税理士試験に向けて勉強するうえで大切な3つのコツがあります。それは
の3つです。
今回の記事では、日ごろから多くの税理士の先生方とお話をさせて頂く機会があるヒュープロスタッフが、この三つのうちの一つ「各科目の違いを理解する」について詳しく説明していきます。
税理士試験では科目合格制が取られています。全11科目の中から5科目を合格してはじめて税理士になる権利が与えられるのです。しかしその11科目の中のどれでも良いというわけではありません。科目によって内容のボリュームや求められる技能もだいぶ違ってきます。税理士試験の合格のためにはこの各科目の違いを理解することがとても重要です。
まずは、そもそもの試験科目についての知識をまとめてみました。
税理士の試験科目は大まかに会計科目と税法科目の二種類に分けられます。会計科目は簿記論と財務諸表論の二つ。その他九科目が税法科目ということです(法人税法、所得税法、消費税法、相続税法、住民税法、事業税法、固定資産税法、国税徴収法、酒税法)。
また、税理士の試験科目には必須科目と選択科目が存在します。まず、絶対に避けては通れない必須科目なのが会計科目の簿記論と財務諸表論です。合わせて「簿財」と呼ばれることも多いようです。11科目の中でたった二つしかない会計科目なのですが、それが必須科目ということで、税理士になるうえでいかに重要な技能であるかがわかりますね。
もう一つの必須科目は所得税法と法人税法のどちらか一つです。受験者は会計二科目とこのどちらかの税法科目をパスすることで必須科目を全て制覇したことになります。また他の税法科目を受験する際にも気を付けなければならないことがあります。例えば消費税法と酒税法をどちらも受験することはできませんし、住民税法と事業税法も同じでどちらかを選択しなければなりません。
税理士試験11科目にはそれぞれボリュームの差があります。時間は限られているから効率よく勉強したいものですよね。まず、勉強量が非常に多いといわれているのは法人税と所得税です。税法の選択必須科目であり必ず受験しなければならないため、早めにどちらかに絞ってしっかりと時間を取れるように勉強計画を調整しましょう。
次にボリュームが多いといわれているのは簿記論、財務論、消費税法と相続税法です。逆に他科目と比べて少し軽めなのが住民税法、事業税法、国定資産税法、国税税徴収法、酒税法です。しかしボリュームの差はあれど科目ごとの合格率にはさほど変化はないので、決して侮ってはいけません。
税理士試験を細かく分けると計算と税法理論の二つに分けられます。この計算と理論の配分も科目ごとによって全く異なってきます。
計算が試験内容の全てを占めるのが会計科目の簿記論です。また計算が多めの税法には事業税法があります。
逆に国税徴収法には計算が一切ありません。他に勿論計算はありますが理論が多めなのが酒税法だといわれています。
その他の科目は会計科目、税法科目にかかわらず計算と理論が同じ割合で含まれています。一般的に計算はひたすら量をこなして慣れていき、理論は試験で頭にすらすらと浮かぶように暗記をする勉強法が取られています。全く違うこの二つのバランスをうまくとって計画的に勉強をしていくことが大事です。
税理士試験11科目の試験内容がどれも全く違うというわけではありません。中にはとても似たような内容のものもあり、勉強していく中で組み合わせると効率が良いと言われている科目があります。
会計科目の簿記論と財務諸表論は内容が似通っていてかつ必須科目であるため、同時に勉強し受験する人がとても多い科目です。税法科目では法人税と事業税が似たような内容であり、同時に勉強するにはボリュームのバランスも良い科目となっています。
先ほど触れたボリュームがそこまで多くない科目ですが、逆に受験者の質が非常に高く合格するのがとても難しい科目だと言われています。勉強内容がそこまで多くないために受験を望む人が多い、などということはなく、毎年受験生の数は少なめです。競争相手の数は少なくやはり一見簡単に思えますが、これが大きな間違いなのです。
受験生は限られた試験内容を徹底的に勉強してくるため、試験をほぼ完ぺきにこなす人が多くいます。特に酒税法、事業税法、そして固定資産税法は満点を取っても合格できないことがあると言われるほど厳しい試験になっています。勉強する量が少ないから楽だと勘違いして、安易に手を出さないようにしましょう。
上に述べた5つのポイントから、各科目の違いをしっかりと理解することで、受験の効率化を図ることができます。受験科目はなんとなく選ぶのではなく、しっかりと計画的に選択して勉強に取り組みましょう。
【税理士試験3つのコツ】