簿記検定の合格発表は、試験形式(統一試験/ネット試験)や受験地によって異なります。そのため「いつ発表されるのか?」「どこで確認できるのか?」と迷う受験者は多いでしょう。
この記事では、1・2・3級それぞれの合格発表のタイミングと確認方法、さらに合格後の資格の活かし方についても解説します。
簿記検定の合格発表は、試験形式によって大きく異なります。
簿記には「統一試験(ペーパー形式)」と「ネット試験(CBT方式)」の2種類があります。
統一試験 (ペーパー形式) |
・ 基本年3回(6月・11月・2月)実施 ・ 1~3級まで受験可能 ・ 会場は全国の商工会議所 |
ネット試験 (CBT方式) |
・ 随時受験可能 ・ 1級は対象外で、2・3級のみ受験可能 ・ 会場は全国のテストセンター |
合格発表のタイミングの違いは、下記の表のとおりです。
試験形式 | 合格発表 |
---|---|
統一試験 | 試験後2〜3週間 (1級は約1か月) |
ネット試験 | 試験直後 |
統一試験は年3回実施され、合格発表までに2~3週間かかります。
一方で、ネット試験は随時受験でき、試験直後に結果がわかるのが特徴です。(なお、統一試験の前後には休止期間があります)
効率よく合格を目指すならネット試験がおすすめですが、1級を目指す方は最終的にペーパー形式で受験することになるので、統一試験に慣れておくと安心です。
なお、統一試験における合格発表スケジュールは、試験日から下記のように想定されます。
試験日 | 申込開始 | 実施する級 | 合格発表日 |
---|---|---|---|
第170回 (2025年6月8日) |
2025年4月下旬頃~ | 1級・2級・3級 | 7月上旬~7月下旬 |
第171回 (2025年11月16日) |
2025年10月初旬頃~ | 1級・2級・3級 | 12月中旬~1月中旬 |
第172回 (2026年2月22日) |
2026年1月初旬頃~ | 2級・3級 | 3月中旬~4月中旬 |
※第172回では1級の実施はありません。
詳しい申込開始日や合格発表日は商工会議所によって異なるため、受験する商工会議所の公式情報を確認しましょう。
統一試験(ペーパー)では、下記のような方法で合格発表を確認できます。
現在は多くの受験者がWEB成績照会を利用していますが、従来の掲示板や郵送も併用されています。
WEB成績照会では、合否とあわせてスコアも閲覧可能です。なお、商工会議所の公式ページでは、発表日の午前10時頃からアクセス可能なところが多いです。
一方、ネット試験(CBT)では、下記のような方法で合格発表を確認できます。
統一試験の場合、商工会議所ごとに発表日が異なります。
詳しい日程は、受験する商工会議所の公式サイト等で事前に確認しましょう。
たとえば、直近2025年6月23日の所沢・大阪・北九州の商工会議所では下記のようなスケジュールでした。
▼商工会議所ごとの発表日(例:第170回検定・2025年6月)
商工会議所 | 合格発表日 | 合格証書交付 | 公式リンク |
---|---|---|---|
所沢 | 2・3級→6/23(月) 1級→7/30(水) |
2・3級→7/15以降 1級→8/18以降 |
所沢商工会議所 |
大阪 | 2・3級→6/23(月) 1級→7/29(月) |
2・3級→7/11以降 1級→8/8以降 |
大阪商工会議所 |
北九州 | 2・3級→6/23(月) 1級→8/1(金) |
窓口交付7/9〜、郵送可 | 北九州商工会議所 |
このように受験地によって差があるので、自分の受験地ではどうなっているか確認することが重要です。
補足になりますが、地域によって受験形式が異なる点にも注意が必要です。
たとえば、東京都内の一部商工会議所では、2023年4月以降、2級・3級はネット試験のみとなり、ペーパー試験は廃止されました。なお、1級は従来通り年2回のペーパー試験が実施されています。
日商簿記検定の最近の合格率は、一般的に以下のように推移しています。
級が上がるにつれて難易度が高くなり、必要な学習時間も増加します。「次はどの級に挑戦しよう?」そんな気持ちになった方は、合格率や学習時間の目安を参考にしてみてください。
では、実際の試験結果を見てみましょう。
ここでは、第167回(2024年6月9日実施)における統一試験の合格率を紹介します。
▼第167回 統一試験|各級の合格率
級 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
3級 | 20,927名 | 8,520名 | 40.7% |
2級 | 6,310名 | 1,442名 | 22.9% |
1級 | 9,457名 | 992名 | 10.5% |
出典:日本商工会議所「受験者データ」
この回は、例年の傾向とほぼ同じ水準で推移していることがわかります。
続いて、統一試験とネット試験の合格率の違いについて見てみましょう。
以下は、【統一試験(第167回)】と、【ネット試験(2024年4〜6月)】の比較です。
級 | 統一試験 合格率 | ネット試験 合格率 |
---|---|---|
3級 | 40.7% | 39.0% |
2級 | 22.9% | 37.8% |
簿記2級ではネット試験の方が高い合格率となっています。一方、3級では両試験の合格率に大きな差は見られません。
ネット試験のほうが有利のように見えますが、合格率は試験形式だけでなく、受験者層や受験回によっても変動します。
また、ネット試験には、受験日程の柔軟性や合否・スコアの即日確認といったメリットがあります。
ただ、パソコン操作に慣れておく必要があるため、自分に合った受験スタイルを選ぶことが大切です。
簿記検定に合格したら、資格を生かす準備を早めに始めましょう。
簿記検定に合格したら、まずは合格証書を受け取りましょう。
合格証書は転職活動にあたり履歴書作成等で必要になる重要な書類です。
受領後は氏名や級に誤りがないかを確認のうえ、スキャンして保存するなど、紛失防止の対策をしておくことが大切です。
受験形式によって、合格証書の受け取り方法は異なります。
以下に、統一試験とネット試験それぞれの受け取り方をまとめました。
受験形式 | 合格証の受け取り方 | 補足 |
---|---|---|
統一試験 | 郵送で届く/商工会議所窓口で受け取り | ・商工会議所によって対応が異なる ・公式サイトで確認または直接問い合わせが必要 |
ネット試験 | スコアレポートに記載されたコードを使って、デジタル合格証を取得 | ・紙の証書は発行されない ・PDFをダウンロードして印刷 |
上記の表でも触れていますが、ネット試験では、紙媒体の合格証書は発行されないので注意しましょう。必要な場合は、自分でPDFを印刷して保管しておきましょう。
統一試験の場合も、受け取り方法は地域によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
履歴書や職務経歴書には、資格欄に「日商簿記〇級(取得年)」と記載するのが基本です。特に経理・財務職では、簿記資格の有無が選考に影響することもあります。
また、職務経歴書や面接時には、資格取得によって業務にどのような変化があったか、具体的なエピソードを添えると説得力が増します。
たとえば、「簿記2級取得後、月次決算の補助業務を任されるようになり、売上管理や仕訳入力を担当しました。」など、業務範囲が広がったことをアピールすることができます。
簿記検定は、段階的にレベルアップできる資格です。
単なる資格取得にとどまらず、将来的な専門職への道を見据えた学習計画を立てることも重要です。
簿記資格は、取得しただけではなく、実務に活かしてこそ価値があります。
3級は日常的な帳簿記入や仕訳業務に役立ち、2級は決算者の作成や財務諸表の分析など、より専門的な業務に対応できます。
社内で経理業務に関わる機会があれば、積極的に手を挙げて経験を積みましょう。
簿記資格は、経理・財務・会計分野での転職やキャリアアップに非常に有効です。
特に中小企業や会計事務所では、即戦力としての評価につながることが多く、資格の有無が採用の分かれ目になることもあります。
中でも簿記2級は、実務に直結する知識を証明できるため、転職市場での評価が高い傾向にあります。
特に未経験から経理職を目指す方や、キャリアチェンジを考えている方にとって、2級取得は大きなアドバンテージになります。
一方で、簿記1級は専門性が高く、活かせる職場が限られているという意見もあります。
そのため、1級取得を目指す方は、税理士などの上位資格へのステップとして位置づけるのも有効です。
税理士試験の受験資格にも簿記1級は含まれており、キャリアの選択肢を広げる足がかりになります。
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まずは、前回の試験での課題を振り返ってみましょう。
理解が不十分だった分野や、時間配分の難しさ、ケアレスミスなど、気づいた点があればメモしておくと、次回の対策が立てやすくなります。
勉強法としては、通信講座や学習アプリ、過去問の繰り返し演習が特に効果的です。
また、ネット試験であれば比較的短期間で再挑戦できるため、気持ちを切らさずに取り組みやすいのもメリットです。
簿記の合格発表は、結果確認だけでなく次のキャリアを考える重要なタイミングです。
合格者は証書を受け取ったら、履歴書や職務経歴書を整え、転職やキャリアアップに向けた準備を始めましょう。
簿記資格は経理・財務などの実務に直結し、企業選びや職種選定に有利です。
資格には有効期限がなく、長期的なキャリア形成にも活用できます。
残念な結果だった場合も再挑戦可能なので、次回試験に向けて効率的な学習を進めましょう。
前回の課題を振り返り、弱点を補強することが合格への近道です。
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