日商簿記2級に合格された方は、次に日商簿記1級の受験を目指すだけではなく、税理士を目指すという選択肢も検討するに値すると思います。ここでは、税理士を薦める理由や、税理士試験の受験資格、税理士になるまでの過程をご紹介します。日商簿記2級に合格していれば、税理士試験の「簿記論」と「財務諸表論」の学習で重なるところも多いですし、税理士の高齢化が進んでいて、若い税理士への期待が高まっているという状況もあります。簿記について詳しくなったら、税務のスペシャリストを目指すのはいかがでしょうか。職業の選択の幅も広がることでしょう。
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日商簿記2級に合格して、次は日商簿記1級を目指そうかと思っている方も多いのではないでしょうか。もちろん、簿記の知識を極め、簿記のスペシャリストとなるために、日商簿記1級の合格を目指して勉強していくことも、一つの選択肢です。ただ、その他にも、税理士試験に挑戦をして税理士を目指すという選択肢もあることを今回はご紹介したいと思います。ただし、日商簿記とは違い、税理士試験には受験資格があります。そこで、まずは税理士試験の受験資格を説明しますので、もし、税理士試験の受験資格がないようでしたら、税理士試験ではなく、先に日商簿記1級を目指すのがよいでしょう。
税理士試験の受験資格は次のようになっています。
それではなぜ、日商簿記1級ではなく税理士を勧めるのかですが、それには大きく3つの理由があります。
まず、日商簿記は検定試験で、公的な資格にとどまりますが、税理士は国家資格なのです。国家資格だけに、税理士にのみ許された独占業務があります。具体的には、税務の代理、税務書類の作成の代理、税務相談の3点が税理士の独占業務です。これは税理士の大きな強みでしょう。税務のスペシャリストとして、転職にも有利になり、年収アップも期待できます。
現在、税理士の高齢化が進んでいます。税理士の半分以上は60歳を越えているのです。そのため、税理士法人や税理士事務所では、若い税理士がとても期待されています。加えて、近年は女性の税理士の割合が高まっていて、女性にとっても働きやすい職場に変わってきているとも言えるでしょう。
そして、税理士になるために受ける税理士試験ですが、「簿記論」と「財務諸表論」という必修科目があり、日商簿記2級と関連性がとても高いのです。日商簿記2級に合格した人は、「簿記論」と「財務諸表論」の半分程度を学習済みと言われています。
税理士試験に合格するには、11科目の試験科目のうち、5科目を受験して、すべての科目に合格する必要があります。11科目とは次の科目です。
・財務諸表論
・所得税法
・法人税法
・相続税法
・消費税法
・酒税法
・国税徴収法
・住民税
・事業税
・固定資産税
「簿記だけでも難しいのに、5科目をすべて勉強して合格する必要があるなんて、自分にはそんなにたくさんの勉強をする自信がない」と思う人もいるでしょう。でも、安心してください。税理士試験には科目合格制というものがあり、5科目すべてに同時に合格する必要はないのです。税理士試験は1科目から受験することができ、合格した科目は生涯有効です。
税理士試験の実施は年に1回です。ですので、1年に1科目ずつ受験して、5年間かけて5科目の合格を目指す人もいます。気の長い話で、途中で挫折しそうと怖気づいてしまう人もいるかもしれません。でも、5科目すべてに合格して税理士になる資格を手にするまで待たなくとも、税理士試験に1科目でも合格することで、転職にはとても有利になってきます。税理士試験に1科目合格することで、税理士法人や税理士事務所への転職の道が開けてきます。まずは税理士法人や税理士事務所に転職をして、その後、残りの試験科目の勉強を続けていけばいいのです。
税理士試験は、毎年8月上旬に行われ、例年受験者の10%程度が合格しています。税理士試験の5科目にすべて合格すると税理士となる資格ができ、その後に税理士登録をすることで、税理士になります。
今回は、日商簿記2級に合格した方向けに、日商簿記1級ではなく、税理士試験を目指すという選択肢もあることをご紹介しました。簿記の専門家から、税理士を目指すことで、職業の選択の幅が広がることでしょう。ぜひ、検討されてはいかがでしょうか。
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