公認会計士試験に合格し、実務経験の要件を満たし修了試験に合格すると晴れて公認会計士として登録することができます。そして、登録すると日本公認会計士協会の会員となることができます。この会員とは別に公認会計士協会の準会員という制度があります。
ここで、公認会計士協会の準会員とは?という疑問や通常の会員との違いを解説したいと思います。
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公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験があり、両者に合格すると晴れて公認会計士試験合格者、となります。しかし、公認会計士試験に合格したからといってすぐに公認会計士を名乗ってはいけません。2年以上の実務経験と、これと並行可能な3年間の実務補習所と、最終的な修了考査に合格してやっと公認会計士登録ができます。公認会計士登録をすると日本公認会計士協会の会員になります。
それでは準会員とはどのような人を指すかというと、公認会計士試験合格後に修了考査に合格しておらず、公認会計士登録までいっていない人のことを言います。わかりやすく言えば、最初の公認会計士試験合格後3年間は基本的には公認会計士協会の準会員という身分になります。
公認会計士協会の準会員はまず監査法人に就職する人が大半ですので、基本的に監査法人に就職したと仮定して話をします。
まず、公認会計士を名乗れないため名刺には「公認会計士協会 試験合格者」や、「公認会計士協会 準会員」と記載されることが多いです。ややこしいですが、これは公認会計士試験に合格しても公認会計士を名乗るのは違法だからです。
また、準会員の人は入社1年~3年の人ですので特に入社直後は雑用や簡単な仕事を任されます。雑用で多いのは、残高確認状を事務所から毎日引き上げて現場に持ってきたり、皆が見る書類や小六法を大きい鞄に入れてクライアントまで運んだりします。また、簡単な仕事として現金預金、借入金等の科目をひたすらこなします。これらの勘定科目はとても重要な科目となりますが、ひたすら残高確認状と照合すればある程度の仕事が終わる仕事です。
このような仕事をしながら通うのが「補習所」です。補習所は全国主要都市にあり、週に数回仕事が終わってからか、終わらなければ現場の責任者の先輩に声をかけてから行くことになります。土曜日などにもあるため時間は取られますし、何より仕事で疲れている中での講義を受けるため、眠気と戦うのに必死という声も中には聞かれます。
このように、公認会計士協会の準会員は慣れない仕事を覚えながら同時に補習所に通うため、最初の試験に合格してからもハードスケジュールが待っています。
先ほどお話した通り、公認会計士協会の準会員から正会員になるためには3年間の実務補習所に通う必要があります。しかもただ単に通うだけではなく、所定の単位を取る必要があります。出席の単位だけであれば、毎回カードリーダーを通せば基本的にはもらえますが、途中退出したりあまりにも授業態度が悪かったりするともらえません。また、単元ごとにテストや宿題があり、成績が悪いと追試があります。ただでさえ忙しい中で、追試は時間も取られるのでそれなりに最初の試験で勉強しておく必要があります。
また、実務経験が2年必要となります。これは、先ほどの補習所と並行してカウントされるので、監査法人に就職していれば特段注意する必要はありません。注意すべきなのは、一般事業会社に就職したり専門学校の先生に就職したりして監査経験が無いとされた時です。上場会社の経理等であれば良いですが、就職難もあったりで全く関係ない仕事について実務経験の面で苦労する人もいます。公認会計士協会の正会員になろうと思うと就職先も注意が必要となります。
補習所の単位も適正に取得でき、実務経験を満たせればあとは最後の修了考査に合格することで公認会計士登録をすることができます。修了考査は合格率に多少変動がありますが、真面目に勉強していれば合格できるくらいのレベルです。しかし、当初の公認会計士試験に高齢で合格したり、監査実務をあまり経験していなかったりする場合は、暗記に苦労したり、監査論で苦労したりするとよく聞きます。そして、晴れて合格すると準会員から正会員に移行するための手続に入ることができます。
公認会計士登録すると、CPE(継続的専門研修制度)という制度の単位を毎年継続して習得しなければなりません。これは、会計士登録してからその能力や資質を担保していることを勉強することで自ら証明するためにあります。これは、車の免許を持っていてもペーパードライバーでは事故を起こす確率が高い為に毎年教習所で指定時間の講習を受けるようなものです。
それでは、公認会計士協会の準会員であってもCPE単位の取得は必須となるのでしょうか。これは、登録している公認会計士に対する制度ですので、準会員にはCPE単位の取得義務はありません。しかし、先にお話した通り補習所に通うこととなるので、正会員よりもたくさんの勉強をしなければならないことは言うまでもありません。
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