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中間決算とは?なぜやるのか?いつやるのか?わかりやすく解説!

HUPRO 編集部
中間決算の時期はいつ?やるべきこととは?

企業には、本決算、四半期決算、中間決算があり、定期的に決算を行っています。では、中間決算の時期とは、いつなのでしょうか。また、中間決算でするべきこととは、どのようなことなのでしょうか。今回は中間決算の概要についてわかりやすく解説します。

そもそも決算とは?

決算とは、会社の財務状況や経営成績を明確にし、税金の申告や株主への報告を行う手続きの流れのことをいいます。決算では、決算書(財務諸表)という書類を作成しなければいけません。

決算申告は決算日の2ヶ月以内に行うことが義務付けられています。法人の場合は、決算日は企業が自由に定めることができ、上場企業で多いのは3月です。

そして上場企業の場合は、主に「四半期決算」の方式で決算が行われています。3月決算の場合、四半期決算とは、1年の間に、以下のような4回の決算を行うということです。

第1四半期決算 4月〜6月

4~6月の期間の決算を6月末に行います。この決算は、第1四半期決算と呼ばれます。

第2四半期決算 7月~9月

7~9月の期間の決算を9月末に行います。第2四半期決算、または1年の半ばにあたるため中間決算とも呼ばれます、この時期の決算内容は、第1四半期決算と第2四半期決算の決算を累計した内容です。

第3四半期決算 10月~12月

10~12月の期間の決算を12月末に行います。第3四半期決算と呼ばれます。この時期の決算内容は、第1四半期決算、第2四半期決算、第3四半期決算を累計した内容です。この第3四半期決算の時点で、当初予定していた業績と実際の業績との比較が行われます。

もしも業績結果が悪く、1年間の目標としていた数字を達成できないと判断されれば、業績予想を下方修正する旨を発表することとなります。

第4四半期決算 1月~3月

1~3月の期間の決算を3月末に行います。この時期の決算内容は第1四半期から第4四半期までのすべてを累計した内容になり、業績をまとめることで、1年間の売上や利益がはっきり数字で出るのです。この第4四半期決算のことは、本決算または期末決算とも呼びます。

中間決算を行う目的とは?

3月末に本決算を行えば1年間の会社の業績状況は把握できるのにも関わらず、なぜ中間決算を行うのでしょうか?実は、上場会社においては、法律によって中間決済を行うことが義務付けられているからです。

実際、上場会社以外の多くの会社も中間決算を行っています。これは、融資を受けている銀行または取引先の企業より中間決済の報告を求められるからでもありますし、納税のために中間決済をする必要があるという理由もあります。

そしてもう一つ重要な理由があります。それは、中間決算を行うことで、企業の中間時期の財務状況を把握し、必要であれば経営の軌道修正をするという目的があるからです。

1年たった時点で軌道修正をしても手遅れである場合も多く、半年で見直そうとする考え方といえます。また、中間決済の内容を明確にすることで、社内外に対して業務実績を明確に開示できるというメリットもありますし、中間決済をしておくことで、本決算の業務がスムーズになるということも挙げられるのです。

決算書とは、どのようなもの?

決算をする時に作成される決算書には、「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つの書類があります。

財務諸表とも呼ばれており、経営者がどのように出資金を活用したのかを報告するためのほか、企業の経営状況を経営関係者が確認できるためにも活用されるものです。それぞれ、どのような書類なのかを解説します。

賃借対照表

賃借対照表とは、一定の時点での財務状況を表す書類です。会社の資産、負債、そして純資産のほか、資産はどれだけあるのか、返済すべき負債はいくらあるのか、資本はいくらあるのかが記載されているのです。

この賃借対照表によって、財務基盤の状況やそのようになった原因が分かり、状況を改善するための対策が立てやすくなります。

損益計算書

損益計算書は、一定期間の経営成績を表す書類です。本業によりどのくらい利益がでたのか、本業以外ではいくら利益が出せたのかなどの、会社の収益力がまとめて記載されています。

会社が本業1年でどこまで利益を出せたのかは、会社関係者はもちろん株主も知りたい情報です。また、経営者が最も熟知しておかなければいけないものでもあります。例えば、本業での利益が少ないと判明した場合でも、この損益計算書の内容をもとに改善策を立てるということができ、経営の立て直しを図ることが可能になるのです。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、一定期間の現金や預金の動きをまとめた書類です。ただ、中小企業の場合は、一般的には資金繰表によってお金の動きを把握していることがほとんどです。

中間決算に必要な手続き

中間決算は年度途中の決算であるため、省略ができる手続もありますが、省略できる範囲が限定されることや、仮決算による中間申告の必要性などから、実質的には決算手続は年度決算とほぼ同じになります。

決算手続は会社の事情により多少異なりますが、ここではどの会社にもあてはまる主な手続を挙げていきます。

●現金
決算日に実際の現金残高を計算し、現金出納帳上の残高が一致しているか確認

● 在庫
決算日に実地棚卸を実施し、在庫がどの程度あるのか数量を実際に計算し、棚卸表を作成。決算作業時に、棚卸表と帳簿残高が一致しているかどうか確認し、不足がある場合は棚卸差損を計上

● 預金
決算日までの通帳記入や、決算日現在の残高確認書を銀行から入手し、決算書の残高と一致しているか確認した上で未経過利息を計上

● 売掛金
決算日現在の得意先毎の売掛金残高一覧表を作成。必要に応じて得意先に残高確認書を発送し、返送してもらい売掛金残高が一致していることを確認

● 未収入金、その他の流動資産
決算日現在の相手先毎の残高一覧表を作成。こちらも売掛金と「貸し倒れ」がないか確認

● 固定資産
決算日現在の固定資産台帳と実際の固定資産が一致しているかどうか確認し、廃棄や売却を行ったものがないか確認

● 買掛金
決算日現在の仕入先毎の買掛金残高一覧表を作成し、請求書到着の遅れによって計上されていない買掛金がないかどうか確認

● 未払金、その他の流動負債
決算日現在の相手先毎の残高一覧表を作成し、請求書到着の遅れによって計上されていない経費等の未払金がないかどうか確認

● 借入金
借入先の残高証明書を入手し、決算書の残高と一致しているか確認した上、未経過利息を計上

まとめ

中間決済の時期は、いつが本決算なのかによって異なりますが、多くの企業は9月となっています。

本決算さえすれば中間決済は必要ないと思われがちですが、銀行などから申請するよう求められたり、中間決済によって会社の経営状況の途中経過を把握できたり、本決算が効率よく行えたりするなど、必要性があるのです。少し中間決算の印象も変わったのではないでしょうか。

この記事を書いたライター

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