大問題が3題出題され、他の科目では、大問題が2題出題されます。

論文試験が難しい理由

論文式試験は、短答式試験の科目と共通する、会計学(財務会計論と管理会計論)、監査論、企業法の3科目に加えて、租税法と経営学や民法から選択する1科目の合計5科目から出題されます。短答式試験よりも、出題科目が増えるので学習の負担も増えます。その上、正確な知識を理解するだけでなく、理解した正確な知識を実践的に応用する論理的思考力と、限られた時間内に白紙の答案用紙に文章を表現する力も問われますから、論文式試験の難易度は短答式試験よりも高くなります

合格基準は総得点の52%の正解が基準ですが、1科目でも40%に満たない科目があると、不合格になります。しかし、不合格であっても、一部の科目だけ合格する、科目合格も認められています。科目合格した科目は、合格後2年間は、論文式試験が免除されます。

論文式試験の合格率は、免除者を含めて35%程度です。論文式試験を受験するためには、短答式試験に合格する必要がありますので、試験免除を含む全体の受験生に対する公認会計士試験の合格率は、11%程度にとどまっています。
職業別合格者の割合では、勉強に割ける時間的余裕のある、大学や各種学校に在籍する学生が、最も多く占めています

合格後すぐに公認会計士になれるわけではない!

試験以外にも必要な実務経験など論文式試験に晴れて合格しても、まだそれだけでは公認会計士ではありません。
監査法人または公認会計士の業務を補助するなどの2年以上の実務経験一般財団法人会計教育研修機構JFAELが実施する、原則修業年数が3年の実務補習を受けて、終了考査に合格して初めて公認会計士として登録できます。

まとめ

公認会計士試験は「難しい」とよく言われます。しかし要素別に分解してみると明確な解決策があるのです。それは「短答式試験に短期合格すること」と「計算科目を得意にすること」です。むしろ、この難しさを「頭のいい人しか受からない試験」と捉え違いする人が多いので、確かに公認会計士試験は難関ですが、”難しい”という意味を適切に把握することがポイントになります。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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