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40代未経験から社会保険労務士を目指すべきなのか?業界特化エージェントがリアルを解説します!

Hupro Magazine編集部 川辺
40代未経験から社会保険労務士を目指すべきなのか?業界特化エージェントがリアルを解説します!

転職市場において、年齢実務経験の有無はどの業界や職種でも重視されるポイントとなっています。一方で「税理士」や「公認会計士」などが属する「士業」では、それらに加えて資格の有無も選考の可否に関わってきます。そんな中で今回は、40代かつ実務未経験という状況で社会保険労務士を目指すメリットがあるのかについて、業界特化エージェントがリアルを解説します。

そもそも社労士とは?

社労士は社会保険労務士の略称であり、全国社会保険労務士会連合会では以下のように説明されています。

社労士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。
企業の成長には、お金、モノ、人材が必要とされておりますが、社労士はその中でも人材に関する専門家であり、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」を目的として、業務を行っております。
社労士は、企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、業務の内容は広範囲にわたります。

社労士になるには、社労士試験に合格した上で「2年以上の実務経験」もしくは「連合会が実施する事務指定講習の修了」をしなければなりません。社労士試験の難易度は高く、2024年の試験合格率は6.9%でした。その分、独占業務という社労士にしかできない業務が存在したり、社労士優遇の求人に応募できたりと、メリットも多い資格となっています。

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40代未経験で社会保険労務士を取得することは可能!

社会保険労務士(社労士)になるためには社会保険労務士試験(社労士試験)に合格する必要がありますが、その社労士試験には年齢制限はありません。また、実務経験により受験資格を満たすことは可能ですが、学歴や他の試験の合格によって満たすことも可能です。
そのため、社労士試験は問題なく受験できるということになります。

試験合格後に社労士として登録する際も、全国社会保険労務士会連合会が実施する事務指定講習を修了すれば、実務経験をしなくても登録できます

つまり制度上は、40代未経験で社会保険労務士になることは可能といえます。

2024年に実施された第56回社労士試験では、合格者のうち40代は28.9%50代以上も26.8%と大きな割合を占めています。もちろんこの中には実務経験のある方も含まれているものの、合格を目指すということだけに焦点を当てれば年齢は関係ないと言えるでしょう。

40代の未経験社労士向けの求人はあるのか?

年齢に関係なく人気の高い社労士ですが、実務未経験の40代の方が就職・転職のために取得を目指す場合は、あまりおすすめできません。なぜなら、40代の未経験社労士向けの求人は、士業・管理部門特化の転職エージェントをしている当社ヒュープロでもほとんど無いからです。

40代の社労士向けの求人は多く取り扱っていますが、どれも実務経験を必須要件とする求人ばかり。反対に未経験者向けの社労士事務所などの求人では、40代の方が書類通過することはほとんどありません。
ごく一部、40代の未経験社労士向けの求人は存在しますが、マネジメント経験・英語力・営業力などといったプラスアルファのスキルが無ければなりません。

就職・転職のためなら目指さない方が…

上記の通り、40代の未経験社労士向けの求人はわずかしかありません。それらの求人で必要とされるプラスアルファのスキルを持っていない場合、試験勉強に加えてスキル習得のための時間も割く必要があります。

このように労力がかなりかかる一方で働く選択肢はかなり限られてしまうことから、「次の仕事を見つけるため」「求職活動の武器にするため」といった理由で40代未経験から社労士を目指すのは、あまりおすすめできません

資格スクールや質問箱のようなサイトでは、このような方に対して資格取得を後押ししたり、肯定的な内容も見受けられます。しかしそれは、業界の就職・転職市場の状況を踏まえた意見ではないでしょう。
「就職や転職のために40代未経験で社会保険労務士を目指すのはおすすめできない」というのは、業界特化の転職エージェントである当社だからこそお伝えできる、リアルな結論なのです。

40代で未経験なら社労士を目指さないべき?

では、40代で未経験なら社労士になるのは諦めた方がいいのかというと、そうではありません。ここでは40代未経験で社労士を活用する方法について解説します。

独立開業するという選択肢

先ほど対象の求人は限られているとお伝えしましたが、社労士は自身を代表者として社労士事務所などを独立開業することができるので、そのような形で事業を行うことは可能です。
独立は経営スキルや集客力などが求められ、雇われて働くよりも収入面でリスクはある一方で、うまく軌道に乗せれば高年収を実現できるケースもあります。社労士としての仕事をすることへのこだわりを捨てられないという方には、オススメの選択肢です。
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社内の労務担当になるために取得するという選択肢

社労士試験に合格しただけでは特にいわゆる「特権」のようなものはないものの、社労士として登録すれば独占業務と呼ばれる、有資格者しか行えないと定められている業務の実施が可能になります。
そのため、社労士の取得によって「キャリアチェンジして労務を担当したい」と所属する会社内でアピールし、結果的に社労士に関わる業務に従事することを目指すというのも一つの手段です。
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知識習得のために取得するという選択肢

社労士試験の勉強を通して、労務や労働関係のさまざまな知識を身につけることができます。その知識を持っておくことで、業務自体が社労士と関係ないとしても、自身の働く環境の適法性を測ることができます。
そのため、違法性のある部分を指摘したり改善することによって、当人はもちろん働く全ての従業員の権利を守ることにも繋がるのです。

【参考】40代のキャリアチェンジにおすすめの資格は?

社労士は40代未経験の方がキャリアチェンジに活用できる可能性が低いとお伝えしましたが、他の資格はどうでしょうか?
類似した国家資格として、弁護士公認会計士税理士が挙げられます。これらの資格についても40代未経験だと就職や転職は難しく、独立などの手段を選ぶことになるでしょう。

医師をはじめとして、士業系以外にも国家資格はたくさんありますが、場合によってはそれらの資格であればキャリアチェンジに活かせる可能性があります。ただ、ご紹介した資格は国家資格の中でもかなり難易度が高いとされていますので、該当する資格は多くないと考えられます。

まとめ

今回は、40代で実務未経験という中で社会保険労務士になるべきかについて、解説しました。
残念ながら就職や転職に大きく活かすことはできないものの、独立キャリアチェンジなどのために取得するのであれば有効、といえるでしょう。
実務の未経験者に対して採用側は、応募者の潜在的な能力を合否の判断基準として重視する、ポテンシャル採用という手法を使うのが一般的です。つまり、将来的な成長を期待しての採用ということになりますので、未経験で社労士業界への転職をご検討されている場合は、なるべく早めに活動を始めるのが良いでしょう。
士業・管理部門特化の転職エージェントである当社ヒュープロでは、社労士業界の求人の数が業界最大級であるだけでなく、高い選考通過率を実現する書類添削面接対策も手厚く実施しております。
ぜひご相談から、お待ちしております。
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この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:資格試験

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