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税理士として仕事をする際に覚悟すべき業務上のストレス

HUPRO 編集部
税理士として仕事をする際に覚悟すべき業務上のストレス

開業税理士の年収は3,000万円以上ともいわれますが、楽して稼げる職業ではありません。税理士の顧客となる依頼主はお金にシビアな方も当然多いですし、法人相手であれば扱う金額も大きくなります。また、提出した確定申告書の税務調査の対応をすることもあり、税理士と依頼主との橋渡し役を担う必要もあるので、人間関係で気苦労の多い職業でもあります。今回はそんな税理士の仕事をする上での代表的なストレス要因について紹介していきます。

税理士の種類別の仕事上のストレスについて

一口に税理士といっても、実際には3種類の税理士が存在します。
・開業税理士
・社員税理士
・補助税理士

各税理士には特徴があり、抱えるストレスも異なります。

1-1 自分で事務所を構える開業税理士

開業税理士とは、自分で事務所を構える個人事業主です。住宅街などで見かける、税理士事務所の看板のほとんどは個人で税理士をやっている人です。
法人など大口顧客がいれば、高額の年収も見込めます。しかし、新規で顧客を見つける場合には大手の税理士法人と競う必要があるので、顧客が見つからず、収入が少ない開業税理士も少なくありません。

1-2 税理士法人を運営する社員税理士

社員税理士とは、税理士法人を立ち上げた税理士をいいます。社員税理士は、複数の税理士で業務を分業化したり、事業規模を大きくして収入を増やすことも可能です。
一方、税理士業務以外に、社員への対応をする必要がありますので、経営者としての仕事もしなければなりません。

1-3 サラリーマンとして働く補助税理士

補助税理士とは、税理士法人に勤務する税理士をいいます。サラリーマン税理士なので、集客業務をする必要がなく、安定した収入を得られます。安定した収入が得られる反面、高額な収入を見込むことは難しく、収入金額は一般的なサラリーマンと変わりません。
また、働いている税理士法人の規模が大きければ、事務作業も増大します。特に確定申告期間や決算期など、繁忙期には長時間労働になるケースも少なくありません。

仕事上で発生する税理士業務のストレス

次に、税理士が抱える仕事上のストレスをご紹介します。

2-1 繁忙期はどの種類の税理士も忙しい

繁忙期は、依頼主が法人・個人によって異なります。法人をメインの税理士であれば、決算期前後が最も忙しく、個人事業主を多く抱えている場合には、確定申告期間が繁忙期となります。税務署への申告は、民間企業との取引とは異なり、申告期限を1日でも経過した場合には罰則が規定されています。そのため、絶対に期限に間に合うように申告書を作成しなければなりません。

2-2 納める税金の金額に文句を言われることがある

税理士は法律に基づいて税金の計算をします。各税金の税率は法律で決まっていますが、依頼主が納める税金に納得しないと、苦情になることがあります。また、依頼主は報酬を支払い税理士に依頼しているため、「もっと税金を安くしろ」など無理難題を言われるケースもあります。

2-3 顧客の確保のためにはすべての税理士と競う必要がある

2019年8月末時点で、78,383人が税理士登録をしています。
参考:税理士登録者数(日本税理士会連合会)
税理士は独占業務ですが、税理士内では自由競争です。つまり、他の税理士から、自分の依頼主を引き抜かれる可能性があります。近年は、SNSや自社サイトで格安報酬を打ち出す税理士も少なくありませんので、常に集客に力を入れなければなりません。また、他の税理士に顧客を奪われればそのまま収入減となりますので、税理士であっても営業力も必要となります。

税務調査で発生する税理士のストレス

税理士業務で欠かすことのできないのが、税務署の税務調査への対応です。税理士は、税務署と調査先となる依頼主とのパイプ役となるので、板挟みになることがあります。

3-1 税務調査への対応で1日中時間を拘束される

税務調査には、3種類の調査があります。
実地調査・・・税務署職員が自宅や事務所に来て調査を行う
実地調査以外の調査・・・税務署が電話や面接により申告誤りを指摘する
行政指導・・・税務署が自主的な申告書の修正を促す行為
※行政指導は法律上の調査ではありません。

税理士にとって一番負担が大きいのが、実地調査への対応です。税理士は、税務署から実地調査の申し出があった場合、調査日時の日程調整などを行わなければなりません。また、実地調査当日は調査に立ち会う必要があるので、その日は1日中仕事をすることができなくなります。

3-2 税務署と依頼主の間で板挟みになる

税理士は、税務署と雇用主の両方の意見を聞く調整役です。税務署は、調査により申告内容の確認をしたいので、積極的な協力を求めます。一方、依頼主は税務署の対応をしても直接的なメリットがありませんので、調査には消極的です。調査に積極的に協力すれば、依頼主から税理士を変更される可能性がある一方で、調査に非協力的だと、税務署から目を付けられる可能性もあります。

3-3 申告ミスをした場合に賠償を求められる可能性

税務署が調査に入った場合に、申告誤りを指摘されることがあります。依頼主自身のミスであれば、税理士には責任はありません。しかし、税理士の計算ミスによる追徴課税については、依頼主から損害賠償を請求されることもあり得ます。法人税や相続税など納税額が高額になるほど、リスクは上がりますので、ケアレスミスには特に注意しなければなりません。

法律改正には常に目を光らせる必要がある

税理士は、常に最新の法律の知識を入れる必要があります。最近では消費税の増税がありましたが、消費税の増税の際に最初に頼られるのが税理士です。そのため、税理士は世の中が疑問に思う前に法律の改正点を把握し、説明できるようにしなければなりません。

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