2019年2月に発表した2018年12月期決算で、創業以来最高の267億円という売上高を達成したGCA。年収が高い企業として知られるキーエンスと年収ランキングの首位を争っている会社としても最近は有名です。本記事では、GCAの業務や気になる年収・待遇、転職について解説します。
GCA株式会社は、2004年4月に設立されたM&Aアドバイザリー会社です。設立者は、米会計監査法人KPMGで実績がある公認会計士の渡辺章博と投資ファンドのユニゾン・キャピタル創業者であり、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の佐山展生教授が共同代表を停めています。
本社は丸の内。2008年に米国のSavvian LLCと経営統合しており、以前はGCAサヴィアンという社名でした。
2016年には、イスラエルと欧州に拠点を持つAltiumと経営統合し、全世界に10か国14拠点を日本に軸足を置くグローバルM&Aアドバイザリーファームへ。商号もGCAへと変更しています。
GCAは、経営全般を見据えたM&Aアドバイザリー業務、デューデリジェンス業務(M&Aにおいて、企業の資産価値や予想リスク、収益性などの情報を、状況に合わせて適性に査定・評価すること)などを行っています。
売り手と買い手から手数料を取る仲介業務やマッチングは行わず、あくまでM&Aを専業とする会社です。
M&Aに特化していることから、案件のソーシング、マネジメント、成約までのサポート(エグゼキューション業務)PMI(Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略。M&A成立後の統合プロセス)に至る前、M&Aについてまで、包括的な業務を行っています。
有価証券報告書データよると、2018年発表のGCAの平均年収は2063万3000円でした。
この年収額は、あのキーエンスに次ぐ日本の年収ランキング2位となっており、大変に年収が高い会社なのです。
実は、2017年の平均年収は1559万円だったので、そこから1年で平均年収が500万円近くアップしたということになります。さらに、その前の年の2016年は2139万円となっていますので、業績による年収のアップダウンが激しい会社といえますね。
いずれにしても日本トップクラスの年収の会社には間違いありません。
これだけ高額な年収を提示しているGCAは、売上高の7割を「人件費」として支払っており、業績によって多額のインセンティブ(報奨金)が払われる仕組み。同業他社に比しても高額の人件費で実力のある人材を集めたいという姿勢がうかがえます。
上記はあくまで平均年収です。役職による年収は異なり、口コミによると以下の通りとなっています。
早い人は30代前半でヴァイスプレジデントに昇格し、1000万円超えも珍しくないそうです。
ちなみに、GCAの大卒初任給は年棒で450万円とのことなので、入社後にステップアップしてからの昇給というのはすごいものがありそうです。
なお、2019年内定者は新卒で5名(男5名・女0名)、中途採用者は28名とのこと。かなりの狭き門であることは間違いありません。
しかし日本の大企業と異なるのは、各種手当や退職金についてです。見た目の給与は高くても、日本の大企業の方がこうした手当は優れているということが多々あります。
GCAには、退職金や確定拠出型年金がありません。となると、平均勤続年数の5~6年務めて退職した場合、次の就職先を決めてからでないと、貯金がない場合には資金繰りに困るということが起こりそうです。
「人」を大切にする経営を行い、M&Aの経験や能力よりも経営理念を尊重し、クライアントのために仕事をする人財を採用することを基本方針としているというGCA。
「明るく仲良く活き活き」と仕事ができるようにさまざま工夫を行っているということで、魅力ある転職先といえます。
新卒採用の他には、中途採用で1) M&Aファイナンシャルアドバイザー 2) 戦略コンサルタントを募集していますが、応募資格を見ると、実務経験3年以上、公認会計士などの資格歓迎とありますので、中途で入るにはかなりの実力を求められることには間違いありません。
学歴については、新卒・中途採用を含めて早慶・旧帝大あたりが多く、それ以外の大学の場合は公認会計士などの資格保有など、何らかの強みを持たせないと、採用については厳しいのが現状です。
とはいえ、ここ数年の平均勤続年数は5~6年の間で推移していますので、プロフェッショナルが集まるという就業環境は決して甘いものではないということがわかります。
2004年の創業以来「For Client’s Best Interest」の理念に基づいたビジネスモデルで、着実に業績を伸ばし、2012年には東証一部上場を果たしたGCA。日本企業による海外M&A案件数がここ数年で活発化していることから、その必要性はますます高まっており、将来性のある企業といえます。M&Aについて専門性を高めたいという方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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