
「履歴書に学歴を書くのが不安…」そんな方へ。新卒採用では学歴が重視されがちですが、中途採用では経験やスキルが評価される傾向があります。この記事では、学歴フィルターの実態や転職成功のヒントを解説します。
一部の企業では、学歴フィルターが存在します。これは、最終学歴や大学の偏差値をもとに、書類選考の通過可否を判断する仕組みです。特に、大手企業や新卒採用の延長で中途採用を行う企業に多く見られます。
ただ、中途採用では、学歴よりも職務経験やスキルが重視される傾向があります。とはいえ、年齢や職種によっては学歴が選考に影響する場面もあります。以下の観点から詳しく解説します。
新卒採用では、学歴が選考基準になりやすい傾向があります。企業は、学歴そのものを評価しているというよりも、学歴から得られる情報―例えば、学習能力や努力の継続性、環境への適応力などを読み取り、育成前提で採用します。これは、「ポテンシャル採用」と呼ばれます。
一方、中途採用では「キャリア採用」が主流です。企業は即戦力を求めており、過去の実績・スキル・成果が評価の中心になります。学歴は補足情報として扱われることが多く、選考への影響度は相対的に低くなります。
| 採用区分 | 重視される要素 | 採用目的 | 学歴の影響度 |
|---|---|---|---|
| 新卒採用 | 学歴・ポテンシャル | 育成・将来性重視 | 高い |
| 中途採用 | 経験・スキル・実績 | 即戦力の確保 | 低い~中程度 |
社会人経験が浅い20代前半〜30歳前後では、学歴が判断材料になることもあります。
特に第二新卒枠では、目立ったスキルや成果があるケースが少ないため、学歴を参考に成長可能性を見極めようとすることもあります。
職務経験が少ない場合は、志望動機や将来のビジョンをどう伝えるかが重要になってきます。
学歴がどの程度評価されるかは、業界によって異なります。
学歴が重視されにくい業界と、重視されやすい業界は以下のように分けられます。
また必要とされるスキルについても異なります。
| 学歴が重視されやすい業界 | 【金融・コンサルティング・大手企業など】 ○一定の学歴基準が設けられている場合がある ○論理的思考力・課題解決力・業界知識が求められる |
| 学歴が重視されにくい業界 | 【IT・接客・物流・小売・クリエイティブなど】 ○学歴よりも現場経験・成果・スキル・資格が重視される傾向 ○技術力・コミュニケーション能力・売上実績などが求められる |
ヒュープロでは、士業・管理部門に特化した転職サービスを行っているので、これらの分野でどう見られているのかもお伝えします。
税理士や公認会計士などの士業では、資格を取得することで専門性が証明されるため、学歴は選考において補足的な情報にとどまることが多いです。
経理や人事・労務などの管理部門では、業務の正確性や調整力、組織理解などが求められるため、学歴よりもこれまでの実務経験が重視される傾向にあります。
たとえば、「社内制度の見直しを主導した」「部門間の連携を強化した」といった成果は、学歴以上に評価されるポイントになります。
最終学歴は、就職活動において応募資格や待遇に関係することがあります。
最終学歴ごとの傾向と評価ポイントを見ていきましょう。
| 高卒 | 【早期から実務経験を積んでいる強み】 ○求人の中には、「大卒以上」などの条件で、応募できる求人が限定される場合があり ○ただし、サービス・運送・福祉など実務重視の職種では若いうちから培った経験値が武器になる |
| 専門卒 | 【専門スキル+資格で強みを発揮】 ○医療・ITなど専門分野で高評価、資格があれば即戦力に ○特定分野でキャリアを築きたい人に向いている |
| 大卒 | 【求人の幅が広く、選考でも有利】 ○応募できる職種が多く、書類選考で有利な場面もある |
このように傾向をピックアップしましたが、学歴だけでキャリアのすべてが決まるわけではありません。実際には、これまでの経験や実績、資格などを活かして、希望する職種や働き方を目指すことは十分に可能です。
一部の大手企業や金融機関・外資系コンサルティング会社では、大学名や偏差値が選考に影響することもあります。
一方で、ベンチャー企業やIT企業では、学歴に関係なく成果によって評価する実力主義の文化が強まってきています。最終的な評価は職務経験やスキルのほか、人物面によって決まってきます。人物面とは、協調性をもって働けるか、物事の筋道を立てて考えられるかなどが挙げられます。ほかにも、企業側と本人の間で価値観が合うかといった相性もあるでしょう。
企業は即戦力を求めています。過去にどんな課題を解決したか、どんな成果を出したかが、学歴以上に説得力を持ちます。職務経歴書では、数字や具体的なエピソードで成果を示すことが重要です。
学歴を補う材料として、やはり資格やスキルは有効です。面接時には、資格取得のプロセスなども話せると、専門性の高さだけでなく、学び続ける姿勢や自己成長への意欲も示すことができ、採用担当者から高く評価されるポイントになります。
どんな職種でどのような資格が活かせるのか、一例をご紹介します。
| 営業職 | 宅地建物取引士(不動産業界)など |
| 経理職 | 日商簿記(2級以上が目安)、ファイナンシャルプランナー(FP)など |
| IT職 | 基本情報技術者試験、AWS認定資格など |
学歴に不安があっても以下のような方法で転職成功に導くことができます。
あわせて、未経験でも転職に成功した事例をご紹介します。
まず、履歴書には、高校入学から最終学歴までを記載するのが基本です。なお、途中で退学した場合は「中退」として記載する義務はありませんが、空白期間の説明が求められる可能性もあります。「〇〇高校 中途退学(理由:一身上の都合のため)」などと補足すると、自然な印象になります。
また、職務経歴書では、実績を具体的に記載することで、学歴に自信がなくてもカバーすることができます。ポイントは主に2つあります。
求人サイトで「学歴不問」「未経験歓迎」などの条件で絞り込むと、学歴に左右されない求人が見つかります。ただし、企業の本音は求人票だけではわからないこともあるため、エージェントを通じて確認するのがおすすめです。
資格取得が転職のきっかけになることがあります。ここでは、当社で実際に転職をご支援させていただいた事例をご紹介します。
A. 基本的には経験重視ですが、管理職や専門職では学歴が参考にされることもあります。
特に外資系や大手企業では、社内昇進の条件に学歴が影響する場合もあります。とはいえ、学歴だけで評価されることは少なく、職務経歴書でどれだけ成果を示せるかが鍵になってきます。
A. 一部の業界では、基本給に差が出ることがあります。ただし、キャリアを重ねる中で成果や役割によって年収が逆転することも十分にあり得ます。特に中途採用では、過去の実績や専門性が報酬に直結するため、学歴だけで年収が決まることは少ないです。
A. 多くの求人では学歴が選考の必須条件ではありません。ただ、企業によっては参考情報として学歴を確認する場合もあります。企業が「学歴不問」と記載する背景には、応募者の間口を広げたいという意図があります。特に人材不足の業界や職種では、学歴よりも経験やスキルを重視する傾向が強く、実際に高卒や専門卒の方が採用される例も多くあります。求人票の文言だけで判断せず、企業の採用ページで過去の採用実績や社員インタビューを確認したり、SNSで職場の雰囲気を見てみるなど、事前のリサーチが有効です。
A. 応募可能です。多くの求人での学歴条件はあくまでも目安であることが多く、実務経験や成果がそれを上回ると判断されれば、書類選考を通過するケースもあります。特にIT業界など人材不足の分野や、営業や経理など即戦力を求めるポジションでは、学歴よりも「何ができるか」といった経験や熱意でカバーできる可能性もあります。
転職活動で大切なのは、「何をしてきたか」「何ができるか」を言語化することです。学歴に不安があっても、経験やスキルを活かせば十分にチャンスはあります。
自分の強みを見つけたり磨くことで、学歴以上の価値を発揮できる場面は多くあります。
士業・管理部門については先ほども触れたように、学歴だけでなく実務スキルや専門性が重視される分野です。そうした領域での転職をお考えの方は、ぜひ私たちヒュープロにご相談ください。
ヒュープロでは、税理士、公認会計士などの士業や管理部門の求人を多数扱っております。無料電話相談では、今すぐ転職を考えていない方でも、キャリアの棚卸しや市場価値・年収の診断を受けることができます。
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