国家資格の中でも難関と言われる税理士試験。働かずに受験勉強に「専念」する方も少なくないようですが、収入源が無くなることへの不安などから危険だと感じる方も多いのではないでしょうか?本記事では、そんな税理士試験の受験勉強に専念するべきかどうか、専念するならどのくらいの期間が目安なのか、解説します。
結論から申し上げますと、税理士試験の勉強に専念すべきかについては個人の状況や志向によるため、一概には言えません。ただし、どちらの選択肢もある程度の割合の受験生が選んでいるため、専念してもしなくても合格自体は可能であるといえます。
一方でそれぞれのメリットやデメリットを把握しておかないと、うまく勉強が進まなかったリ、無駄な時間をかけてしまうでしょう。そこで次の章ではまず、税理士試験の勉強に専念するメリットをご紹介します。
税理士試験の勉強は長く厳しいものです。そのため、「早く受かって楽になりたい…」と仕事を辞めて勉強に専念しようとする方も多いです。
そんな税理士試験の勉強に専念、つまり一定期間働かずに税理士試験の勉強に時間を費やすことのメリットを3つご紹介します。
働きながら勉強する方の出勤日の勉強時間は、多くても3時間程度です。一方で、試験勉強に専念する方は毎日10時間以上の勉強時間を確保することができます。つまり勉強に専念する方が、平日は3倍以上の勉強を進めることができます。よって、働きながらよりも短い期間(年数)で合格を目指すことができます。
[関連記事]
税理士試験受験生の中には、専門学校に通って合格に向けた勉強をしたり、会計大学院の学位を取得して一部科目免除を受ける方もいらっしゃいます。
仕事をしている場合は、どうしても業務時間の調整などを行って、それらに通学しなければなりません。それに対して受験勉強に専念している場合はそういった制約が無いため、通いやすくなります。
税理士試験の勉強は4,000時間程度かかると言われており、勉強に専念するとしても1年での合格は難しいとされています。そんな難関試験に少しでも早く合格するためには、なるべく他のことに使う時間を減らさなければなりません。仕事をしていると、不意な残業や人付き合いが必要以上に発生する場合があります。
もちろん試験勉強に専念するからといって全く人付き合いが無いわけではありませんが、無駄な時間を減らすことには繋がるでしょう。
勉強に専念するメリットについてはご理解いただけたかと思いますが、デメリットも把握した上で専念するかどうかを判断すべきです。
ここではそんな税理士試験の勉強に専念することで想定されるデメリットを紹介します。
試験勉強に専念している期間は仕事をしないわけですので、当然ながら収入がなくなります。家賃や生活費だけでなく社会保険料なども自己負担になりますので、金銭的負担が大きくなります。さらに、予備校に通ったり通信講座を利用して勉強する場合は、費用を支払わなければなりませんので、さらに負担がのしかかることになります。
仕事をしている場合と比べて、どうしてもメリハリが無くなってしまうので、集中力が続きにくくなる傾向にあるのは否めません。
一概には言えないものの、仕事をしている方と同じ勉強時間でも、その量や質が専念している方が劣っていることも考えられます。
どの業界の転職においても共通したことですが、仕事をしていない期間があると転職では不利に働きます。特に離職が転職活動の直前に発生している場合は、より不利になってしまうことがあります。
ただし、半年前後の期間であれば、会計事務所への転職でネックになることは殆どありません。半年間、受験勉強に専念しても合格はかなり難しいですが、例えば試験の半年前まで働いてその後の半年間だけ離職して専念、という勉強方法であれば不利に働きにくいでしょう。
[関連記事]
試験勉強に専念する人が最も見落としているのがこの点です。税理士試験(8月)から合格発表(12月)までは4ヶ月あります。でも、試験勉強に専念した場合、就職活動は8月の試験後に行うのが一般的です。
つまり、就職活動の際には試験の結果は出ていないので、仮に受かっていても就職活動時にはアピールできないのです。
恐らく税理士試験の受験者の中には「税理士試験の結果発表が出るまで就職・転職は控えよう」という方もいることでしょう。特に税理士試験の手応えが良ければ、就職せずに結果を待ってみたくなるものです。但し、受験勉強に専念していた方=ブランク期間を持っている方ということになりますので、就職をするのか結果を待つのかという判断は冷静に下した方が賢明でしょう。
また、税理士試験に専念後、一般企業への転職を希望されている方も、税理士試験直後のタイミングで就職・転職活動を行ったほうが得策だと言えます。
ここまでで紹介したメリットとデメリットを踏まえ、税理士試験に専念すべき人とそうでない人の特徴を整理していきます。
税理士試験に専念すべき人の特徴として最初に挙げられるのは、なるべく早く税理士試験に合格したい人であることです。具体的には1年前後の勉強期間で合格したいという人は、専念しないと十分な勉強時間は確保できないでしょう。
税理士試験は試験科目の5科目を取得することで合格となりますが、そのうちの一部科目を取得している状態を保持することができます。税理士業界では、この一部科目を保有しているだけでも評価の対象になるため、転職で有利に働いたり働いている職場で資格手当をもらえたりと、メリットが大きいです。
1科目であれば働きながらでも勉強時間を確保できる可能性はあるものの、勉強に専念すれば確実に取得しやすいでしょう。
転職に活用したい場合はもちろん、1年分の年収と将来的な資格手当を比較してメリットがあると感じれば、専念するのも選択肢です。
ある程度金銭的な余裕があることも、専念することに必要な条件といえます。社会人としての収入を得なくても生活ができる程度の貯金を保持できている場合は、勉強に集中して問題ないでしょう。
ただし金銭的に不安を抱える場合については、アルバイトなどで勤務時間や日数を調整しながら働くというのもよいでしょう。
試験勉強に専念した場合、予備校に通学する時間は別として基本的には毎日同じスケジュールで勉強することになります。家や自習室で勉強することが一般的ですが、単調な日々の繰り返しになるため、集中力が無くなったり勉強がしんどくなってしまうケースも多いようです。
そのため勉強に使う時間を適切にスケジューリングし、かつそれに則って実行できる自信が無ければ、働きながら勉強するのがオススメです。
働きながら勉強する場合は使える時間が限られているため、効率的に勉強しようという気持ちになりやすいとされています。また、仕事とのメリハリができるため集中力が持続しやすく、人によっては働き柄の方がむしろ短い期間で合格できたというケースもあります。
勉強が十分にできていない状態で税理士試験が近づくと焦りが生じ、「仕事を辞めて税理士試験に専念しようか…」と考えがちです。しかし、仕事を辞めて専念したにも関わらず試験に合格できなければ、経歴としては全くプラスになりません。離職期間ができるのでむしろマイナスです。
そのため、受かりそうにない年にリスクをとって勉強に専念するのではなく、「勉強に専念すれば今年は絶対に受かる!」という年に勉強に専念して確実に合格するのがよいでしょう。
会計事務所の中には、税理士試験勉強をしている従業員を応援する事務所も多いです。そのような事務所で働いている場合は、無理に離職せずに勉強を続けるのがよいでしょう。
そうすることで試験後の就職活動が不要になるのはもちろんですが、税理士登録に必要な2年間の実務経験を試験勉強しながら積むことができます。
また就職活動・転職活動では資格に加えて業界での実務経験も評価対象になるため、希望の就業先からの内定獲得にも繋がりやすくなるでしょう。
本編の最後に、 税理士試験の勉強をしながらでも働きやすい税理士法人として、会計事務所スタートラインをご紹介します!
会計事務所スタートラインは東京都品川区にあり、「財務を『強み』に変える会計事務所」として税務代理業務や税務署類の作成、税務相談、租税に関する訴訟の保佐人などのサービスを提供しています。
税理士試験の勉強をしながら働くのにオススメである理由の一つとして、リモートワークやフレックスタイム制の導入をしていることが挙げられます。これらを利用して、専門学校に通ったり、勉強時間を柔軟に確保することもできるでしょう。
また、有給休暇の取得率が100%であるため、税理士試験前の試験休暇も取りやすい環境といえます。
会計事務所スタートラインについて、詳細を確認されたい方は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。
会計事務所スタートライン│HP
今回は、税理士試験の勉強に専念すべきかどうかについて、メリット・デメリットを踏まえて解説しました。
ご紹介したように全ての人にどちらか一方をオススメするのではなく、ご状況や適性に合わせて判断していくのがよいでしょう。
なお、税理士試験の勉強をしながら働きやすい会計事務所に転職したい、税理士試験合格後のキャリアを相談したいという方は、ぜひ当社ヒュープロにご相談ください。
士業・管理部門特化の転職エージェントとして、業界最大級の求人数の中からご希望にマッチした求人のご紹介や、適切なキャリアのご提案をさせていただきます。書類添削や面接対策でも高い満足度を頂いておりますので、お気軽にご登録いただけますと幸いです。