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国際会計基準に強くなる資格を2つ紹介します

HUPRO 編集部
国際会計基準に強くなる資格を2つ紹介します

大企業を中心に、国際会計基準を適用する企業が急速に増えつつあります。「国際会計基準」や「IFRS」という言葉を聞く機会が増え、国際会計基準が気になっている会計職の人も多いのではないでしょうか。会計職においても、ある分野において専門性をもつことは、キャリアアップを考えるうえで、重要なポイントだと思います。国際会計基準に関連する資格がありますので、キャリアアップのために資格取得を目指して勉強し、国際会計基準に強くなるのはいかがでしょうか。今回は、国際会計基準(IFRS)と関連する資格についてご紹介します。

国際会計基準(IFRS)って何?

今さら聞けないが、国際会計基準(IFRS)って何?と思っている人もいるのではないでしょうか。まずはIFRSを簡単に説明します。読み方からして悩む人もいるかと思いますが、IFRSにはいくつかの読み方があり、イファースやアイファース、アイエフアールエスといった読み方がされています。International Financial Reporting Standardsの略でIASB(国際会計基準審議会)というロンドンを拠点にする機関によって設定された会計基準です。2005年に欧州連合(EU)において導入が義務化され、その後急速に世界に広がり、現在は140か国以上でIFRSが採用されています。
もともとは国ごとに異なる会計基準で作成されていた財務諸表ですが、グローバル化の進展により、資本も国境を活発に越えるようになったため、同じ基準での比較が必要となり、そこで設定された国を越えた会計基準がIFRSなのです。

日本で用いられている会計基準は?

それでは、日本の会計基準がどうなっているかを見てみましょう。日本では、主に3つの会計基準が用いられています。日本基準、米国基準、国際会計基準(IFRS)の3つです。日本の場合、IFRSは強制適用ではなく、任意適用となっていますが、大企業を中心にIFRSを採用する企業が急速に増えており、2018年6月の時点で、IFRSの適用済みと適用予定の企業をあわせると204社あります。これは東京証券取引所の上場企業の約6%ではあるものの、株式の時価総額でみると、約3分の1を占めることになります。この数字からも、IFRSを採用する企業の規模が大きいことがよく分かりますね。
なお、この3つの会計基準に加えて、J-IFRSと呼ばれる会計基準が2016年から適用になっています。これは、日本基準とIFRSのあいだに位置付けられる会計基準です。

国際会計基準(IFRS)の2つの資格

国際会計基準(IFRS)に関連する資格は2つあります。IFRS検定(国際会計基準検定)試験とBATIC(国際会計検定)です。

(1)IFRS検定(国際会計基準検定)試験

ICAEW(イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が運営している国際的な資格試験です。IFRSの広範な知識と理解力を測ることを目的としています。以前は英語のみの試験でしたが、2009年から日本語でも試験が受けられるようになりました。

・受験条件:条件なし。誰でも受験可能
・実施頻度:年3回(2月・6月・11月)
・実施時間:2時間
・試験料:47,300円
・試験形式:客観形式問題60問(マークシート形式)
・出題言語:日本語
・合格基準:正答率60%で合格
・試験会場:東京、大阪

(2)BATIC(国際会計検定)

東京商工会議所が主催する検定試験で、英語力と国際会計スキルを同時に測る検定試験です。英文簿記と国際会計理論の基礎知識と、それを理解したうえでの応力を測ります。出題がすべて英語で行われることと、試験結果は合否ではなく、1,000点満点のスコア制になっていることが特徴です。

・受験条件:条件なし。誰でも受験可能
・実施頻度:年2回(7月・12月)
・実施時間:Subject1:1時間30分、Subject2:2時間30分
・試験料:10,340円(Subject1のみ5,500円、Subject2のみ8,140円)
・試験形式:選択問題(マークシート形式)および記述問題の2構成
・出題言語:英語
・試験結果:1,000点満点のスコア制
・試験会場:日本全国主要都市36エリア(2019年度)

国際会計基準の資格は転職に有利になる?

では、これらの資格が転職にどの程度有利になるのかが、気になるところだと思います。これらの資格はいずれも、単独の取得を考えるよりも、日商簿記2級などとあわせて取得することで、力を発揮してくる資格となるでしょう。

IFRS検定試験は、試験料がBATICに比べてかなりするものの、140か国以上あるIFRS採用国で通用する国際資格であるのに、日本語で受験できることが、精神的にBATICよりも挑戦しやすさを感じる人も多いのではないでしょうか。
一方のBATICは日本国内の試験ですが、英語力を示すことができることに加えて、合否ではなくスコア制の試験結果ですので、まずは現時点でのスキルを測り、スキルアップやキャリアアップのため、ハイスコアを目指して、勉強を進めていくことも可能です。BATICは日本全国の主要都市で試験が行われており、受験しやすいこともメリットのひとつですね。

グローバル化が進み、企業が国境を越えてやり取りをするのが一般的な時代、会計職においても、国際会計基準の知識があることは、これからの時代、ますます重宝されていくことが想像されます。これらの資格取得を目標として勉強を進めることで、国際会計基準に強くなることができれば、それが今後の強みになるに違いありません。

まとめ

今回は、現在、急速に適用する大企業が増えている国際会計基準(IFRS)とそれに関連する資格をご紹介しました。時代の流れにあわせて、知識のアップデートをして、キャリアアップを目指すのはいかがでしょうか。

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