就職活動や転職活動で避けては通れないのが、履歴書や職務経歴書の作成。基本的な作り方のルールを押さえておくことはもちろん、これまでの職務経歴をどのように書くべきか、自己PRでは何を書くべきなのかなど、業界特有のポイントを知っているかどうかが、書類選考の通過率を左右することも多いです。今回はそんな書類作成の中で、税理士・会計事務所に応募する際の職務経歴書の書き方のポイントや凡例を項目別に紹介します!
職務経歴書は、就職活動や転職活動において基本的に必ず作成しなければならない書類です。その名の通り、これまで経験してきた職務について詳細を記載する書類ですが、同じ経歴でも書き方によって合否がされることがあるので注意が必要です。
そんな職務経歴書を作るにあたって、全体的に意識しておくべきポイントは以下の二点です。
応募先から指定される場合以外は、必ずこのように書かなければならないという明確なルールはありません。ただ、「職務経歴書には最低限これを書いておくべき」という事項は把握しておかないと、必要な要素が欠けているために「常識的ではない」という判断がなされ不合格となってしまう可能性があります。
税理士・会計事務所向けの職務経歴書は、以下の5つの項目を記載することが一般的です。
それぞれの項目に対応した内容を正しく書くことは、全体を通して意識しましょう。作成にあたってのポイントについては、後述します。
実は、先ほどご紹介した5つの項目の全てがアピール要素になり得ます。そのため、税理士・会計事務所への転職で何がアピールポイントになるのかを把握した上で、その要素を漏れなく書くようにしましょう。
また、このような応募書類はテンプレート通りに書けばよいだけと考えている方もいらっしゃいますが、実際はそうではありません。特にアピールポイントについては、採用担当者からプラスの評価を得やすいように書く必要があるのです。
次の章からは、上記のポイントを踏まえて各項目別のポイントを解説していきます。
職務要約は、上図のようにタイトル・日付・氏名を書いた後、本編の初めに記載します。採用担当者はこの部分から読み始めるので、自身がどのような経験をしてきたのかを、簡潔かつアピールになるように記載する必要があります。具体的には以下のポイントが重要です。
どんな会社でどんな仕事をしてきたかについては、次の職務経歴書に詳しく記載するので、ここにすべて盛り込もうとして長くなり過ぎないようにしましょう。あくまで「要約」ですので、1社~2社の職歴なら3行目安、それ以上であれば4行~5行を目安にしましょう。
これまでに会計事務所などでの実務経験がある場合は、簡略にでもその経験をアピールしましょう。会計事務所の経験を評価しやすい指標は、経験年数、担当件数、業務内容です。
経験年数は、複数社での経験がある場合でも計〇年と書いた方が見やすいです。また、担当件数は個人と法人で分けて「個人〇件/法人〇件」と書くようにしましょう。業務内容については、「月次決算/巡回監査/申告書作成」など、ある程度大枠で書いて構いません。
これまでの職歴が多い場合、無理に全ての職歴をここに記載する必要はありません。取捨選択の判断軸として、会計事務所の仕事に親和性があるかどうかという点を見ましょう。例えば、経理や事務の経験、また営業やコンサルなどのクライアントに関わる仕事なども、会計事務所での業務に活かせるという判断になりやすいです。
また②のポイントでも書いたように、同じ仕事を複数社で経験している場合はまとめて記載するのもおすすめです。
会計事務所で働くにあたっての強みになる職歴は漏らさず書きつつ、他の職歴は簡略にすることを意識しましょう。
職務要約を詳しく記載するイメージで書きましょう。上表のように、企業名と所属期間を記載のうえ、事業内容や従業員数、業務内容などを記載します。
複数社での職歴がある場合は、1社ずつ直近の職歴から記載しましょう。また、その場合は同じフォーマットで書くようにしましょう。例えば上表のように業務内容を箇条書きする場合は、全ての職歴の業務内容を箇条書きで記載することで体裁が整います。
実務経験者の場合は、担当してきた業務を網羅的に書きましょう。よく決算など高次の業務のみ記載する方もいらっしゃいますが、事務所によっては様々な仕事を任せたいということもあるので、できるだけやってきた業務は書き出しておきます。なお、採用担当者は会計事務所の仕事を熟知しているので、各業務の説明はせず、上表のように必要に応じて補足を入れる程度で問題ありません。
会計事務所は、経理代行などの基本的な仕事から決算書作成などの応用的な仕事までPCの使用が欠かせないため、PCがどのくらい使えるかを記載することでアピールが可能です。
会計ソフトの使用経験がある場合は、ここに再度記載しましょう。また、マイクロソフト オフィス スペシャリスト (MOS)などPCスキルに関する資格をお持ちの場合は、次の資格の欄にも併せて記入しましょう。
免許・資格の部分の書き方自体は非常にシンプルで、これまで取得した免許・資格の名称と取得した年月を記載します。
唯一注意すべきなのが、税理士試験です。まず税理士試験を1科目以上合格している場合は、科目数および合格した科目名を記載します。そして5科目合格されている場合は、税理士登録をしているかを「税理士登録済み」「税理士未登録」といった形で記載しましょう。
会計事務所への転職において、簿記や税理士資格がアピールポイントになることは分かりやすいと思いますが、他にもTOEICや運転免許などは評価の対象になりやすいので、忘れずに記載するようにしましょう。
自己PRは実務経験者と未経験者で書くべきポイントは大きく変わってきます。
実務経験者の場合、職務経歴で記載した経歴をもとに実績をアピールした上で、どのようなことを心掛けて仕事をしているのか、それがどのような結果に繋がったかを記載します。例えばチームの業務効率化のために業務フローを作成して全体の残業時間を減らした、クライアントの課題をヒアリングしていく中で新たな依頼を受注できたなど、行動およびそれによる成果をアピールしましょう。
未経験者の場合は、経理など関連した仕事をしていない限りは職歴でのアピールはしづらいため、会計事務所の仕事に適性があることのや、簿記2級などの資格をどのように計画立てて取得したかなどをアピールする必要があります。未経験者は実際に会計事務所の仕事に携わったことがあるわけではないので、いかにして事務所に貢献できる存在だと思ってもらえるかが、採用の可否に直結するのです。
会計事務所に向けての自己PRについては、以下の記事で例文を含めてご紹介していますので、併せてご覧ください。
本編の最後にはなりますが、職務経歴書や履歴書を作成する前に確認しておいた方がよいことをお伝えします。
求人には何かしらの応募要件が設定されていることがあります。会計事務所の求人で多いのが、「実務経験年数が○年以上」「簿記2級保有」といった実務経験年数もしくは資格による要件です。
これらの要件にご自身が合致していないと、いくら質の高い応募書類を作ったとしても選考通過はしないため、事前にチェックしておきましょう。
求人サイトに掲載されている求人などでは、掲載終了(予定)日が記載されていることがあります。採用が充足しない場合は掲載が継続されるものの、実際にその日程で求人が無くなってしまう可能性も否定できません。
書類作成中に掲載終了になってしまわないよう、スケジュールを逆算して作成するようにしましょう。
今回は、会計事務所に応募するにあたっての職務経歴書の書き方についてポイントを解説しました。各項目について解説していきましたが、とはいえご自身で作った職務経歴書が果たして問題なく作れているのか不安に感じる方も多いでしょう。
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